ヴァトナヨークトル氷河(アイスランド語表記:Vatnajökull)は、ヨーロッパ最大の氷河で、アイスランドの陸地の8%を覆っています。ヴァトナヨークトル国立公園の中心であり、ユネスコ世界遺産にも登録されています。
アイスランド南東部に位置し、ヴァトナヨークトルはスカフタフェットル自然保護区やヨークルスアゥルロゥン氷河湖からアクセスしやすく、どちらもレイキャビクから車で約4~5時間東にあります。
その巨大な規模から、多くのセルフドライブツアー、バケーションパッケージ、南海岸ツアーで訪れることができます。
レンタカーで旅をする方には、国立公園内でセルフドライブアクティビティや、スカフタフェットル発の氷河ハイキング、ヨークルスアゥルロゥン氷河湖ツアー、アイスケーブツアー、クリスタルアイスケーブツアーなど、さまざまな体験が楽しめます。
このページでは、アイスランドの壮大なヴァトナヨークトル氷河と、ヴァトナヨークトル国立公園の自然の魅力について詳しくご紹介します。
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ヴァトナヨークトル氷河の基本情報
ヴァトナヨークトル氷河の面積は約8,100平方キロメートルです。気候変動の影響で急速に縮小していますが、ラングヨークトルやミールダルスヨークトルなど他の氷河ほど後退は進んでいません。
場所によっては氷の厚さが約1キロメートルを超え、平均でもその半分ほどの厚みがあります。
ヴァトナヨークトルの氷の下には、アイスランドで最も高い山フヴァンナダルスフニュークル(標高2,200メートル)が隠れています。また、グリームスヴォトン、エーライヴァヨークトル、バルザルブンガなど、国内でも特に活発な火山がいくつも存在します。
この地域では何世紀にもわたり火山活動が断続的に発生しており、多くの地質学者は今後数十年以内に複数の噴火が起こる可能性が高いと考えています。
バルザルブンガとグリームスヴォトンは、21世紀に入ってからも噴火しています。
風向きによっては、今後の火山活動が2010年のエイヤフィヤトラヨークトルのように、世界的な航空・農業・気候に影響を及ぼす可能性もあります。
ヴァトナヨークトルには30以上のアウトレット氷河(氷帽から谷間に流れ出す氷河の支流)があります。
主なアウトレット氷河には、北部のディングユヨークトル、ブレイザメルクルヨークトル、南部のスケイザラルヨークトルがあります。西側にはシズヨークトル、スカフタルヨークトル、トゥングナールヨークトルなどがあります。
ヴァトナヨークトル氷河からは多くの川が流れ出しており、アイスランド最大級の氷河河川を形成しています。主な川は以下の通りです:
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トゥングナ川(西)
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コルドゥクヴィスル川(西)
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ティョルサ川(西)
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ヨークルスア・ア・フィヨッルム川(北)
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スキャルファンダフリョゥト川(北)
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ヨークルスア・ア・ブルー川(北東)
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ヨークルスア・イ・フリョゥツダル川(北東)
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ヨークルスア・イ・ロゥニ川(南)
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ホルナフィヤルザルフリョゥト川(南)
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ヨークルスア・ア・ブレイザメルクルサンドゥ川(南)
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スケイザラ川(南)
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ヌプスヴォトン川(南)
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フヴェルフィスフリョゥト川(南)
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スカファ川(南)
ヴァトナヨークトル国立公園
ヴァトナヨークトル国立公園は2008年6月に設立され、徐々に保護区域が拡大してきました。現在は14,141平方キロメートルをカバーし、国土の14%を占めています。ヨーロッパで2番目に大きい国立公園であり、アイスランドに3つあるユネスコ世界遺産のひとつです。
園内には、かつて独立した国立公園だったスカフタフェットルや、近年保護対象となったヨークルスアゥルロゥンなども含まれています。
公園北部の高原地帯は川によって分断されており、火山台地のヘルズブレイズ山や、アスキャ、スナイフェットル、クヴェルクフィョットルなどの火山がそびえています。
渓谷ヨークルスアゥルグリューフルは、何世紀も前の氷河洪水によって形成されました。渓谷の上流には、ヨーロッパで最も水量の多い滝デティフォスがあります。
この壮大な滝は、セルフォスとハフラギルスフォスという2つの滝に挟まれています。
さらに北には、馬蹄形の渓谷アゥスビルギがあり、オーディンの八本足の馬スレイプニルが天から足を踏み下ろした際にできたという伝説があります。
スナイフェットル周辺の東側には湿地帯や山岳地帯が広がり、野生のトナカイや多くの野鳥が生息しています。ヴァトナヨークトル南側は険しい山脈が連なり、アウトレット氷河が低地へと流れ出しています。スケイザラルサンドゥルの砂原も南側に広がり、氷河河川スケイザラ川がこの広大な砂漠地帯を流れています。
国立公園内で最も人気のある観光スポットのひとつが、アウトレット氷河ブレイザメルクルヨークトルの麓にあるヨークルスアゥルロゥン氷河湖です。ここでは、氷河から崩れ落ちた巨大な氷山が湖を漂い、大西洋へ流れ出たり、近くのダイヤモンドビーチに打ち上げられたりします。ヨークルスアゥルロゥンは、アイスランドでアザラシ観察に最適なスポットのひとつです。
ヴァトナヨークトル氷河へのアクセス
ヴァトナヨークトル氷河へは、レイキャビクからレンタカーで南海岸を走れば簡単にアクセスできます。氷河ハイキングの拠点となるスカフタフェットルは、首都から327キロ離れていますが、リングロード沿いからも多くの氷河の舌が見られます。
ヴァトナヨークトル国立公園の主要スポットであるヨークルスアゥルロゥン氷河湖、デティフォスの滝、アゥスビルギ渓谷も、いずれもこのリングロード(国道1号線)沿い、またはそこから少し車を走らせた場所にあります。
ヴァトナヨークトル氷河周辺の宿泊施設

ヴァトナヨークトル氷河を訪れるなら、周辺には素晴らしい宿泊施設が揃っています。スカフタフェットル国立公園の近くに滞在したい方には、ホテル・スカフタフェットルがおすすめ。快適な客室と氷河の絶景が楽しめるほか、館内レストランもあり、観光後にゆっくりくつろげます。
よりアットホームな雰囲気をお求めなら、ゲストハウス・スカラフェットルもおすすめです。温かみのある雰囲気と美しい自然に囲まれ、氷河観光の後の癒しのひとときを過ごせます。
また、スカフタフェットルから車で1時間ほどの町キルキュバイヤルクロイストゥルにも宿泊施設があります。さらに東へ進むと、ホプンにも宿泊施設があり、ヨークルスアゥルロゥン氷河湖から車で1時間ほどです。
ヴァトナヨークトルとヨークルスアゥルロゥンのポップカルチャーでの登場
ヴァトナヨークトル国立公園の美しさは、映画やテレビ業界でも注目されています。1985年の『007 美しき獲物たち』を皮切りに、『バットマン ビギンズ』『トゥームレイダー』『LIFE!』『007 ダイ・アナザー・デイ』など、数々の有名映画のロケ地となりました。デティフォスの滝は映画『プロメテウス』にも登場しています。
特に有名なのは、HBOの人気ドラマ『ゲーム・オブ・スローンズ』で、ヴァトナヨークトル周辺が「壁の北側」として登場しています。壁自体はCGIで作られていますが、氷河の映像が使用されています。
ヴァトナヨークトルの未来

ヴァトナヨークトルの氷量は1930年頃にピークを迎えましたが、それ以降は減少傾向が続いています。過去15年間で、地球温暖化の影響により年間約1メートル(3フィート)ずつ氷の厚さが失われています。
このまま気温上昇が続けば、次の世紀末にはヴァトナヨークトルはほとんど消滅し、最も高い山の頂上に小さな氷帽が残るだけになるかもしれません。
この「避けられない」とも言われる事態を防ぐため、氷河周辺では植林プロジェクトが進められています。植林は地域の気温を下げる効果があると証明されており、今後の成果が期待されています。