アイスランドの大自然の中を歩きたいという方に必見のハイキングコース情報。おすすめのエリア、ハイキングのベストシーズン、持ち物等々。手つかずの自然を楽しむハイキングの旅に知っておきたいことをここでお届けします!

遊園地やカラオケが無いアイスランド。首都といってもショッピングモールの数は数えるほど。娯楽の少ないアイスランドでは、空いた一日の過ごし方といえばハイキング!大自然に囲まれ、レイキャビクからもすぐに山々へアクセスできるため、ハイキングはある意味生活の一部でもあります。

テント泊の縦走トレイルから、レイキャビクからすぐに行ける身近なトレイルまで、アイスランドのハイキングについて紹介します。


ランドマンナロイガルなどハイランドに興味がある人は記事の中ほどへ、ロイガヴェーグリンなど、本格的な長距離ハイキングに興味がある人は、記事後半へジャンプ!


アイスランドでのハイキング

レイキャビク近郊で楽しめるハイキングコース

レイキャビク市内や、すぐ近くでも楽しめるトレイル。山の頂上からはレイキャビクや市街地の様子が遠くに一望できます。半日ほど時間が空いていたらぜひおすすめ。気軽に楽しめますが、ハイキングでることに変わりはありません。しっかりと歩ける靴、レインジャケット、携帯食、水など最低限の準備は必要です。また春や秋には日没時間にも注意してください。緊急時には112番に連絡を。

おすすめNo.1! エシャン Esjan

ダウンタウンの海辺から向かいに見えるエシャンの山。レイキャビクでハイキングといえば、まずはこの山でしょう。急勾配の登りが続きますが、麓を過ぎると視界が開け、どこまでも美しい景色が広がります。訪れる人も多く、トレイルもしっかりと整備されているので道に迷ったりすることはありません。冬を除けば安心してハイキングが楽しめる山です。

台形の形をしたエシャン。一番高い部分は914mですが、実際にトレイルの先に行き着く場所は標高780mのスヴェルフェルスホルン(Þverfellshorn)という地点です。またこの地点にたどり着くには滑りやすい鎖場があるので、多くの人はさらに下のステイニン(Steininn)というところで引き返します。ステイニンからでも十分に素晴らしい眺めが堪能できます。

ステイニンからの眺め

Photo : Kuna

標高だけみるとそれほど高くはない山ですが、スタート地点は海。つまり海抜0mからの出発となるので、標高差はかなりあります。ただしトレイル自体は難しくないので、体力があればお子様でも歩くことは可能です。

冬には雪崩が発生し怪我人がでることもありますので、お勧めはできません。

アイスランド独特の眺めが見られるエシャンの山

Picture by 1001 Pas


  • アクセス:公共バスでも可能ですが、本数が少ないので時刻表の事前の確認は必須です。バス停の名前はEsjurætur - Hiking Center。レンタカーがあれば、レイキャビクから30分ほどで着きます。

  • 所要時間:半日ほど。

  • 施設:麓にカフェがあり、利用客に限りトイレの使用が可能。バス停はカフェの目の前にある。無料駐車場あり。

  • 難易度:☆ ただし体力は必要。


驚きの連続! レイキャダールル渓谷の川の温泉 Reykjadalur

比較的簡単なトレイルの先には温泉が待っているレイキャダールル渓谷写真: Hot Spring

もし車があって半日時間があるのなら、ぜひお勧めしたいのがこちらの川の温泉へのトレイル!小1時間のハイキングの先には、川に湧き出る秘湯が待っています。

レイキャダルル渓谷(Reykjadalur)はアイスランド語で、「煙の渓谷」を意味し、その名の通りトレイルに沿って蒸気がもうもうと立ち込める場所があります。高温の蒸気や高温の泥が湧き出る沼を抜けて目指す秘湯。川の温泉には高温の温泉が湧き出ており、冷たい川の水と混じってちょうどよい温度になります。

まさしく秘湯!ハイキングの疲れも癒されます

Photo : レイキャビク発|レイキャダルル渓谷でハイキングと川の温泉入浴

ゆったりとした流れのある浅い川は、時を忘れてのんびりとするのにぴったりです。勾配はそれほど大きくありませんが、急斜面を歩くこともあり、ハイキングシューズなどの準備は欠かせません。


  • アクセス:公共バスでも可能ですが、バス停から3㎞ほど歩くので注意。レイキャビクから40分ほどの町、Hveragerdiにあります。小さな町の奥へと進み、さらに砂利道を進むと駐車場があります。

  • 所要時間:半日ほど。

  • 施設:駐車場わきに小さなカフェがあり、利用客に限りトイレの使用が可能。川の温泉には、ついたてしかありません。トイレや更衣室はないので、そのことを覚悟で行きましょう。

  • レイキャビク発日帰りツアー

  • 難易度:☆


壮大な滝が待っている! グリームルの滝 Glymur

もっとアイスランドらしい迫力のある自然の中をハイキングしたい人はグリームルの滝がお勧め。レイキャビクから車で1時間ほど、クヴァルフィヨルズルの奥にある渓谷をたどるハイキングです。美しい景色が楽しめますが、ハイキングは健脚者向けです。整備のされていない獣道に近いトレイルを歩くこと、橋のない川を渡ること、急な斜面を登ること、そしてハイキングが片道2時間程度であることから、体力のある人にお勧めします。

もちろん途中で疲れたら引き返せばよい、という人はチャレンジしてみてもいいかもしれません。レイキャビク近郊では見られないフィヨルドの迫力のある風景が楽しめます。

人通りは多くないので、一人で行く場合にはホテルなどに行き先を伝え、携帯電話などを持参してください。


  • アクセス:公共のバスはありませんのでレンタカーが必要です。

  • 所要時間:半日ほど。

  • 施設:駐車場があるのみです。

  • 難易度:☆☆


ヘルガフェットル Helgafell

アイスランドの火山の様子が生々しいヘルガフェットル。草木の少ない岩肌は溶岩の流れた跡、噴火の様子が見られます。レイキャビクの近くでクネクネとした溶岩流の跡を歩ける、貴重な場所です。

標高338mのヘルガフェットルはハイキングも簡単で、アクセスもレイキャビクから20分ほどと簡単です。Kaldárbotnarの登山口から始めましょう。レイキャビクの南側にある町、ハプナルフィヨルズルにあります。ヘルガフェットルでハイキング、レイキャネス半島で地熱活動を見学、その後ブルーラグーンという、火山活動の様子を感じる1日も良いかもしれませんね!


  • アクセス:公共のバスはありませんのでレンタカーが必要です。

  • 所要時間:3時間ほど。

  • 施設:駐車場があるのみです。

  • 難易度:☆


散歩がてらに ヘイズモルク

レイキャビク市民が頻繁に訪れる自然保護区。レイキャビクのすぐ外側に位置しており、湖や森、溶岩の大地など表情豊かな自然が見られます。広大なエリアでは人とすれ違うこともあまりなく、レイキャビク市内ではありながらもひっそりとしています。


  • アクセス:公共のバスはありませんのでレンタカーが必要です。

  • 所要時間:1時間以上。

  • 施設:駐車場があるのみです。

  • 難易度:☆


本格派ロケーションを1日で楽しむ  

日帰りで登山が可能な場所、比較的簡単にアクセスできる場所を紹介します。アイスランドでちょっと「山登り」を体験してみたい人にお勧めです。ツアーであれば、普段のハイキングの準備で1日簡単に楽しめます。携帯食、水、雨具は決して忘れないようにしましょう。また、足場が悪いことがありますのでハイキングシューズは必須です。

ランドマンナロイガル Landmannalaugar

カラフルな山肌と残雪のコントラストも面白いランドマンナロイガル

ハイランドの真珠と呼ばれることもあるランドマンナロイガル。地熱活動が活発で、ベースキャンプ付近でも地面から湧き出る蒸気や、古い溶岩の跡などが見られます。特に興味深いのがランドマンナロイガル周辺の山肌の色です。褐色や青い色に変色した地面は、他の惑星のような景色。そしてそこに湧き出る温泉も訪れる人を魅了しています。

ランドマンナロイガルのベースキャンプ

Photo: Kuna

トレイルは数多くあり、日帰りでも十分に楽しめます。


  • アクセス:Fロードを走行するので、レンタカーでも4輪駆動車が必要。できればツアーに参加するか、専用の定期バスを利用するのがお勧め。夏にはバスは毎日運行しています。

  • 所要時間:1日以上。

  • 施設:駐車場、小さな商店、山小屋(早めの予約が必要)、シャワー施設、トイレなど。温泉には更衣室はありません。

  • 山小屋情報はこちら

  • 日帰りツアーを検索スタッフブログを読む


ソゥルスモルク Þórsmörk

豊かな森が美しい渓谷で、その両側には氷河が見えます。幅の広い川沿いに歩いたり、山を登ったりと、様々な楽しみ方ができます。ソゥルスモルクまでの橋の無い川を渡るので、ちょっとしたアドベンチャーの楽しみも。


  • アクセス:Fロードを走行するので、レンタカーでも4輪駆動車が必要。ただし渡河となるのでお勧めはしません。できればツアーに参加するか、専用の定期バスを利用するのがお勧め。夏にはバスは毎日運行しています。

  • 所要時間:1日以上。

  • 施設:駐車場、山小屋(早めの予約が必要)、トイレなど。

  • 山小屋情報はこちら

  • 日帰りツアーを検索スタッフブログを読む


スカフタフェットル Skaftafell

ヴァトナヨークル国立公園のスヴァルティフォスの滝

アイスランド南東部を訪れるならスカフタフェットルがお勧めです。ビジターセンターもあり、初めて訪れる人でも安心して楽しめます。レイキャビク市内にあるハットルグリムス教会のモチーフとなったスヴァルティフォスの滝までのコースが人気です。片道1時間ほどで、一風変わった滝の姿を見ることができます。氷河のそばまで歩くことのできるトレイルもありますし、ヴァトナヨークル氷河の一部であるスヴィーナフェルスヨークトル氷河をハイキングするツアーもあります。そのほかにも半日から1日かけて楽しむトレイルもあり、夏には多くの人で賑わいます。


  • アクセス:レイキャビクからは遠いため、日帰りでのツアーはありません。レンタカーを利用し周辺エリアでの宿泊が必要です。

  • 所要時間:半日以上。

  • 施設:駐車場、山小屋(早めの予約が必要)、トイレなど。

  • ハイキング情報詳細


変わり種 氷河ハイキング

白銀の世界をハイキング

Photo:ソゥルヘイマヨークトル氷河発|氷河ハイキング

山の頂上を目指すこともいいですが、せっかくならアイスランドならではの氷河の上を歩いてみてはどうでしょうか。一年中楽しめる氷河ハイキングは、いつも人気があり好評です。土とは違う、サクサクとした氷の上を歩く感覚が楽しいひと時です。


  • アクセス:レンタカーで現地集合。レイキャビクから日帰りで可能な氷河であれば、レイキャビクからのピックアップもあり気軽に参加できます。

  • 所要時間:半日。レイキャビクからの移動も含めると丸1日

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テント/山小屋泊 人気のコースを踏破  

ここからは登山経験者向け、要テントの数日かけて踏破するトレイルを紹介します。それぞれ日本とは大きく違う風景の広がる、まさにアイスランドの醍醐味が味わえる場所です。困難な道の末には達成感とステキな思い出が待っているでしょう。

アイスランドではハイキングが人気とはいえ、日本の登山事情とは異なる点も。夏の間は白夜となるため暗くなることを心配する必要はありませんが、気温は低く、稀に雪となることも。山の標高は低くても、北極圏のそばの国だということはお忘れなく。防水のアウターだけでなくセーターやフリース、ニット帽や手袋も必要です。

ウェアなどもいつもより注意して用意したいPhoto from: Hiking at the End of the World | Five-Day Trek in North 

小川の水を飲むことはできますが、場所によっては距離があることがあります。事前の水場の位置や距離の確認は欠かせません。携帯食も忘れずに持っていきましょう。山小屋では種類も少ないので、レイキャビクで購入するか、日本からお気に入りの携帯食を準備してきても良いかもしれません。

山小屋は人気があるためすぐに満室となります。そのためテントを持参したり、レイキャビクでレンタルすることになるかもしれません。

木々が無いため見通しはいいものの、これといった印もなく、道に迷いやすいという点もあります。また丁寧な道標がないこともあるので詳細な地図は必ず購入しましょう。

薬類や救急手当のアイテムも持参し、救助が必要な際には112番へ電話をしてください。Safe Travelのアプリをダウンロードすると、救急隊が携帯の位置を割り出すことができ救助に大きく役立ちます。また出発前には登山計画書を提出するとも大切です。

レスキュー隊にお世話にならないよう、無理のないハイキングをWikimedia. Creative Commons. Credit: Sgt Anthony W. Lusi. 

アイスランドには危険な野生動物や害虫はいませんので、そこは心配無用です。アイスランドのアウトドアでの一番の敵は、大きく変化する天気だと言えます。

ロイガヴェーグル Laugavegur

アイスランドで一番人気のロイガヴェーグリン写真: Landmannalaugar to Thorsmork | Four-day camping tour.

ロイガヴェーグルは、前述のハイランドのランドマンナロイガルと、ソゥルスモルクをつなぐコースです。アイスランドで一番人気の縦走路とも言えるコースですが、そこは手つかずの大自然が残ります。ランドマンナロイガルかソゥルスモルクのどちらかまでバスで行き、歩き始めます。

ランドマンナロイガルはハイキングに人気のエリア

トレイルは55㎞、通常2日から4日かけて歩きます。山小屋も利用できますが満室となることが多いので、その場合はテント泊となります。


  • アクセス:バスを利用して出発地点へ。踏破後もバスでレイキャビクへ戻ることができる。

  • 所要時間:2日から4日

  • 山小屋の場所:Hrafntinnusker, Hvanngil, Emstrur、Álftavatn

  • 山小屋の詳細


フィムヴォルズハゥルス Fimmvörðuháls

見渡しのいい山々を歩くことができるアイスランド

Photo from :フィムヴォルズハゥルスのハイキング

ソゥルスモルクから、南海岸のスコゥガルへと延びるトレイルです。エイヤフィヤットラヨークルとミルダルスヨークルの2つの氷河に囲まれたトレイルを歩くのが清々しい22㎞の旅。ランドマンナロイガル→ソゥルスモルク→スコゥガルと、ロイガヴェーグルのトレイルを踏破した後に、さらにフィムヴォルズハゥルスのトレイルを歩く人もいます。

もちろんフィムヴォルズハゥルスだけなら10時間から12時間で歩けるので、より気軽に挑戦できます。1日で歩き切る人もいれば1泊2日でゆっくりと歩く人もいます。ただし標高差が1000mあるので注意。


  • アクセス:バスを利用して出発地点へ。ソゥルスモルク、スコゥガル、どちらからでもレイキャビク行きの場バスがあります。

  • 所要時間:1日から2日

  • 山小屋の詳細


ホルンストランディル Hornstrandir

ウェストフィヨルドのホルンストランディルWikimedia. Creative Commons. Credit:  Evgeniy Metyolkin.

ホルンストランディルはアイスランドの北西部、ウェストフィヨルドのさらに北西部にあります。この小さな北国で最も人里離れた場所です。周辺エリアには住む人もおらず道もありません。そのため野鳥や北極キツネの楽園となっています。ホルンストランディルの難しいところは、ハイキングではなく準備にあります。

小さな北極キツネCredit: 12019. Pixabay. 

レイキャビクから飛行機やレンタカーで、ウェストフィヨルドまで移動、その後イーストフィヨルドやボルンガルヴィークから船で半島の先端を目指します。道路や商店が無いため、必要な品は船で運び、上陸後は徒歩で移動します。

キャンプサイトやキャビンはすぐ近くにありますが、ホルンストランディルの写真のような景色が見たい場合にはテント泊のハイキングが必要です。レカヴィーク(Rekavík)、ホルンヴィーク(Hornvík )などを通り、ホルンビャルグ(Hornbjarg )へ。

一度は行ってみたいホルンストランディルPhoto From: Summer in the Hornstrandir Nature Reserve. 

事前の準備やリサーチが欠かせないホルンストランディルですが、その先には美しい景色が広がっています。


  • アクセス:レイキャビクからウェストフィヨルドへ、さらにフェリーを利用。

  • 所要時間:1日以上

  • 難易度:☆☆☆


ヴィクナスロゥジル Víknaslóðir

アイスランドの北東部にあるヴィクナスロゥジルは、全長55㎞のトレイル。アイスランド南部のロイガヴェーグルと同じ距離があります。ボルガルフィヨルズル・エイストリ(Borgarfjörður Eystri)とセイジスフィヨルズル(Seyðisfjörður)をつなぐトレイルは5日間から10日間かけて歩くのが人気です。

北と南に大別されますが、多くのトレイルがあり、全てを含めると150㎞にもなります。その数えきれないほどのトレイルの魅力は迫力ある山々、フィヨルド、海、浜辺、緑豊かな渓谷など、アイスランドのほかのエリアでは見られない景色でしょう。アイスランド北東部の天候はアイスランドの中でも特に厳しく、冬は深い雪に閉ざされます。5月や6月の春先でも、天候や道路状況に注意し訪れてください。


  • アクセス:バスはないのでレンタカーを利用

  • 所要時間:5日から10日


いかがでしたか?ハイキングは国は変われど、基本的な理念は変わりません。自然を大切に、そして無理な行動はしない。事前の準備をしっかりとしてアイスランドの自然を楽しんでくださいね!