スーパージープに乗ってソゥルスモルクへ!

スーパージープに乗ってソゥルスモルクへ!

Kuna Yoon
執筆者: Kuna Yoon
認証済み現地在住者

アイスランドを代表する!?乗り物、スーパージープ!

道なき道や氷河の上でも走行できるように、アイスランドで改造された巨大なジープです。観光客を乗せて走れるように10人以上乗客を乗せられる超大型のジープもあります。このような大きなものは、「モンスタートラック」と呼ばれることもあります。

ピックアップでも注目を集めるスーパージープ

さて、このスーパージープ。実はイメージとはかけ離れるほどのラグジュアリーな車です。ジープといえばガタガタの砂利道、砂埃をあげながら荒野を走るというイメージですが、そんな場所でも快適に乗車できるように、ハイスペックになっています。サスペンションも素晴らしく、普通の道から砂利道に切り替わったことに気づかないほどの快適さでした。

このスーパージープに乗って参加したのが、こちらのソゥルスモルク探検ツアー

ソゥルスモルクは、アイスランドの雷神、トールの森、という意味のある渓谷です。荒れ果てた大地を過ぎると突如現れる豊かな森と、豊富な水量の川が出迎えてくれます。今回参加した10月後半には静かでしたが、盛夏にはキャンプやハイキングを楽しむ人が国内外から大勢集まるアウトドアの名所です。

この人気にも関わらず、ソゥルスモルクへのアクセスは簡単ではありません。幾重にも並ぶ川を渡河しなければならないため、普通のセダンでは行けません。降水量や氷河の水の溶け具合によってはジープでも渡河が危険なこともあります。

レンタカーの場合でも周辺エリアからスーパージープツアーなどで訪れることをお勧めします。

今回参加したツアーのジープは13人乗り。参加者は9名でしたので、余裕があり和やかな旅でした。

この日の最初の見所はアイスランド南部のストックスエイリ(Stokkseyri)の桟橋。レイキャビクを出発して1時間ほどで最初のストップです。

静かな静かなアイスランドの海

観光地ではありませんが、今思えば、この日唯一海を見れた場所でした。

次にウルリザフォス(Urriðafoss)の滝へ。この滝には発電所計画が持ち上がっており、滝が見られなくなるかもしれないのだそうです。

ウルリザフォスの滝

その後、アイスランド南海岸の有名スポット、セリャランズフォスの滝に行く予定でしたが、滝に群がる人を見てガイドさんが予定を変更。人が少なくなる夕方に訪れることに。セリャランズフォスの滝の前の道路を走り、ソゥルスモルクを目指します。

川沿いに道が続きますがいつのまにか砂利道に。そしていよいよ渡河!川を渡っている時の写真は外からは撮れないのですが、こんな感じです!

川を渡るアドベンチャーもスーパージープにおまかせ

写真:ソゥルスモルク|スーパージープツアー

橋のない川は、水量や季節により流れる場所や深さが変わります。狭いところは渡りやすそうに見えても実は水深が深く、危ないのだとか。毎年、川にはまって救助を依頼する車が度々ニュースになります。

何回か川を渡ると氷河がでてきました。2010年に大噴火したエイヤフィヤトラヨークトル氷河の末端で、ギガヨークル氷河(Gígjökull)といいます。

ほとんど溶けてしまったギガヨークル氷河

氷河というのは実はタコ足のようになっており、それぞれの山の渓谷沿いに小さな氷河ができ、それぞれ名前がついています。

気候変動や火山噴火の影響で、大きく後退してしまったそうです。以前氷河があった場所は石や砂に覆われ植物の形跡はありませんが、はるか上には苔や草が見られます。ここは長い間氷河の上にあった場所。つまりその下の部分は全て氷だったわけです。溶け具合のすごさがわかります。

ギガヨークル氷河を背にすると綺麗な景色が見える

溶けた水により、砂地の川底は大きくえぐられたりしながら複雑な地形を作り出しています。以前はここも川底か、氷の下だったのでしょう。

氷河を見学したら再びスーパージープに乗り、ソゥルスモルクへ。ここでは1時間ほどの散策。

ソゥルスモルクの景色

岩山を登ると壮大な眺め!かなりきつい階段でしたが諦めなくて良かった!遠くに見える白い氷河や、眼下に広がる砂で覆われた谷、そこに何本の筋を作りながら流れる川。周囲は背の低い木で囲まれていて、おとぎ話の国のよう。すっかり葉も落ちて冬の装いでしたが、夏には見事な緑になるのでしょうね。

キャンプで賑わうソゥルスモルク

この日は本当に誰もおらず、スーパージープツアー以外のお客様は数組程度。ちょっと離れれば人っ子一人見えない日でした。

ツアーの目玉、ソゥルスモルクの滞在はわずか1時間と長くはありませんでしたが、この日のツアーはこれで終わりではありませんでした。

ソゥルスモルクを後にして、帰り道の途中にある超マイナーな滝へ。ノイトフーサギル(Nauthusagil)という隠れた滝に行きました。そもそもこの滝、狭くて小さな渓谷の奥にあり駐車場や渓谷の入り口からは見えません。しかも、この写真の滝のさらに奥に本物のノイトフーサギルの滝があります。写真のこれではありません。本物を見るためには完全に沢登りなので無理でした。

ノイトフーサギルの滝。写真は同行者から借用。

道はなく、なんと川に置いてある飛び石を文字通りジャンプしながら渓谷の奥へと進んでいきます。ここに来て、まさかのアドベンチャー! 今日の目玉は終わったと思っていたのに大違いでした。

ノイトフーサギルの滝

この小さな渓谷の両側にそそり立つ崖には緑の苔がむしていて、ところどころ人が立てるほどの窪みがあります。また、別の場所では崖の上部が大きく張り出していて屋根のようになっていることも。そんな場所からは水が滴り落ち、とても幻想的です。絶え間なく落ちてくる大粒の水玉と、苔がとても素敵でした。

この滝から無事に生還すると、今度はグリューブラブーイの滝へ。この滝も岩に隠れた外からは見えない滝で川を歩いていきますが、濡れ方が大違い!

びしょ濡れになるグリューブラブーイの滝

足元も濡れますが、滝からの水しぶきも沢山!全身びしょぬれになります。

さらに、その隣のセリャランズフォスの滝。この滝も滝の裏側を歩くとびしょぬれです。セリャランズフォスもグリューブラブーイも観光スポットとして人気の場所。静かに見学したい、というわけには行きませんがお勧めの場所です。

こちらもびしょ濡れなセリャランズフォスの滝

この日の観光は、滝4ヵ所、海1ヵ所、そしてメインのソゥルスモルクと、贅沢なスケジュールでした。たった10時間の中でこれだけまわれたのは、少人数でのスーパージープツアーのお陰です。一日の最後にも快適なドライブのお陰で余計な疲れはなく、心地よい旅となりました。

スーパージープの旅はバスツアーに比べると高価で手が出にくいですが、ちょっと贅沢したい、家族で楽しみたい、充実な1日を過ごしたい人にはお勧めですよ!

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