グトルフォスの滝の観光情報
アイスランド南西部のクヴィータアゥ川の渓谷にあるグトルフォス(Gullfoss;アイスランド語で「黄金の滝」の意)はアイスランドを代表する滝の一つです。
レイキャビクから車で2時間ほどのところにあるので、レンタカーやゴールデンサークル巡りツアーで手軽に訪れることができます。大変人気の名所なので、サマーパッケージ6日間や冬季セルフドライブツアー7日間など、ほとんどのパッケージ・ツアーの旅程にも入っています。
グトルフォスの滝はラングヨークトル氷河を源流とするクヴィータアゥ川が高さ32メートルの階段状の崖を流れ落ちる地点にあります。そのスケールは圧倒的で、ゴールデンサークル観光ルートの三大名所とされています。
グトルフォスの一段目は落差11メートル、二段目は21メートルです。滝の両側の崖は高さ70メートルもあり、グトルフォスギューフル峡谷(Gullfossgjúfur)に続いています。この谷は最終氷期に起きた氷河湖決壊洪水によって形成されたと考えられています。
落水量は夏は毎秒140㎥、冬は少し減りますが、それでも毎秒109㎥です。轟々と音を立てて流れ落ちる滝に近づくと、霧のような滝しぶきで服がじっとりと濡れるほどです。
ゴールデンサークル観光ルートを巡ると、グトルフォスの滝の他にゲイシール間欠泉(Geysir)、シンクヴェトリル国立公園(Thingvellir National Park)を訪れることができます。グトルフォスの滝の駐車場からはラングヨークトル氷河のアイストンネル見学やスノーモービル体験ツアーが出ています。これらのツアーはゴールデンサークル巡りツアーのオプションになっていることも多いので、興味がある方は是非チェックしてみてください。
歴史
20世紀初頭、グトルフォスの滝を巡ってある論争が起きました。1907年にHowellというイギリス人事業家が滝の圧倒的な水量に目をつけ、水力発電所を建設しようと考えたのです。
当時グトルフォスの滝はTómas Tómassonというアイスランド人の私有地でした。土地を売ってほしいと持ちかけられたTómasは「私は友を売り渡すことはしない!」と一蹴したそうです。ですがやがて結んだ土地賃貸契約にTómasが気が付かなかった巧妙な抜け穴があり、Howellは強引に建設計画を進めようとします。
ここで立ち上がったのがTómasの娘、Sigríður Tómasdóttirです。滝の近くの羊牧場で育ち、滝に至る初めての道を開く手伝いもした彼女は、契約を無効にしようと急いでお金を貯めて弁護士を雇います。
しかし係争は長引き、Sigríðurはグトルフォスから100㎞以上離れたレイキャビクまで何度も徒歩で出向かなければいけませんでした。状況はかなり不利で、Sigríðurは建設を始めるなら滝に身を投じるとまで言ってHowellに迫ったと言います。
絶体絶命に見えた滝の運命ですが、彼女の粘り強い抗議活動は実を結び、かさむ費用や計画実行の見通しの悪さに匙を投げたHowellは1929年に賃貸契約を解除します。こうしてグトルフォスの滝は再びアイスランド人のものになったのです。
今日ではSigríðurはグトルフォスの滝を守った英雄として、またアイスランド初の自然保護活動家として、アイスランド史の重要人物の一人に数えられています。滝のてっぺんには彼女の功績をたたえる石碑があります。
ちなみにSigríðurを支えた弁護士Sveinn Björnssonは、1944年にアイスランド初代大統領に就任することになる人物です。
レストラン・カフェ
グトルフォスには滝を望むGullfoss Cafeというカフェがあります。地元の人が経営しており、温かいスープ、サンドイッチ、サラダ、ケーキなど様々な軽食や食事を頂けます。お土産を売っているギフトショップもあるので、ぜひ立ち寄ってみては。
グトルフォスの滝についてのよくある質問
グトルフォスとは?
グトルフォスとはアイスランド語で「黄金の滝」という意味で、アイスランドで最も有名な滝の一つです。アイスランドの南西部、ゴールデンサークル観光ルート上にあります。
グトルフォスの滝の高さは?
グトルフォスの滝の落差は32メートルです。厳密にいうと滝は二段になっていて、一段目の落差は11メートル、二段目の落差は21メートルです。
グトルフォスの滝はどうやってできたの?
グトルフォスは最終氷期の氷河湖決壊洪水により形成されました。この洪水によりクヴィータアゥ川(Hvítá)沿いに深い峡谷ができ、グトルフォスの滝ができたと考えられています。
グトルフォスの滝に遊歩道はある?
はい、グトルフォスの滝には遊歩道や複数の展望台が整備されており、様々なアングルから滝を楽しむことができます。周囲の地面は濡れて滑りやすいため、見学の際は遊歩道を外れないようにしてください。
グトルフォスの滝は通年見学できる?
はい、グトルフォスの滝は一年中訪れることができます。おすすめは日が長く気候が穏やかな夏(6月~8月)ですが、滝が一部凍結し雪や霜に覆われる冬(12月~翌2月)の景色も格別です。
グトルフォスの滝の入場料は?
グトルフォスの滝は無料で見学できます。但し、ビジターセンターの駐車場は有料です。回収した駐車料金は滝や周辺エリア、施設の維持などに活用されています。ガイド付きツアーで滝を訪れる場合は、駐車料金はツアー代金に含まれています。
グトルフォスの滝周辺の観光スポットは?
グトルフォスの近くにはゴールデンサークル観光ルートの他の名所、例えばゲイシール地熱地帯(Geysir)、シンクヴェトリル国立公園(Thingvellir National Park)、ケリズ火口湖(Kerið)などがあります。
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