ハイランド
アイスランド高原地帯、ハイランドはアイスランド島の大部分を占めており、アイスランドらしい大自然が広がっています。都会を遠く離れたハイランドはとても静かで厳そかで、そして美しいところです。
アクセスできるのは6月から9月の期間のみという秘境ですが、ハイキングやカメラ、風景写真などが好きな方は是非ハイランド地方の現地ツアーを探してみては。
中央高原地帯
中央高原地帯とも呼ばれているハイランド地方の標高は約500mで、1,000~2,000m級の山々がたくさんあります。高い山のほとんどは頂上を氷河に覆われています。
アイスランドの最高峰、標高2,109mのクヴァンナダルスフニュークル山(Hvannadalshnúkur)もハイランドにあります。白い万年雪の正体は欧州最大の氷河ヴァトナヨークトル氷河です。ヘリコプター遊覧飛行でも見ることができます。ヴァトナヨークトル氷河の北西部には標高2000mのバゥルザルブンガ山(Bárðarbunga)もあります。こちらは氷河の下に眠る氷底火山です。
ヴァトナヨークトル氷河を含め、アイスランドの三大氷河は全てハイランド地方にあります。残る二つはアイスランド島のほぼ真ん中にあるホフスヨークトル氷河(Hofsjokull)とその西にあるラングヨークトル氷河(Langjokull)です。
ハイランド地方の氷河の間にはいくつかの道が拓かれています。冬季は閉鎖されますが、平年は6月に開通します(雪解けが遅いと7月になります)。ホフスヨークトル氷河とラングヨークトル氷河の間にあるのがキョルル(Kjölur)です。アイスランドの南部と北部を結んでおり、流紋岩の山々が見られる温泉地帯を通ります。
スプレンギサンドゥル(Sprengisandur)もやはり南北をつなぐ道で、ホフスヨークトル氷河とヴァトナヨークトル氷河の間を通ります。
カルディダールル(Kaldidalur)はラングヨークトル氷河の西にあり、シングヴェトリル(Þingvellir)からボルガルフョルズル(Borgarfjörður)に通じています。
ハイランドの生態系はとても繊細です。小さな足跡から地表がダメージを受け、侵食が広域に広がってしまう可能性があります。ハイランドを旅行する際は必ず旅行のエチケットを守ってください。
オフロードの走行は法律で固く禁じられており、高額の罰金を科せられます。苔はとてもデリケートなので、苔の上を歩き回ったり、キャンプをしたりしないでください。採取するのはもってのほかです。釣りも禁止されています。
ハイランド南部
氷河の南側にあるほとんどの山は、氷河期に形成された凝灰岩の山です。アイスランドの火山活動はこうした凝灰岩層で非常に活発で、南ハイランドにはヘクラ火山(Hekla)、エイヤフィヤトラヨークトル山(Eyjafjallajökull)、アイスランド第四の氷河、ミールダルスヨークトルの下に眠るカトラ火山(Katla)などの活火山があります。
この中で最も有名なのはエイヤフィヤトラヨークトルでしょう。2010年に噴火し、欧州の航空網に大きな混乱をもたらしました。このニュースを伝えようとした世界中のキャスターたちはしかし、この難解な山の名前の読み上げに苦労し、急遽「E11」と呼ばれようになりました。
ハイランド地方の南部にはアイスランド有数のハイキングの名所であり温泉地であるランドマンナロイガル(Landmannalaugar)があります。
ハイランドの北東部、北中央部 、北西部
高地の北東部にはラキ火山のクレーター(Lakagigar)、有名な氷底湖と同名の火山グリムスヴォトゥン(Grimsvotn)、そしてオーライヴァヨークトル氷河(Oraefajokull)があります。ヴァトナヨークトル氷河の北にはアスキャ(Askja)とクラプラ(Krafla)などの有名な火山があります。
この地域にはヨークルスアゥルグリューフル渓谷(Jokulsargljufur)があります。この谷にはヨーロッパ最大の落水量を誇る滝デティフォス(Dettifoss)もあります。
北西部と北中央部のハイランドの地層は古い玄武岩で、イーストフィヨルド地方の山々の地層に似ています。
ハイランドのオアシス
ハイランドにはユニークな植物と野生生物がみられるオアシスがいくつかあります。中でも特に重要なのがショゥルサゥルヴェル(Þjórsárver)、ニーダールル/ヨゥクルダールル( Nýidalur/Jökuldalur)、ヘルズブレイザルリンディル( Herðubreiðarlindir)、エイヤバッカール(Eyjabakkar)です。例えばコザクラバシガンはショゥルサゥルヴェルとエイヤバッカールを主な営巣地としています。このような観点から、ショゥルサゥルヴェルは1990年にラムサール条約にも登録されています。
ハイランド東部はアイスランドで唯一、野生のトナカイが生息している場所です。トナカイは元々は人間が持ち込んだ家畜でしたが、トナカイの畜産業は定着せず、今では野生化したトナカイの群れを見ることができます。
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