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観光情報:リトリ・フルトゥル山

4.8
Googleで35件のレビュー
タイプ
火山, 溶岩原
場所
99MVWQ9V+5C
中心部からの距離
5.7km
家族向け
あり
レビュー平均点
4.8
ユーザー評価数
35

リトリ・フルトゥル山の2023年の噴火の様子。噴煙が上がっている

リトリ・フルトゥル(Litli-Hrutur)はアイスランドのレイキャネス半島で2023年に噴火したばかりの小さな火山です。2021年3月と2022年8月に噴火したファグラダルスフィヤル山(Fagradalsfjall)と同じエリアにあります。最寄りの町はグリンダヴィークといいます。ケプラヴィーク国際空港からもほど近い場所です。

リトリ・フルトゥル山(Litli-Hrutur)の標高は約312mで、美しいケイリル山(Keilir)やファグラダルスフィヤットル火山(Fagradalsfjall)の近くにあります。2023年7月10日に噴火を始めました。このエリアでは近年3件目の噴火となります。8月5日に噴火終了宣言が出されました。

そのわずか4カ月後、12月中旬には近くのスンズヌカギガル(Sundhunukagigar)で、2024年1月にはハガフェットル山(Hagafell)で噴火が起きました。こちらはリトリ・フルトゥルよりも人里に近く、グリンダヴィークの町民には避難命令が出されました。

この山のあるレイキャネス半島はレンタカーと宿がセットになったセルフドライブ・プランで回れます。火山を見に行くだけなら小型車のレンタカーで十分です。ガイド付きのレイキャネス半島ツアーもあります。リトリ・フルトゥル山の近くに泊まるならグリンダヴィーク(Grindavik)やケプラヴィークのホテル(Keflavik)がおすすめです。首都レイキャビクから車で1時間弱なので、レイキャビクに宿をとって日帰りで観光することもできます。

2023年のリトリ・フルトゥル山(Litli-Hrutur)噴火

2023年のリトリフルトゥル山噴火で流出するマグマ。アイスランドのレイキャネス半島にて。

リトリ・フルトゥル山の噴火は2023年7月10日午後5時少し前に始まりました。この地域では1週間ほど前から地震が続いていたため、地元では噴火が予想されていました。ほとんどはマグニチュード3~4程度のものでしたが、4以上のものもありました。最も強い地震はマグニチュード5.3を記録し、ボルガルネス(Borgarnes)の町でも揺れが観測されました。

長さ900メートルの裂け目から溢れ出たマグマは始めは前年・前々年にこの半島で起きた噴火をはるかにしのぐ勢いで流れていました。噴火を見たい人のためのハイキング道も拓かれ、たくさんの観光客が訪れました。噴火最盛期は遠く離れたスナイフェルスネス半島(Snaefellsnes)からも火山の噴煙が見えたそうです。



2023年のスンズヌカギガル噴火

ヘリコプターから見たスンズヌカギガル噴火の様子

2023年12月18日午後10時過ぎ、スンズヌカギグル火口列で噴火が起きました。付近では地震が続いていたため、近隣のグリンダヴィークの町やスヴァルスエインギ発電所(Svartsengi)、多くの観光客が訪れるブルーラグーン温泉への影響では警戒態勢に入っていたところの出来事でした。

グリンダヴィークの住民は噴火の数週間前から避難しており無事でした。また幸いにも溶岩流はグリンダヴィークや近隣のインフラと反対の方に流れ、家屋や生活への被害も免れました。

噴火開始時は非常に勢いがあり、専門家は更に火口列が広がることを懸念していましたが、その後沈静化し、わずか3日後の12月21日に終息が宣言されました。噴火の余波をご覧になりたい方は、火山上空を飛ぶヘリコプター遊覧飛行がおすすめです。



リトリ・フルトゥル山(Litli-Hrutur)の歴史と周辺エリア

2023年のリトル・フルトゥル山の溶岩流と夕日 リトリ・フルトゥル(Litli-Hrutur)はアイスランド語で「小さな雄羊」という意味で、このエリアにレイキャネス半島中央部では数少ない牧畜に適した草原が広がっていることと関係があります。この地域には Meradalir(牝馬の谷)や、Geldingadalir(去勢馬の谷)など、他にも牧場の動物にちなんだ地名が多く見られます。

リトリ・フルトゥルの近くにあるストリ・フルトゥル(Stori-Hrutur)という山は「大きな雄羊」という意味です。周辺地域とできたばかりの溶岩原を一望のもとに収めることができますが、ハイキングの難易度はかなり高めです。

リトリ・フルトゥル周辺に広がる草原と苔は今回の噴火ではリスク要因になっています。溶岩流によって山火事が発生しているためです。火が燃え広がらないよう、現在消火活動が行われています。荒野にあるファグダラスフィヤットル山の噴火では見られなかった問題です。

リトリ・フルトゥル山の割れ目から立ち昇る噴煙アイスランドのレイキャネス半島にて。

噴火前のリトリ・フルトゥル山にはレイキャビク圏から日帰りで楽しめるハイキングコースが複数あり、頂上からはレイキャネス半島の素晴らしいパノラマを眺めることができました。今回の噴火により、周辺の地形はかなり変わってきています。

この付近では過去に大きな悲劇もありました。第二次世界大戦中、リトリ・フルトゥルの隣にあるファグラダルスフィヤル(Fagradalsfjall)で2度、飛行機墜落事故があったのです。1941年の事故は、英軍のショート・サンダーランドN9023型機が偵察飛行の帰りにファグラダルスフィヤルの東にあるランホールにぶつかったものです。13名の乗組員のうち3名が命を落としました。

その2年後、米軍のB-24リベレーター爆撃機が悪天候のためケプラヴィーク空港に着陸できず、墜落するという事故がありました。このときは15人の乗組員のうち14人が亡くなり、2018年にはこの地に記念碑が建てられました。

この慰霊碑は2023年の噴火の影響で場所が移動しています。現在はReykjanesbraut通りとGrindavikurvegur通りの交差点にあります。ケプラヴィーク空港から車で15分、レイキャビク中心部から車で40分ほどです。

観光情報:リトリ・フルトゥル山

リトリ・フルトゥル山の噴火跡を見に行く方法はいくつかありますが、ハイキングが主流です。ハイキングコースの始点に駐車場があるので、レンタカーがあれば自力で行けます。ですが現在の状況では、ガイド付きの火山ツアーに参加するのが最も安全です。

リトリ・フルトゥル山への最短コースは「Dハイキングコース」(別名Merardalaleid)です。往復20km強の道のりですので、しっかり備えて歩きましょう。

この近くには他のハイキングコースもありますが、リトリ・フルトゥル山を見ることはできません。その代わり、近年の2回の劇的な噴火の跡を見ることができます。各コースについての詳細な情報はVisitReykjanesのウェブサイトに掲載されています。

レイキャネス半島のその他の見どころ

レイキャネス半島のKleifarvatn地熱地帯

写真提供:レイキャビク発レイキャネス半島6時間ツアー(少人数)・ブルーラグーン or ケプラヴィーク送迎あり

リトリ・フルトゥル山はドラマチックな風景が広がるレイキャネス半島の中央部にあり、付近には大自然の驚異を感じられる名所がたくさんあります。例えば二大陸間の橋は北米大陸プレートとユーラシア・プレートを結ぶ橋で、地殻変動のダイナミズムを目の当たりにすることができます。

少し車を走らせれば、熱い泉や泥沼が広がるグンヌクヴェル地熱地帯(Gunnuhver)があります。大地に含まれるミネラル分で染まった煙がたなびき、別の惑星に降り立ったかのような雰囲気です。

アイスランドの名湯、ブルーラグーン温泉はレイキャネス半島にある地熱を体感するなら温泉も外せません。レイキャネス半島には、ミネラル分豊富な乳青色のお湯が世界的に有名なブルーラグーン温泉があります。広大な溶岩台地の真ん中にあり、リラックス&美肌効果に定評があります。

レイキャネス半島の海岸線も絶景です。断崖絶壁が大西洋とせめぎ合い、Reykjanesviti の灯台が立つ丘からは周囲を一望することができます。アイスランド最古の灯台の一つで、多くの船乗りを安全に導いてきました。

近くにある見どころ

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