2023年のリトリ・フルトゥル山噴火のすべて

2023年のリトリ・フルトゥル山噴火のすべて

Arnar Tómas
作者: Arnar Tómas
認証済みスペシャリスト

7月10日に始まったリトリ・フルトゥル山の噴火2023年にアイスランドで噴火したリトリ・フルトゥール山のすべてをご紹介します!噴火の規模は?今訪れて大丈夫なの?火山を見学するおすすめの方法は?噴火は危険?噴火はいつ終わったの?などなど、アイスランドで噴火したばかりの火山に関する疑問・質問にお答えします!

7月10日の午後5時少し前、レイキャネス半島リトリ・フルトゥル山(Litli-Hrutur)が噴火しました。数日前から地震が続いていたので、アイスランドでは「いよいよ噴火したな」と感じた人が多いようです。

長さ900メートルにもなる亀裂を伴う今回の噴火は、2021年及び2022年に起きたファグラダルスフィヤル火山の噴火よりも大規模でした。幸い、地域の住民やインフラに被害はありませんでした。

現在は噴火が終わっています。当局は8月5日に噴火は終わったとの見解を発表しました。しかし専門家によれば、再び噴火する可能性はあるということです。日本の感覚ではびっくりするかもしれませんが、噴火は見学できるので、興味がある方は是非アイスランドの火山ツアーをチェックしてみてください。

この一帯で連年起きている噴火は国際的に注目されており、世界中から噴火を見に観光客がやってきています。ケプラヴィーク国際空港や首都レイキャビクに近く、新たなハイキング・トレイルも拓かれたため、とても観光しやすくなっています。

では、今回の噴火の詳細を見ていきましょう!



噴火中のリトリ・フルトゥル山(Litli-Hrutur)は安全に観光できるの?

規模は2022年のファグラダルスフィヤル山噴火のおよそ3倍

今回のリトリ・フルトゥル山の噴火の規模は、2021年のファグラダルスフィヤル山(Fagradallsfjall)の噴火の10倍、2022年の同山の噴火の約3倍と考えられています。見学を計画する際は以下の点に注意しましょう。

一つは有毒ガスです。火山の噴火によって放出されるガスは吸い込むと危険なため、噴火現場の近くに長時間留まってはいけません。また、リトリ・フルトゥル山の周辺は苔などの緑が多いので山火事になりやすく、大量の煙が発生する可能性があります。風がない日はガスが溜まりやすく、特に低地や窪地では注意が必要です。

リトリ・フルトゥル山に出かける前に、周囲の大気の質をチェックし、訪れても安全かどうかを確認すること。アイスランド気象庁のウェブサイトで風向きを確認することも重要です。長時間のトレッキングになるので、風に背を向けて進める(追い風)ようなルートを選びます。

現地に到着したら、安全な距離を保って噴火を見学しましょう。地下には広範囲にわたってマグマが眠っており、いつ新たな亀裂が走るかはわかりません。近づきすぎて不安定な地面に足をついてしまうと、一瞬にして大惨事になりかねません。

リトリ・フルトゥル山(Litli-Hrutur)の噴火はどこで起きたの?

リトリ・フルトゥル山の溶岩流は圧巻だリトリ・フルトゥル山(Litli-Hrutur)の噴火の規模は、2021年のファグラダルスフィヤル山(Fagradalsfjall)噴火の10倍、2022年のファグラダルスフィヤル山噴火の約3倍でした。本物の火山の噴火を見るために、何千人もの観光客が押し寄せたそうです。

噴火は現在は終わっていますが、噴火跡も非常に興味深い場所です。リトリ・フルトゥル山があるのは、ファグラダルスフィヤル火山の北東約4キロの地点。最寄りの駐車場からリトリ・フルトゥルまでトレッキングをすると往復約20kmと、ファグラダルスフィヤルを見に行くよりも少し長めです。リトリ・フルトゥル火山のハイキング・ツアー(午後 or 夕方発)のような地元ガイドが案内するツアーを利用するのがおすすめです。

リトリ・フルトゥル山の噴火地点まで行ける道路はないため、まずはハイキング・ルートの始点にある駐車場を目指します。レンタカーで行く方は427号線に乗り、「P1」または「P2」という看板を探しましょう。レイキャビクからは車で1時間くらいです。路上駐車は禁止されています。また、アイスランドではオフロード走行は違法です。

詳細は以下の地図の通りです。

リトリ・フルトゥル山までは長距離のトレッキングになるので、足首をサポートする丈夫なハイキングブーツを用意しましょう。トレイルは岩がちで滑りやすく、傾斜もそれなりにあります。急な天気の変化に備え、防寒着とレインウェアは必須です。

トレイルの大半は砂利道で、緩やかな登り道です。だいたい4分の3ほど進んだところで砂利道が終わり、苔が生えた岩の上を歩きます。

途中、売店や水飲み場はありませんので、十分な水分を用意し、栄養価の高い行動食を持参しましょう。トイレやごみ箱もありませんので注意してください。

リトリ・フルトゥル山(Litli-Hrutur)とレイキャネス半島について

レイキャネス半島の地熱のエネルギーを感じられるクリスヴィークリトリ・フルトゥル(Litli-Hrutur)はアイスランド語で「小さな雄羊」という意味です。近くに「大きな雄羊」ストリ・フルトゥル(Stori-Hrutur)という山もあります。火山が多く、荒涼とした美しさで知られるレイキャネス半島(Reykjanes)にある山です。

レイキャネス半島は北米プレートとユーラシアプレートが接する大西洋中央海嶺上に位置しています。このため非常に火山活動が活発で、クリースヴィーク地熱地帯(Krysuvik)に見られるように、地熱が豊富です。

レイキャネス地方は地質学的には比較的新しく、過去700万年の間に地球の核からマグマが上昇して形成されました。(一方、アイスランド島北西部のウェストフィヨルド地方は1600万年前に形成されています。)

レイキャネス半島で一番人気の観光地はブルーラグーン温泉(Blue Lagoon)です。リトリ・フルトゥル山のハイキングとブルーラグーン温泉の入場券がセットになったツアーもあります。

レイキャネスには他にもたくさんの見どころがあるので、興味がある方はレイキャネス半島ツアーを見てみては。

 



アイスランドのその他の火山

ダイナミックの光景が多くの人を虜にしたファグラダルスフィヤル山の噴火アイスランドにはおよそ130の活火山と非活火山があります。主な活火山は大西洋中央海嶺に沿って、島の北東と南西を結ぶ湾曲したベルト状の地帯に並んでいます。

そのうち、最も悪名高い火山の一つがエイヤフィヤトラヨークトル(Eyjafjallajokull)でしょう。2010年に噴火した際に大量の火山灰を噴出して欧州の航空網を大混乱に陥れただけでなく、発音が非常に難しいことも話題になりました。

カトラ(Katla)はアイスランド最大級の活火山で、ミールダルスヨークトル(Myrdalsjokull)という氷冠の下に隠れています。1000年間で20回以上の大噴火が記録されており、次の噴火も大規模なものになる可能性が高いと言われています。

もうひとつ象徴的な火山であるヘクラ(Hekla)は、アイスランドに入植が始まった西暦874年以来20回以上噴火しており、中世には「地獄への入り口」と呼ばれていました。突発的に噴火してきたため、地質学者たちは現在もヘクラを注意深く監視しています。

ファグラダルスフィヤル(Fagradalsfjall)はリトリ・フルトゥルが登場するまではアイスランドで最も新しい火山でした。比較的観光・見学しやすかったため、何十万人もの人々がこの火山を訪れ、アイスランドの地下に眠る壮大な自然の力を世界に知らしめる役割を果たしました。

リトリ・フルトゥル山(Litli-Hrutur)がまた噴火する可能性は?

ロード・オブ・ザ・リングの世界を彷彿とさせるファグラダルスフィヤル山の風景

現段階では、リトリ・フルトゥル山がまた噴火する可能性があるかどうかは不明です。しかし2021年~2023年までの三年間で、レイキャネスでは3回噴火が起きています。このエリアの火山活動が非常に活発なことは間違いないでしょう。再びこの半島で噴火が起きる可能性はありますが、それがリトリ・フルトゥル山なのか、別の山なのかは神のみぞ知る、というところです。

この記事は噴火の状況に合わせて随時更新していきます。リトリ・フルトゥル山の噴火に関するご質問があれば、是非以下のコメント欄からお寄せください!

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