アイスランドの「入浴禁止!」温泉 トップ5
地熱活動が活発なアイスランド。有数の温泉の中でも入浴ができない、観光のみの温泉もあります。見る価値のある温泉はどこにあるか?アクセスと特徴は?写真に撮りたくなるアイスランドのユニークな温泉の情報をここでお届けします!
人の手が加わっていない自然のままの温泉に慣れていないと、入って安全な温泉とそうでないものの見分けは難しいものです。「危険」という看板がなかったり、見た目にはほかほかと気持ちがよさそうだったりすれば尚更です。
でも天然温泉王国アイスランドには、入るべきではない温泉や温水プール、お風呂や間欠泉がたくさん存在します。お湯が熱すぎる、冷たすぎる、不安定など様々なケースがありますが、たいていは「危険だから」というのがその理由です。
まず、当たり前ですがぶくぶくと沸騰しているような温泉は熱すぎて入れません。多くの観光客が訪れる地熱地帯では、こうした温泉は「危険」という標識が立てられ、フェンスで囲われて近づけないようになっています。でも訪れる人が少ない場所では必ずしもそうではないので十分に注意してください。
また、氷や氷山が浮かんでいるような湖は入浴には冷たすぎます。そしてそれ以上に、氷山が突然傾いて水の中に閉じ込められる可能性があるので危険です。
私有地にある温泉では、所有者が観光客の入浴を快く思わない場合もありますし、環境や歴史的文化財を守るために保護されている温泉もあります。
こうした温泉の中には、思わずひとっ風呂浴びたくなるような魅惑的なものもたくさんあります。そんな温泉に出会ったら、必ず入る前にリサーチをしましょう。次に挙げる五つは特に紛らわしいので注意してください。
1.ゲイシール(Geysir)
ゲイシールは間欠泉です。現在ではほとんど水を噴き上げることはなくなりましたが、それでも熱湯を湛えているので入れば火傷をします。
ゲイシール周辺の地熱地帯にはミニ間欠泉がたくさんあります。特に有名なのは数分に一回の頻度で熱湯を噴き上げるストロックル(Strokkur)です。他にももうもうとした湯けむりに誘われてつい入りたくなってしまいそうな泉や池がたくさんあります(特に冬の寒い日なんかは)。
ここはアイスランドでも最も人気の高い観光エリアなので、こうした温泉は全てフェンスで囲われており、熱湯注意(本当に100度近いものも)の看板があちこちに立っています。
2000年には、ゲイシールが突然大量の熱湯を噴出したことがあり、その時近くにいた観光客は皆命がけで逃げなければなりませんでした。足に火傷を負った人も何人かいました。間欠泉は周りの地面も非常に高温になるので、熱い泥に足を取られないよう、必ず遊歩道を歩くようにしてください。
アイスランドの地熱地帯はありのままの大自然が魅力。注意して観光しましょう。
エリア:ゴールデンサークル
行き方:レンタカーを使ったり、ゴールデンサークルツアーに参加したりできます。レイキャヴィークからレンタカーでは約1時間半、国道一号線から35号線に進みます。
備考:ゲイシール地熱地帯の入り口の反対側にホテル、インフォメーション・センター、お土産ショップやレストラン等があります。
2.グリョウタギャウ(Grjótagjá)
グリョウダギャウ温泉は世界中で大ヒットしたドラマ、ゲーム・オブ・スローンズの「熱い」ラブシーンで一躍有名になりました。一見するとほかほかと湯気が立ち昇って気持ちがよさそうですが、実際は入ることはできません。
1970年代後半に水温が上昇して50度くらいになったため、入浴には不適切です。以後少しずつ水温が下がっているようですが、日によって、また周辺の地殻変動の状況によってかなり熱くなる日もあります。
更に洞窟内にはいつ落ちてもおかしくない岩があり、水流が非常に遅いため、現在は入浴が禁止されています。それでも見学はできるので訪れて損はありません。テレビで見る以上に幻想的な光景に感動すること間違いなし。そしてすぐ近くのミーヴァトン湖(Myvatn)で温泉に入ればいいのです。
グリョウタギャウ(アイスランド語で「岩の割れ目」)はレイキャビクからはかなり離れています。アイスランド北部に行くなら、アークレイリ(Akureyi)を拠点にミーヴァトン湖周辺のトレッキングなどを楽しみつつ、グリョウタギャウにも足を延ばす、というのがおすすめルートです。
エリア:アイスランド北部
行き方:環状線にあるレイキャフリーズ(Reykjahlíð)という村から東に向かい、2~3キロで右折し、ミーヴァトン・ネイチャー・バスの手前にあります。
備考:2018年の夏をもちまして洞窟の中に入ることが禁止されています。カメラで写真を撮ることはできますが、鉄のフェンスが張られています。
3.スノッリの浴場・スノッラロイグ(Snorralaug)
レイクホルトの町にある温泉です。アイスランドの著名な歴史家、スノッリ・ストゥルルソンはこの温泉をよく訪れていたと言いますが、温度は不安定で非常に熱くなることもあり、現在は入浴が禁止されています。
1817年に考古学的遺跡に指定され、文化遺産として重要なことも大きな理由です。
浴槽自体はとても小さく、直径4メートル、深さ70センチから1メートルくらいです。このため大勢の観光客が押し寄せればあっという間にお湯が汚れてしまうでしょう。レイクホルトを観光するなら見る価値がありますが、この町にあるスノッラ・ストーヴァと呼ばれる文学研究所がメインの見どころスポットになります。
エリア: アイスランド西部
行き方: レンタカーの他にもシルバーサークルのツアーで訪れることができます。レイキャヴィークから車で約1時間半。
備考:温泉のすぐそばに小さなターフハウスもあり、内部の見学もできます。
4.ブラゥクヴェル(Bláhver)
宝石のような碧色のお湯は心も体も癒してくれそうですよね。ここで写真を撮って、友達に自慢したいな、とか。水面も穏やかで適温に見えます。でも、騙されてはいけません。ブラゥクヴェルは非常に危険な泉です。
まず、重症の火傷を負うほどの熱湯です。そして縁が非常にもろいので体重をかけると簡単に壊れてしまい、出られなくなってしまう可能性があります。
ミーヴァトン湖エリア、クヴェラヴェリトル(Hveravellir)の地熱地帯にあるこの温泉群は、幸いフェンスで囲われており、観光客は安全な距離を保って目(と鼻)でこの美しい温泉を鑑賞できるようになっています。
小屋の近くには、入浴OKの温泉もあるのでご安心を。天然の温泉水を、冷水のホースで適温にしているので火傷の心配なくゆったりとくつろげます。
エリア:アイスランド北部
行き方: レンタカーを使い、レイキャヴィークから車で約4時間。グトルフォスの滝からF35の道を90kmほど走ります。砂利道を走りますので4WDが必要です。
備考:ブラゥクヴェルが位置するクヴェラヴェトリルはアークレイリ発のハイキングツアーで訪れることができます。
5.ブリームケティットル(Brimketill)
こんな天然の岩風呂を旅の途中で見つけたら、入ってみたくなりますよね。上の動画のように、実際に泳いだ強者もいます。いるのですが、これはかなり昔、しかも非常に穏やかなよく晴れた日に撮影されたものです。今ではこの温泉は非常に危ないので入浴は禁止されています。
実はブリームケティットルは温泉ではありません。窪みに溜まっているのは氷のように冷たい北大西洋の水。長く入っていれば、凍傷になります。更に、周りの岩は常に海水に洗われており、非常に滑りやすくなっています。ここで滑って転んだら、膝をすりむくくらいでは済まないでしょう。
太陽が輝く夏の日には冷たいプールに飛び込みたい衝動に駆られるかもしれません。ですがこのエリアは常に風が強く、高い波が岩に激しくぶつかって砕けていきます。この風が止むほど穏やかに晴れ渡る日というのは、アイスランドでは年間そう何日もありません。
ブリームケティットルは「白波の大釜」という意味です。日もすがら白く泡立つ波頭の様子からついた名前でしょう。遠くから見る分にはもちろんOKです。波が繰り返しくりかえし、ダイナミックに砕ける様子は眺めていて飽きることはありません。
レイキャネス半島沿いのドライブすると見えてきます。
エリア:レイキャネス半島
行き方:レイキャヴィークから車で約1時間。41号線でケプラヴィーク空港方面に行き、43号線に左折。グリンダヴィークの町を通過して海沿いに11キロメートル走ります。
備考:レイキャネスはユネスコ世界ジオパークに登録されています。
さて、今度のアイスランド旅行はどちらの温泉に行ってみたいですか?あなたのおすすめの温泉はどこですか?下のコメント欄から是非ご意見をお寄せください!
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