【完全ガイド】アイスランドの南海岸
「アイスランドの南海岸」ってよく耳にするけど、なんとも大雑把な言い方ですよね。南海岸、南海岸ツアーとは一体何のことなのでしょうか。
いわゆる「南海岸」はどこ?
英語でSouth Coastと表現されるのが、アイスランドの南に広がる長い海岸線とそのエリア。実際に道路は海岸沿いを走るわけではないので海辺のドライブというわけにはいきませんが、比較的平坦な大地が続く穏やかな場所です。
レイキャビクやケプラビーク空港、ゴールデンサークルには南海岸は含まれません。セルフォス(Selfoss)の町から東へ進み、ヴァトナヨークトル氷河のそば、ホプン(Hofn)の町の辺りまでをざっくりと南海岸と呼びます。ただしその距離は400kmにも及び、全ての観光スポットを1日で巡るのは大変!そのため、中間地点のヴィーク(Vik)で折り返し、レイキャビクへ戻る日帰りツアーもあります。ヨークルスアゥルロゥン氷河湖やヴァトナヨークトル氷河まで行くのであれば1泊2日以上のスケジュールが断然お勧めです。
ヴィークの町を中心に南海岸の西側(レイキャビク側)と東側(ヴァトナヨークトル氷河側)に分けて予定を立てるとわかりやすいです。
南海岸の主な観光スポット セルフォス→ヴィークの町
レイキャビクからもアクセスが良く、ちょうどよい間隔で観光スポットが現れる魅力の多いエリアです。それぞれの場所の詳細はリングロードの記事で確認できます。
セリャラントスフォスの滝 Seljalandsfoss
セリャラントスフォス、セリャランズフォスなど様々な呼ばれています。滝の裏側を歩くことができる有名な滝です。
エイヤフィヤットラヨークル火山 Eyjafjallajökull
2010年に大噴火を起こし、ヨーロッパの空の交通網を発生させた火山です。登ることはできませんが、その姿を見ることができます。
スコゥガフォスの滝 Skógafoss
スコーガフォスと表記されることもあり、セリャラントスフォスの滝より大きく迫力があります。滝のそばの崖を上る階段があり、素晴らしい眺めを望むことができます。
米軍飛行機 DC-3の残骸 DC-3 Plane Wreck
写真撮影スポットとして人気のある場所です。私有地で車の乗り入れができないため、1号線沿いに車を止め小1時間ほど歩く必要があります。ツアーの数も限られていますが、夏であればこのDC-3ツアーで訪れることができます。
セリャヴァットラロイグ Seljavallalaug
夏限定のスポットですが、山間にたたずむ古いプールが写真撮影スポットとして人気です。
レイニスフィヤラのブラックサンドビーチ Reynisfjara
真っ黒な砂浜が広がるビーチで、レイニスドランガルと呼ばれる岩と、ディルホラエイが見えます。
ディルホゥラエイ Dyrhólaey
パフィンの営巣地として有名です。夏は野鳥保護のため立ち入り禁止となります。
ヴィークの町 Vík í Mýrdal(折り返し地点)
ヴィークの町自体はこれといって観光スポットはありませんが、給油・食事・宿泊など旅行には欠かせない町です。
南海岸の観光スポット ヴィークの町→ホプンの町
キルキュバイヤルクロイストゥル Kirkjubæjarllaustur
「教会の町の修道院」という意味の小さな町。ヴィークの町同様に、食事場所や宿泊場所を提供しています。
スカフタフェットル自然保護区 Skaftafell Nature Reserve
スカフタフェル、スカフタフェトルとも。ハイキングや氷河ハイキングのツアーの出発地点となります。
ヴァトナヨークトル氷河 Vatnajökull
ヨーロッパ最大の氷河。ヴァトナ氷河と呼ばれることもあります。ツアーガイド無しでは登ることはできませんが車窓から見ることができます。
ヨークルスアゥルロゥン氷河湖 Jökulsárlón
氷山が湖に浮かぶ幻想的な景色が楽しめる南海岸の絶景スポット。夏にはボートツアーがあり、冬には氷の洞窟探検の出発地点となります。小さなカフェがあります。他にも、ヨークルサロンと呼ばれることもあります。
冬の氷の洞窟・アイスケーブ Ice Cave
11月から3月までの冬限定の絶景ツアー。青い洞窟だったり、スーパーブルーと呼ばれることがあります。
ホプンの町(折り返し地点)Höfn
ホプンの町周辺から先は東アイスランドと呼ばれることもあります。この続きはリングロードの記事をどうぞ。
おすすめポイント
南海岸は、ゴールデンサークルに続き人気のルートとなっています。その魅力は運転するにつれて表情を変える豊かな大自然です。レイキャビクからまだ近いほうでは農家が点在し草原で馬や羊がくつろぐ姿が見れます。しかし山側にはカトラ火山やエイヤフィヤットラヨークル火山など、被害を発生させる大きな火山が連なり氷河を見ることもできます。さらに進めば広大な砂地が続き、前半の豊かな草原風景とは一転します。
さらにヴァトナヨークトル氷河付近へ行くと、迫りくる氷河とヨークルスアゥルロゥン氷河湖の不思議な光景など、ほかでは見ることのできない景色が待っています。また、各地で氷河ハイキングやスノーモービルツアーなどのアクティビティもあり、ドライブだけでなく体を動かして様々な体験ができるのも大きな魅力です。
レンタカーの場合
この変化にとんだ景色の中には迫力のある滝や見晴らしのいい丘など、立ち止まって見学したい場所がたくさんあります。その日の気分に合わせて移動、泊まる場所も決める、ということができれば一番いいですが、キャンプでない場合にはホテルが満室となる心配もあります。事前に予約をしておいたほうが安心です。
レンタカーの人用に多くのツアーが用意されているのも南海岸の旅の魅力です。氷河ハイキングやスノーモービルなど、旅の途中に参加できるので、ドライブだけではない楽しみがあります。これらの集合地点は国道1号線沿いですので余計な時間をかける必要もありません。ツアーはどれも少人数でのツアーとなるので売り切れとなることも多く、事前の予約が必要です。
バスの場合
レンタカーで行くのもいいですが、ツアーバスも多く催行していて気軽にアクセスできるのも魅力です。
ただし、公共バスは観光地では止まらないのでお勧めはできません。また自分でホテルを予約する場合にも、かならず地図上で確認しましょう。このエリアの行政区域は広く、同じ町内でも10km以上離れていることは珍しくありません。
バスツアーの種類と訪れる場所
大きく分けて4つあります。
1)レイキャビクからの日帰りツアーで、ヴィークの町周辺で折り返すもの。
これが一般的に南海岸ツアー、South Coast Tourと呼ばれているものです。主な訪れる場所は、セリャラントスフォスの滝、スコゥガフォスの滝、レイニスフィヤラのブラックサンドビーチとなります。ツアーによって、さらに数か所訪れることもあります。所要時間は約10時間です。
2)レイキャビクからの日帰りツアーで、ヨークルスアゥルロゥン氷河湖まで行き折り返すもの。
これは春、夏、秋限定のツアーです。移動距離が長く、ヨークルスアゥルロゥン氷河湖の観光以外、見学する場所は限られています。夏は白夜ですので大丈夫ですが、春・秋は日照時間が限られるため、そのほかの見学スポットや移動中の景色を眺めたい場合に影響がでてきます。所要時間は14時間程度となりますが、日帰りでヨークルスアゥルロゥン氷河湖を見学できる唯一の手段です。
3)レイキャビク発、田舎で1泊するヨークルスアゥルロゥン氷河湖のまでの2日間のツアー
冬に主流なのが、この1泊2日のツアー形態です。短い日照時間でも楽しめるように、1日の移動距離は短めに設定されています。氷の洞窟を訪れるには2日間以上のツアーに参加する必要があります。
夏でも2日間の形態がおすすめです。1日の移動距離が短くなるためより多くの観光スポットを訪れることができるようにアレンジされています。また氷河ハイキングもセットになっているのでアクティビティも楽しめます。
ゴールデンサークルにも訪れる3日間のツアーもお勧め。田舎のゲストハウスやホテルで2泊します。
4)レイキャビク発、アクティビティをメインにした日帰りツアー
アクティビティをメインにしたツアーでは、途中で訪れる観光スポットの場所が限られています。アクティビティもしたいけど、観光スポットもまわりたいという方は、ツアー詳細をよく確認してください。
南海岸で行えるツアーは多く、氷河ハイキング、アイスクライミング、スノーモービルなどです。主にソゥルヘイマヨークトル氷河で行います。
写真:南海岸+ソゥルヘイマヨークトル氷河ハイキング|小型バス
訪れる季節
いつ来ても壮大で変化に富んだ風景を楽しめる南海岸ですが違いも何点かあります。夏であれば可愛い姿をした渡り鳥、パフィンの姿を見ることができるかもしれません。ヴィークのそばにあるディルホラエイはパフィンの営巣地です。
またヨークルスアゥルロゥン氷河湖でのボートツアーもあります。夏は日照時間が長いので、レイキャビク発ヨークルスアゥルロゥン氷河湖への日帰りツアーがあります。
冬にはパフィンは見られませんが、氷の洞窟、青いアイスケーブを訪れることができます。ヨークルスアゥルロゥン氷河湖のボートツアーはなく、日照時間が短く天候も悪化することがあるため、レイキャビクからヨークルスアゥルロゥン氷河湖への日帰りツアーはありません。レンタカーでも必ず1泊以上するようにしてください。
アクティビティの種類
乗馬
クヴェラゲルジの町をはじめ様々なところで可能。気軽に1年中楽しめます。【アイスランディックホースの魅力】
氷河ハイキング、アイスクライミング、スノーモービル
ミルダルスヨークル氷河(ソゥルヘイマヨークトル氷河)やヴァトナヨークトル氷河(スカフタフェットル)で体験できます。町や道路のすぐ近くに氷河が存在する南海岸ならではのアクティビティです。【氷河ハイキング、アイスクライミングの魅力】【スノーモービルの魅力】
カトラの氷河洞窟(通年)
ヴィークの町のそば、ミルダルスヨークル氷河にできる氷河洞窟です。安定した洞窟のため夏でも見学できる可能性があります。
アイスケーブ・氷の洞窟(冬限定)
ヨークルスアゥルロゥン氷河湖し、ヴァトナヨークトル氷河を目指します。【氷の洞窟について徹底解説します】
ボートツアー、RIBボートツアー(夏限定)
ヨークルスアゥルロゥン氷河湖、フィヤットルサロン氷河湖
Q&A
色々ツアーがありますが、どれがお勧めですか?
南海岸には色々な観光スポットがあり、尚且つ移動距離も長いので断然1泊2日のツアーがお勧めです。
公共のバスで行くことはできないのですか?
途中の町、セルフォスやヴィークに行くだけならバスでも可能ですが、観光地には寄りませんし値段も決して安くはありません。運行本数も多くはないのでツアーバスかレンタカーが便利です。
途中の町からツアーに参加したりバスを降車することはできますか?
セルフォスやクヴェラゲルジの町であれば、ツアーによっては可能な場合があります。ただし、通り道でない場所でのピックアップや降車はできません。
ハイキングの登山口となる南海岸
南海岸には内陸部へと続くハイキングルートがあり、特にスコゥガルやスカフタフェットルは、手軽にハイキングができる場所です。
ただし、ロイガヴェーグルなど数日間かかるルートもあり、当然のことながらテントや食料など事前の準備が必要です。
そのほかに、南海岸の町を起点に大型ジープでハイランドへと行く方法もあります。ランドマンナロイガルやソゥルスモルクがその代表例です。
大型のジープであれば一年中ツアーを催行していることもあり、ちょっとラグジュアリーかつ快適に冒険を楽しみたい人にお勧めです。
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