スナイフェルスネス半島の観光ガイド
スナイフェルスネス半島は西アイスランドから伸びる大きな半島で、その多彩な自然の景観から「ミニ・アイスランド」と呼ばれることもあります。
西アイスランドのこのエリアには氷河や溶岩原、絶景海岸などがあります。スナイフェルスヨークトル氷河火山を中心とするスナイフェルスヨークトル国立公園もあります。
よく晴れた日にはレイキャビクからもファクサフロゥイ湾越しにスナイフェルスネス半島が見えます。レイキャビクから来るまで2時間ほどで行けるので、日帰りツアーやレンタカーで簡単に訪れることができます。
スナイフェルスネス半島ツアーもたくさんあります。ガイドが同行するパッケージもあればレンタカーと宿がセットになったセルフドライブ・ツアーもあります。例えばこの10日間の夏季セルフドライブツアーでは、リングロードを一周し、最後にスナイフェルスネス半島に寄り道をします。
スナイフェルスネス半島は日帰りでも観光できますが、できれば2か以上あるとよいです。アイスランドのホテルをチェックして、しっかり旅行計画を立てましょう。
スナイフェルスネスの地理
スナイフェルスネス半島はアイスランド西部にある長さ90㎞の半島です。南にはレイキャネス半島、北には西フィヨルド地方があります。半島の中ほどを山脈が走っており、小さな活火山や休眠火山があります。最も大きいのが氷河を被った成層火山、スナイフェルスヨークトル(Snaefellsjokull)です。今から1900年ほど前に噴火したのが最後ですが、その時に今の地形の基礎ができたと考えられています。
スナイフェルスネス半島の地質学的な歴史は火山の活動と再生、浸食の歴史です。噴火の度に溶岩流が広がり、その溶岩原に苔や草が生えたり、波や風に浸食されたりしてユニークな地形が生まれました。
海沿いには白砂、黒砂の浜があったり、断崖絶壁があってたくさんの海鳥が巣を作っていたりします。
植生も多様です。苔や地衣類、低木を中心に、ところどころに背の低い白樺や柳の木があります。
そんな風景の中に、小さな村や集落が点在しています。中心産業は漁業と観光です。草が多いところには牧場もあります。
スポットスナイフェルスネス半島の名所
レイキャビクからスナイフェルスネス半島の南岸に入るとまずエルドボルグ・クレーター(Eldborg)があり、登ると素晴らしい景色が見られます。近くには何百本もの六角柱が連なっている玄武岩の崖、ゲルズベルク(Gerduberg)もあります。ここから海岸に出ると一年中アザラシのコロニーがいるイートリ・トゥンガ浜(Ytri-Tunga)です。
西に進むと、大きな崖の裂け目のようなルイズフェルズギャウ峡谷(Raudfeldsgja)があります。水が流れていますが、しっかりした靴と防水性の服があれば登れます。帰りの着替えも用意しておくといいでしょう。
その先はロゥンドランガル(Londrangar)という岩頸が見えてきます。元々は巨大な火口だったのですが、今残っているのは二つの大きな岩だけです。何千羽もの海鳥が巣を作っています。
ロゥンドランガルを過ぎると、スナイフェルスヨークトル国立公園に入ります。アイスランドの3つの国立公園の中では最も小さいのですが、素敵な場所がたくさんあります。
例えばデューパロンサンドゥル(Djupalonssandur)のビーチ。火山性の黒いビーチで、ころんとした可愛らしい小石が沢山あります。特に大きな石が4つあり、これは昔の船乗りたちが力比べに使っていたものだそうです。
スナイフェルスヨークトル国立公園では溶岩洞窟探検もおすすめです。ソングヘットリル(Songhellir)は夏しか入れませんが、音響効果が抜群です。一方、ヴァッツヘットリル(Vatneshellir)は遊歩道などが整備されており、通年見学可能です。内部の鮮やかな色彩は見事。ガイドなしでは入れないので、ヴァッツヘットリル溶岩洞窟探検ツアー(50分)に参加しましょう。
そして国立公園の主役、スナイフェルスヨークトル氷河(Snaefellsjokull)。遠くから眺めるだけでも壮観です。氷河の麓にはハイキング道がたくさんありますが、氷帽を歩きたい方、登山をしたい方は必ずガイドと共に探索してください。氷河ツアーはこちらから予約できます。
特に文学好きの方はご期待ください。スナイフェルスヨークトルの氷河ハイキングツアーではジュール・ヴェルヌの名作『地底旅行』の起点を訪れます。アイスランドのノーベル賞受賞作家、ハルドゥル・ラクスネスの "Under the Glacier" という作品もこのエリアを舞台にしています。
スナイフェルスネス半島の北側にはベルセルクキャフルウン溶岩地帯(Berserkjahraun)があります。ビャルナルホプン(Bjarnarhofn)というの町の近くです。しかしこの付近で最も人気なのはやはりキルキュフェットル山(Kirkjufell)でしょう。アイスランドで最もフォトジェニックな山と言われ、人気のHBOドラマ『ゲーム・オブ・スローンズ』に「矢じりのような形をした山」としても登場しました。
スナイフェルスネス半島の町
スナイフェルスネス半島には良質な漁場がある北岸を中心に、たくさんの小さな町や村があります。アルナルスタピ、ヘトルナル、ブージル、ヘリッスサンドゥール、オーラスフスヴィーク、グルンダルフィヨルズル、スティッキスホルムルなどがその代表格です。
半島最大の町は観光客にも人気のスティッキスホルムル(Stykkisholmur)です。アイスランドの伝統的な街並みが美しく、湾に浮かぶSugandisey島も風情があります。
海を楽しみたい方は、スティッキスホルムル港から西フィヨルド行きのBaldurフェリーに乗ってみましょう。美しいブレイザフィヨルズル湾の景色が楽しめます。フラトエイ島(Flatey)で途中下船も可能です。オゥラフスヴィーク港発のホエールウォッチングツアーも人気です。夏はたくさんの海鳥が見られるので、パフィンウォッチング・ツアーに参加しても。
文化体験ならスティッキスホルムルのNorweigan House、オゥラフスヴィークの Pakkhusid博物館、そしてビャルナルホプンのサメ博物館などがおすすめです。サメ博物館ではアイスランドの伝統食であるハゥカットル(hakarl;発酵したサメ肉)を味わうことができます。
スナイフェルスネス半島のおすすめの季節
何を求めて訪れるかによって、スナイフェルスネス半島のベストシーズンは違います。一般的なアイスランド旅行のピークシーズンは気候が穏やかで、気温も10℃から18℃と比較的過ごしやすい夏(特に6~8月)です。コンパクトカーのような格安レンタカーでも十分にセルフドライブを楽しめます。
白夜も夏の魅力の一つでしょう。白夜とは太陽がほとんど沈まず、日がとても長くなる自然現象です。ほの明るい不思議な夜を体験できるほか、観光タイムをたっぷりとれるという利点があります。
一方、冬のスナイフェルスネス半島は雪景色が美しく、オーロラを見られる可能性があります。
アイスランドでオーロラを見たい方は、9月下旬から4月上旬の旅行がおすすめです。夜が長く暗いので、オーロラを鑑賞できるチャンスが高まります。
冬は寒く、日が短いので夏よりも制約は多いですが雪に覆われたスナイフェルスネス半島は荘厳な美しさを見せてくれます。4WDのレンタカーを借りれば、冬のアイスランドでもドライブ旅行は可能です。雪道の運転に慣れていない方は、ガイド付きのツアーに参加しましょう。
スナイフェルスネス半島についてのよくある質問
スナイフェルスネス半島への行き方は?
スナイフェルスネス半島はセルフドライブ・ツアーで訪れることができます。夏ならコンパクトカー、冬は4WDの車を借りましょう。運転が苦手な方はレイキャビク送迎付き少人数ツアーのような、ガイド同行の現地ツアーを利用してもいいでしょう。
レイキャビクからスティッキスホルムルまでバスで行くこともできますが、半島内は公共交通手段がありません。アイスランドではバスに自転車を持ち込むことは禁止されているので、レンタカーかツアーバスでなければスナイフェルスネス観光は難しいのが実情です。
スナイフェルスネス半島を回るにはどれくらい時間があればいいですか?
スナイフェルスネス半島の主だった名所は一日あれば回れます。レイキャビクからスナイフェルスネス半島へは車で片道2時間ほど。海沿いに半島を一周すると4~5時間かかります。
従ってレイキャビクから日帰りで訪れる場合、8~10時間ほどかかる計算です。一方、スナイフェルスネス半島の名所をくまなく見て回りたい場合は2日以上必要です。スナイフェルスネス半島の宿はこちらから予約できます。キャンピングカーを借りるのもおすすめです。
スナイフェルスネス半島に泊まるならどこがおすすめ?
スナイフェルスネス半島でおすすめの宿泊地は、やりたいこと・見たいものによって違います。利便性を求めるなら、スティッキスホルムル(Stykkisholmur)がいいでしょう。この辺りで一番大きな町なので、ガソリンスタンドやスーパーを利用でき、レストランやお店、文化施設などもたくさんあります。スティッキスホルムルなら様々な宿泊施設があるので、予算やニーズ、好みに合わせて選べます。
自然が好きな方はヘトリサンドゥルの宿(Hellissandur)を探してみましょう。スナイフェルスヨークトル国立公園に近く、アウトドア系のアクティビティが充実しているエリアです。
キルキュフェットル山が見えるグルンダルフィヨルズル(Grundarfjordur)、半島の先端にあるオゥラフスヴィークの宿(Olafsvik)もおすすめです。
スナイフェルスネス半島ではオーロラを見られますか?
はい、9月下旬から翌4月上旬までの冬の間ならオーロラを見られる可能性があります!スナイフェルスネスは人家が少ないので街のネオンが届かない場所を探すのに苦労することはないでしょう。但し、オーロラは太陽活動が活発で、夜空に雲がかかっていない時しか見えません。オーロラハンティングに出かけるときは、天気とオーロラ予報をチェックしてから行きましょう。
ちなみに、オーロラはアイスランドのどこにいても見られる可能性があります。首都圏でも町外れならOKです。ガイドが案内してくれるオーロラハンティング・ツアーもあるので、興味がある方は是非チェックしてみては。
スナイフェルスネス半島で野生動物は見られる?
スナイフェルスネス半島には様々な野生動物がいます。山や溶岩原が広がる大原野では運が良ければミンクやホッキョクギツネを見られる可能性があります。
また、イートゥリ・トゥンガ(Ytri-Tunga)の浜などにはアザラシのコロニーがあります。近海にはシャチやミンククジラ、ザトウクジラなどがいるので、ホエールウォッチングも人気です。
野鳥も多いです。海辺の断崖絶壁にはたくさんの鳥が営巣しています。夏は剽軽な表情のパフィンもやってきます。ウミガラスやオオハシウミガラス、ミツユビカモメやフルマカモメなどもよく見られます。
レイキャビクからスナイフェルスネス半島に行く時のおすすめ寄り道スポットは?
レイキャビクからスナイフェルスネス半島へ行くにはアイスランド西部を通ります。ここだけでも一日過ごせるほどたくさんの名所がありますよ!
例えばクヴァルフィヨルズル(Hvalfjordur)。Hvalfjardargongトンネルを通るのが近道ですが、地上の道はフィヨルド沿いの絶景ドライブ。運転時間は1時間ほど長くなりますが、それだけの価値はあります。クヴァムスヴィーク温泉でリラックスしたり、グリームルの滝までハイキングをしても。
更に先にはボルガルフィヨルズル(Borgarfjordur)というフィヨルドがあります。こちらも丸一日かけて観光できるほど素敵な場所です。フロインフォッサルの滝、バルナフォスの滝、ディルダルトゥングクヴェル熱泉、クロイマ温泉スパ、Haafell ヤギ牧場などの見どころがあります。ラングヨークトル氷河には人造のアイストンネルもあります!
スナイフェルスネス半島を回ったら、その先にある西フィヨルド地方まで足を延ばすのもおすすめです。魅力たっぷりの西部アイスランド。時間に余裕がある方は是非数日かけて訪ねてみてください。
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