アイスランドの楽しみ方
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日本人にとって未知の国アイスランド。その国で話されるのが「アイスランド語」というアイスランドだけで話される古い言葉です。アイスランド旅行やアイスランド語に興味がある人は、ぜひ読み進めてみましょう。
人口約33万人のアイスランドで話されているアイスランド語は、欧州でもマイナーで難しい言語と認識されており、耳慣れない地名や人名に早くも辟易してしまうと思います。カタカナで表記されていても、その摩訶不思議な発音に、思わず目が白黒!アイスランド旅行が心配になってしまうかもしれませんね!
海外旅行で心配なのが現地の言語。アイスランドではアイスランド人たちはアイスランド語を話しています。ですがアイスランドは英語で旅行ができる便利な国のひとつです!アイスランド語は話せたり読めなくても、簡単な英会話ができればアイスランド旅行は十分に楽しめます。
英語がどれくらい通じるかというと、高齢の方を除けばほとんど全ての人が英語での簡単な会話はできます。特に観光業に関わる人、ガイドさんやレストランのスタッフ、ホテルの人々は英語を話す前提で仕事をしていますので、旅行中には英語で話しかけてくれることばかりだと思います。
また、トイレの案内や地図でもアイスランド語と英語が併記されています。外国からの旅行者用にかなり改善されていますので、英語が読めればスムーズに旅行ができます。
ただしアクセントが強くて、聞き取りにくい英語だったという感想もありますし、アイスランド語の地名を言われたら、やっぱり聞き取れなかったということもあるでしょう。
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アイスランド語の発音を難しく感じる人はとても多く、始めは非常にとっつきにくい言語です。子音が並ぶため日本語とは大きく異なる発音システムで、英語とも発音の仕方は異なります。またそのために、カタカナ表記になったとき、どうしても正しい(それに近い)音を書き表せないという問題点があります。
ですのでカタカナ表記のガイドブックなどを読み上げて、アイスランド人が理解できる発音をするのは、そもそも難しいことなのです。
もちろん、目的地の名前を覚えたりするのも大切ですが、実際の旅行中には地図を用意しておいて、アイスランド語で書かれている目的地の名前を見せられる用に準備しておくほうが無難です。
それでもアイスランド語にチャレンジしたい!という人はネット動画やCD付きの会話集を購入してもいいでしょう。日常の様々な場面に使うアイスランド語、ネイティブが話すアイスランド語の動画はアイスランド政府の多文化情報センター(Fjölmenningarsetur - 英:Multicultural and Information Center)のウェブサイトで無料でアクセスできます。字幕付きですのでアイスランド語のスペリングと発音を見比べることができます!
やはり一番のおすすめは、ありがとう。タック!と短く簡単なので覚えやすく、いつでもどこでも使えます。
タック Takk ありがとう。
ハロー!もアイスランドでは頻繁に使われる挨拶です。
ハロゥ Halló
また、ハイハイというのもカジュアルな挨拶です。「やぁやぁ」、また英語の「Hi」のような気軽な単語です。アイスランドでは Hi が何故か2回繰り返されます。
ハイハイ Hæ hæ
さよなうなら、という時にはブレッスと言います。ですがバイバイも使われます。
ブレッス Bless
同意を表すにはヤォ、否定するにはネィを使います。これは他の北欧言語でも同様ですね。
ヤォ Já
ネイ Nei
もっとアイスランド語らしい言葉に挑戦したい人、こんな挨拶はどうでしょうか。
ゴゥザンダイイン Góðan daginn おはようございます、こんにちは
ゴゥザノット Góða nótt おやすみなさい
スカゥル Skál 「乾杯!」
ちなみに、アイスランド語には英語のプリーズ 「Please」に該当する単語がありません。そう、アイスランド人はプリーズと言わないのです。その代わり、コーヒーを頼むなら「コーヒー 1つ」という具合にかなりぶっきらぼうにオーダーします。
もしくは「コーヒーを1つ欲しいです。」というフレーズでオーダーします。ただしこのフレーズが難しいのです!
イェグ アィトラ アズ ファォ ○○○ Ég ætla að fá ○○○
覚えるのは至難の業ですが、これが言えたらレジの人も驚くことでしょう!
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アイスランド語の祖先は古ノルド語という、昔スカンジナビア一帯で話されていた言葉です。ヴァイキングたちの言葉とも言えるものですが、今ではアイスランド語をはじめ、スウェーデン語、ノルウェー語、デンマーク語などに分かれてしまいました。今でもこれらの言語は、なんとなーくそれぞれの話者が言っていることがわかる、また読めば単語の意味がわかるようです。
スカンジナビアの言語では、ほかのヨーロッパの言語に影響され文法の簡潔化や新しい単語の流入により言語が大きく変化しました。その一方で、孤島であるアイスランドでは、昔ながらの言語体系が残され、これらスカンジナビアの言葉の中では最も古い形を残す言語だと言われています。
そのため、古いサーガや北欧神話などを研究する人の中には、文献を読むことと関連してアイスランド語を勉強する人もいます。
ちなみにアイスランドの人名はとても変わっていて、なんと苗字がありません!ラストネームには父親の名前を使い「○○ソン(~の息子)/○○ドッティル(~の娘)」という名称を付けます。例えばグンナルという男性で、父親の名前がヨンならば、グンナル・ヨンソン。アンナという女性の場合は、アンナ・ヨンスドッティルとなります。夫婦間や親子間、そして兄妹間でもラストネームが違うことになる、とても珍しい慣習で、アイスランド語の伝統とともに今でも受け継がれています。
ガイドさんの名前など、ファーストネームで気軽に読んでみましょう。Mr.やMs.はつける必要ありません。
アイスランド語のアルファベットは以下の通り32文字あります。
Aa Áá Bb Dd Ðð Ee Éé Ff Gg Hh Ii Íí Jj Kk Ll Mm Nn Oo Óó Pp Rr Ss Tt Uu Úú Vv Xx Yy Ýý Ææ Öö
英語と違いC、Q、WとZが無く、アイスランド語特有の2文字があります。母音は14種類、子音は18種類あります。母音はローマ字読みに近いため、読んだままに発音すれば、それらしく聞こえます。英語のように複雑な発音のルールはありませんので、一度読み方を覚えれば後はスムーズに読むことができます。
便宜上カタカナ表記をしますが、実際の発音と完全に一致しない場合もあることをご了承下さい。
ÐはDに横線が入っていたり、ðは小文字のOに毛が生えたように見えますが、英語のTheyのようなTH発音の「ザジズゼゾ」です。
Hはそのまま読んで「ハヒフヘホ」のような発音です。ただしHとVが連なった時のみK発音の「ク」になります。例えばHvað(何?)は「クヴァズ」のような発音です。Hver(誰?)は「クヴェル」、Hvenær(いつ?)は「クヴェナイル」です。ダウンタウンにあるHverfisgataは「クヴェルフィスガタ」と読みます。
JはY発音の「ヤユヨ」と読まれます。例えばJójóと書いて「ヨーヨー」と読みます。それ故に名前に「ヤユヨ」が付く方は、十中八九、スペルミスされるので、氏名を正確に伝えたければ紙面やメールを使いましょう!さもなくば、ヤマダさんはJamadaと書かれたり、ヨシダさんはJoshidaと書かれてしまう事態が起こります。
Lは一つだけだと英語のL発音と同じです。しかしLが二つ重なると、舌を口の奥で鳴らすような、独特の発音になります。例えばJökull(氷河)は「ヨークットル」などと書かれますが、実際はカタカナ表記の通りには聞こえない音です。アイスランドに着いたら、ホテルスタッフやツアーガイドを捕まえて生の発音を聞いてみましょう!
Rは巻き舌です。「レイキャビク」の「レ」を巻き舌にするとぐっとローカルっぽくなります。
アイスランド人はVをWのように発音する時もあります。なぜならアイスランド語にはWがないので、VとWの違いが分らない国民も多いからです。例えばVideoを「ウィディオ」のように発音してしまうことも。
ÞはPと見間違えやすいのですが、「パピプペポ」ではありません!英語のThing(物)を発音する時のTH発音のような摩擦音です。ゴールデンサークルの一つ、大地の割れ目シングヴェトリル(Þingvellir)にも使われていますが、間違っても「ピングヴェトリル」なんて言わないように!国外のキーボードにないアルファベットなので、THと書かれれることもあります。例えばアイスランド国外向けのメディアでは、シングヴェトリルはThingvellirのように綴られることも多いです。
Æは常に「アイ」と読みます。
Oは「オー」、Óは「オウ」、そしてÖは「ウ」に近い発音です。日本人には聞き分け難く、また発音し難い音なのですが、アイスランド人は明確に三つのOを使い分けています。しかし外国人がÓやÖを正確に発音できなくても、地元の方は解ってくれるのでご安心を。
AとUが重なると、オイという発音になります。レイキャビク市ダウンタウンのメインストリートLaugavegurは「ラウガヴェーグル」ではなく、「ロイガヴェーグル」。これはぜひ覚えておきましょう!ロイガヴェーグルを即座に言えれば、あなたもアイスランド通です。
2010年にアイスランドのエイヤフィヤトラヨークットル火山(Eyjafjallajökull volcano)が噴火した際、噴煙の影響で欧米の国際線フライトが何日もストップしました。アイスランドという小国の火山がヨーロッパや北米の空に大きな被害を出したことも一因ですが、その発音の難しい火山の名前のために話題となったことも確かです。
さて、シンクヴェトリル(Þingvellir)やフィヤズラゥルグリューブル(Fjaðrárgljúfur) など、アイスランドの地図を広げただけでも長い単語が目に付きます。これはいくつかの単語を組み合わせた複合語が地名となっているケースが多いためです。
まず世界的に有名になったエイヤフィヤトラヨークットル火山。「エイヤ」は島、「フィヤトラ」は山、そして「ヨークットル」は氷河という意味です。島の山の氷河…ひとつの単語としての意味はともかく、こうやってアイスランド各地の地名は作られています。
シンクヴェトリルは「シンク」議会、「ヴェットリル」広場、という意味です。こうやって紐解いていくと、日本の地名ともちょっと似てませんか?漢字を組み合わせて新たな単語を作ったり、地名を表したり、共通する点もあるんです。
アイスランド南部にある小さな町キルキュバイヤルクロイストゥルの「キルキュ」は教会、「バイヤル」は町、「クロイストゥル」は修道院です。
絶景のヨークルスアゥルロゥン氷河湖は、「ヨークル」氷河、「アゥル」川、「ロゥン」湖、の複合語です。
東部の町エイイルススタージル(Egilsstaðir)は「エイイル(という人)の場所」という意味です。
英語にはアイスランド語由来の単語が多々見られます。例えば、「ガイザー(Geyser)=間欠泉」や「サガ(Saga)=物語」など。
「ガイザー」はゲイシール(Geysir)と名付けられた間欠泉が語源です。ゴールデンサークルツアーで訪れることのできる間欠泉エリアにあります。
英語のHusband(夫)という単語もアイスランド語と繋がりがある可能性があります。アイスランド語にHúsbóndi(一家の主/農家)という単語があり、意味も似ていると思いませんか?ちなみに現在のアイスランドで「夫」を指す単語はEiginmaðurで、Húsbóndiにおける「夫」という意味は薄れてしまいました。
何百年も前のバイキング時代に書かれた歴史書によると、昔のアイスランド人は、スカンジナビア人やイギリス人と難なく会話できたそうです。昔はこれらの人々とより共通点の多い言葉を話していたためです。
古英語もアイスランド語との類似点が見られます。古英語のYou(あなた)に当たる言葉はThou、ThyとTheeで、アイスランド語の「あなた」という意味のÞúと似ています。ちなみに英語のYouは比較的近代から使われ始めた単語です。
現在のアイスランド語で「あなた」という言い方はÞúしかなく、ドイツ語のSieやフランス語のVousのように、丁寧語や敬語として使える「あなた」という単語はありません。また、人々はファーストネームで呼び合い、ラストネームで呼び合うことはまずありません。日本語と比べたらかなりカジュアルです。
アイスランド語のEyja(島)という単語は、イギリス近辺の地名にも見られ、バイキングの足跡を覗わせています。例えばOrkney islands, や Jersey and Guernseyのように~eyという語尾がEyjaに由来しています。さらにイギリスのScafell Pike(スカフェル・パイク山)やCross Fell(クロス・フェル山)などの~fellは、アイスランド語で「山」を表すFjallが由来のようです。
Ship(船)はアイスランド語でSkip、Boat(ボート)はBátur、Fish(魚)はFiskurとなど、海に関する英単語の中にも、アイスランド語の影が見え隠れするものがあります。
このようにとっつきにくい言語ではあるけれど、一度勉強し始めてしまえば面白い発見がたくさんあるのもアイスランド語の特徴です。
アイスランド語は何世紀もの間ほとんど変わっていません。ですが時代の移り変わりに伴い、新しい言葉が必要になります。そんな時、アイスランド人は外来語をそのまま使うのではなく、委員会に提案して新しい言葉を作るのです。生物学や化学などの分野でも、外来語をそのまま使うことはしません。委員会で作られた新しいアイスランド語がすんなり受け入れられる時もあれば、残念ながら人々に浸透しない時もあります。
元々ある単語は英語と似ているものがたくさんあります。例えばLand(土地)はアイスランド語でもLandですし、Wine(ワイン)はVín、House(ハウス)はHús、そしてGlass(グラス)はGlasです。特にここ半世紀で登場した単語はオリジナリティ溢れる単語でいっぱいです。
Tölva(コンピューター)は、「数」という意味のTalaと、「占い師」という意味のVölvaをくっつけたものです。直訳すれば「数値占い師」とでもなるでしょうか。
Sjónvarp(テレビ)という単語を分解すると、Sjón(視覚)とVarp(投影)となります。
Ísskápur(冷蔵庫)は「氷のクローゼット」、Frystikista(冷凍庫)は「凍った大きな箱」という意味です。日本語も似たような思考ですね。アイスランド語に愛着が湧いてきませんか?
この流れで、アイスランドではアニメキャラクターや映画の登場人物、タイトルまでもがアイスランド語になっています。日本でもしばらく前は多くの映画タイトルやキャラクター名が日本語に馴染むように変えられました。白雪姫、赤ずきんちゃん、人魚姫など子供向けのタイトルには日本語が使われています。アイスランドではこのような変更が今も行われています。アルプスの少女ハイジ、赤ずきんちゃんという王道のタイトルだけでなく、バットマン、モアナなど最近リリースされたタイトルもアイスランド語風に改名されています。
これはアイスランド語学習者にとっては、勉強量を増やす悩みの種となっています。
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アイスランドにおける識字率は100%で、国民は母国語に並々ならぬ愛情を注いでいます。文学も盛んでアイスランド人は国民の5人に1人は本を執筆するという統計もあるほど。また毎年クリスマス前には大量の本が出版され、「クリスマス書籍の洪水(jólabókarflóð)」などと呼ばれたりします。
イースターには、イースターエッグの中に入れられた古い格言を読むのが習慣です。チョコレートで作られたイースターエッグで町は溢れますが、人々はチョコよりも中に入っている小さな紙切れを読むのに生きがいを感じています。
アイスランド国民は母語を正しく話すように気を遣い、そして多くの新語も難なく取り入れます。2013年から言語をテーマにした番組「スピーチ」(Orðbragð)が大ヒットとなり、母国語ブームの一端を担いました。
市販の牛乳パックにも新語が印刷されていることもあります。アイスランドのスーパーに立ち寄ったら探してみましょう!
アイスランド語を勉強してみたい、話してみたくなりましたか?
確かにアイスランド語は、アイスランド以外の国でビジネスや旅行をするのには使えなさそうです。外国語を勉強するなら話者が多くて、利便性のあるメジャーな言語を選ぶのはもっともな話です。
しかし、アイスランドに興味のある方は、この機会にアイスランド語を学んでみてはいかがでしょうか?ネイティブレベルの語学力を目指す必要はありません。挨拶をアイスランド語でできるようになったら、アイスランドのカフェでローカル感溢れる交流も期待できそうです。アイスランドデザインやミュージック、文学に興味があるなら、アイスランド語を学ぶことで理解が一層深まるでしょう。
本格的に勉強を始めると、教科書では細かい文法や、膨大な単語の活用法を目の当たりにしますが、ギブアップしないように!アイスランド語を話そうとする外国人を見るだけで、アイスランド人はとても喜んでくれます。
また、アイスランド大学が作ったIcelandic Onlineというウェブサイトがとても役に立ちます!ゲーム感覚でアイスランド語を勉強できるこの無料のウェブサイトですが、実はアイスランド大学のアイスランド語学科と同じカリキュラムに基づきコースを作りました。
アイスランド人は息を飲み込むように話す特徴もありそれが真似できるようになれば、かなりこなれた感を醸し出せます。Yesを意味するヤォ。これを息を吸いながらヤォと言ってみましょう。そう!アイスランド人な感じが上手に出ていますよ!