水中の映像は1'30から

アイスランドでシュノーケリング?? 寒いことで有名なアイスランドなのに、冷たい水に潜るなんて信じられない!

でも、アイスランドには、冷たい水に潜るだけの価値がある場所があるんです。絶対に行ってほしいシュノーケリングやダイビング、その理由を徹底解説します!

アイスランドで潜ると言えば、シルフラの泉

シンクヴェトリル国立公園にあるシルフラの泉。実は世界トップ10に入る人気のダイビングスポットなんです。シンクヴェトリル国立公園は、北アメリカ大陸プレートとユーラシア大陸プレートが離れていく場所で、その境目、ギャウを見られることで有名です。地上ではそのプレートとの間を歩くことができますが、シュノーケリングやダイビングをすれば、その割れ目の間を泳ぐことができるのです。

シンクヴェトリル国立公園

このプレートの溝は毎年2㎝ほど広がっており、躍動する大地のパワーを体中で感じられます。

シンクヴェトリル国立公園を歩いていると小川が目につきますが、のぞき込むと吸い込まれてしまいそうな、見事な透明度なんです!透明度が高く、薄く青みがかった小川は、差し込む光がキラキラと輝きとてもきれい。いつまでも眺めていたくなる、そんな場所でシュノーケリングを体験できるのがシルフラの泉です。

シルフラの泉

シルフラの泉は遥か昔の地殻変動により、大地に亀裂が生まれ、そこに地下水が流れ込んだものです。この地下水はゴールデンサークルの北側にあるラングヨークトル氷河に水源を発しています。

この氷河から解けた水は100年近い年月を経て、溶岩の大地の地下をゆっくりと濾過されていきます。不純物は取り除かれ、飲料水にもなるほどの水質の水がシルフラの泉に湧き出し、やがてシンクヴァトラヴァトン湖へと注ぎます。

そそり立つ壁は「大聖堂」と呼ばれる

写真: Diving Silfra & Lava Caving Combo.

ゆっくりとシンクヴァトラヴァトン湖へと流れる水の中は、まさに別世界。両側にそそり立つ大陸プレートの間をプカプカと流れに身を任せて進みます。太陽の光が泉の底まで降り注ぎ、両側にそそり立つ大陸プレートは遺跡のようでもあります。やがて水深の浅い部分に来ると、碧く輝く水面、泉の底に反射する太陽の光で、眩しいくらいの光に包まれます。シルフラの水中の世界はまさに奇跡。

シルフラの割れ目は延々と続く大西洋中央海嶺の一部だ

写真:Diving Silfra & Lava Caving Combo.

ダイバーはまた違った視点からシルフラを体験することができます。シュノーケリングのように湖底を見下ろすだけではなく、キラキラと揺らめく水面を見上げることもできます。透明度が高いため、揺らめく水面の先には青い空と白い雲が見えるほど。宇宙でダイビングをしているような、夢を見ているような不思議な感覚に包まれます。

氷河を水源とする地下水であることから、シルフラの水温は2℃から4℃程度で一定です。冬場は気温より水温が高いこともあります。非常に冷たい水のため、シュノーケリングやダイビングの際には、ドライスーツを着用します。また、ツアーの前後も体を冷やさないようにセーターやジャケット、タイツなどしっかりした防寒対策は欠かせません。

水中の視界は100mにもなる

写真:Diving Silfra & Lava Caving Combo.

ツアーの流れ

シルフラの泉は、ゴールデンサークルの一部であるシンクヴェトリル国立公園内にあります。そのため、単独のツアーだけでなく、ゴールデンサークルとセットになったツアーもあり、効率よく1日を過ごせます。もちろん、レンタカーを借りる人は現地に集合して参加することもできます。自分のスケジュールにあったツアーを探してみましょう。

ツアーはでドライスーツを着用します。服の上から直接ドライスーツを着ますので、水着は必要ありませんが、冷たい水温でも寒くないようにタイツ、セーターなどを着ましょう。ドライスーツを着用後はガイドさんが密閉のために裾をテープでぐるぐる巻きにします。驚かないように!また、前後の観光で寒いことのないよう多めに防寒具を用意するのがお勧め。せっかくのアイスランド旅行で風邪をひいてしまっては大変です!

シルフラの泉に到着したら、さっそく着替えますが、更衣室などはありません。着替えたら、フィンなどを持ってシルフラまで移動します。ガイドさんの指示に従って安全に楽しんでください。ドライスーツを初めて着る人は、その泳ぎ方に戸惑うかもしれません。リラックスして水の流れに身を任せてみましょう。

シュノーケリングやダイビングへの参加条件

近年、健康状態が思わしくない状態でシュノーケリングやダイビングを行ったり、泳げない方が参加したりと、危険な行動をとる参加者がいたため、参加条件が厳格化されました。

以下はアイスランドにおけるダイビングとシュノーケリングに関する参加規則です。ダイビングやシュノーケリングツアー参加者は、良好な健康状態であることを証明するため、免責同意書への署名と、問診票の記入が義務付けられています。

問診票では、肺疾患や寒冷アレルギーなど、ダイビングやシュノーケリングをする際に身体に関わる病歴の有無を確認する事項があります。このような病歴がある方は、医師の署名入り診断書を提示して健康であることを証明する必要があります。予約後、診断書や証明書が提示できない場合、ツアーには参加できません。ツアー参加資格に関して不明な点は、各ツアー会社にお問合せください。

参加条件や問診票の内容は変わることがありますので、必ず、ツアー会社から送られるる書類をご確認ください。

シュノーケリングの参加条件

・身長150センチ以上であること。

・体重45キロ以上であること。

・16歳以上であること。

・問題なく水中にいることができ、泳げること。

・健康であること。

・収縮するドライスーツを着ることができる状態にあること。

・妊婦の方は参加できません。

・60歳以上の方や通院している場合は、ツアー参加が可能な健康状態であることを証明する医師の署名入り診断書が必要です。お忘れになったり、当日提示できない場合は参加できません。

ダイビングの参加条件

以前はPADIオープンウォーターのライセンスがあれば参加できましたが、現在は条件が厳しくなり、ドライスーツでのライセンスや経験が必要です。参加条件を満たさない場合にはダイビングはできません。

・PADI オープン・ウォーターや同等のレベルの資格を持ったダイバーであること。

・ツアー催行日から遡って過去2年間にドライスーツダイビングの経験があり、証明できるものを持参すること。

・ダイビングに関する資格を証明するものを持参すること。

・身長150センチ以上、体重45キロ以上であること。

・17歳以上であること。18歳以下の参加者は保護者の署名入り承諾書が必要。

・健康であること。

・収縮するドライスーツを着ることができる状態にあること。

・妊婦の方は参加できません。

・60歳以上の方や通院している場合は、ツアー参加が可能な健康状態であることを証明する医師の署名入り診断書が必要です。お忘れになったり、当日提示できない場合は参加できません。

必ずツアーで参加しましょう!

経験のある方でも、いきなり潜るようなことはせず、必ず観光庁に登録されたツアー会社やガイドとともに、ダイビングやシュノーケリングを行ってください。



ここからは、シルフラの泉以外のダイビングスポットを紹介します。

実は筆者、アイスランドでダイビングのガイドをしています。アイスランドでのダイビングをきっかけにアイスランドが大好きになり、移住してしまった筆者のおすすめダイビングスポットです。シルフラの泉以外にもたくさんのダイビングスポットがあるんですよ!

ダヴィスギャオ Davidsgja

0’45以降、潜水する水鳥の姿が見れます。

シルフラの泉が流れ込むシングヴァットラヴァトゥン湖にはダヴィスギャオ(Davíðsgjá)というスポットがあります。「デヴィッドの割れ目」という意味のこのダイビングスポットは水深116m、深く、薄暗い神秘的な雰囲気が地元のダイバー達に人気です。

浅い部分では水が濁っていますが潜っていくにつれ、浮遊物はなくなり視界はどんどん晴れていきます。霧のかかったような水面下に広がる透明な世界は、まさに「青いグランドキャニオン」のようです。

湖にはマスやホッキョクイワナが生息しています。ダヴィスギャオは人が入りにくい場所にある秘境ダイビングスポットの一つです。

ストリィタン Strytan

水中の画像は1'00以降から。

ストリィタン(Strýtan)は世界で唯一、ダイビングで熱水噴出孔に近づける場所です。

1997年に海洋学者でありダイバーであるエルレンドゥル・ボガソン(Erlendur Bogason)によって発見されました。そこには全長55mもの熱水噴出孔があり、チムニーと呼ばれる煙突上の構築物があります。水面下15mにあるチムニーからは72度の熱水が毎秒100リットル吹き出しています。エルレンドゥルの尽力もあり、ストリィタンはアイスランド初の水中自然保護区に指定されました。

温暖な水中環境のおかげで、魚や海藻など多様な海洋生物が見られます。ここは流れが強いので、ダイビングをするにはPADIアドバンスド・オープン・ウォーター・スクーバ・ダイバーであることが義務付けられています。チムニーとの接触を避けるためにも高いコントロール技術が必要です。

一般的な噴出孔は海底2000m付近にあるので、ダイビングで近づくことはできません。なので、事前にダイビングの技術を磨いてからアイスランド旅行、ストリィタンでのダイビングに挑む価値がある場所です。

エル・グリリョ El Grillo

セイジフィヨルズル(Seyðisfjörðurの水中45mに眠るイギリスのオイルタンカー、エル・グリリョ(El Grilloは驚きが隠された魅力満載なスポットです。第二次世界大戦の1944年2月10日、アイスランドの東の沖合でドイツ軍に沈められた船は今でも海底に残されています。アイスランド自体は戦火を免れましたが、戦争の足音が近づいていた貴重な証拠の一つです。

タンカーに残されていたオイルは2002年に除去されたので、安心してダイビングを楽しめます。距離や深さがあるのでPADIアドバンスド・オープン・ウォーター・スクーバ・ダイバーであることが参加条件です。

リトラアオ Litlaá

リトラアオ(Litlaáは「小さな川」という意味の、水深7メートルのシュノーケリング専用スポットです。アイスランドでは数少ない温水シュノーケリングスポットです。

こちらのエルレンドゥルのビデオでは、リトラアオ(1’00以降)とネスギャオ(Nesgjá)が紹介されています。

川底の地熱活動により、水温は17℃程度に保たれ、また火山噴火の堆積物により太陽光がキラキラと反射します。湧き出る温泉により舞い上がる堆積物は、リトラアオが生きものであるかのうようにも感じさせます。非現実的な水の世界に体を任せて、アイスランドの神秘を感じてみてください。

ガルズル Garður

レイキャビクから南へ車で約1時間、レイキャネス半島の先にあるガルズル(Garður_は、国内最高峰のオーシャンダイビングスポットです。アイスランド語で「ガーデン」という名の通り、ガルズルでは植物園のように多様な生物が水中を彩っています。藻場と呼ばれる海藻の森が揺らめき、数千年も前から繁茂している40種類以上もの藻類が、アイスランド近海の豊かな生態系の一部を担っています。

ガルズルのカラフルな水中世界はとても印象的です。砂漠のような海底にサンゴ礁が並び、フサカサゴ、オオカミウオ、アンコウ、ウミウシ、カニ、そしてカレイなどが泳ぎ回っています。ガルズルへ行くツアーを催行する会社は少ないので、事前のリサーチは必須です。

新しいダイビングシュノーケリングの形を提供する国、アイスランド

アイスランドのおすすめダイビングシュノーケリングスポットはまだまだあります。クレイヴァルヴァトン湖 (Kleifarvatn)、 ビャルナギャオ(Bjarnagjá), ネスギャオ(Nesgjá)、 そしてウェストフィヨルドなど。どこへ行っても、またダイビングでもシュノーケリングでも、一生に一度の貴重な体験ができる冒険の国アイスランド。

こんな寒いところで?なんて思われるかもしれませんが、チャレンジ精神に満ちたアイスランド人には、気温や水温は関係ありません。かつて小さな船で大海原に繰り出したヴァイキング達のように、今でも冷たい水の中に潜ったり、時にはサーフィンをするアイスランド人たち。あなたも、いつもとは違う視点でアイスランドを体験してみませんか?

Entering 'Silfra Hall' - the widest point in Silfra.

写真:Wikimedia. Creative Commons. Photo by Thomei08