火山活動によって形成された国、アイスランド。その大地には多くの溶岩洞窟があり、広大な地下世界を形成しています。その他にも氷河にできる洞窟など、アイスランドは地下の世界も多彩です。



木々の少ないアイスランドでは、雪や風から身を守れる洞窟は大きな役割を果たしてきました。アイスランドの人々の生活の重要な一部でしたが、現在でも物置や納屋として使われているところもあります。

このような洞窟の多くは、火山活動により形成されました。溶岩のトンネルが洞窟を形成したり、火口のクレーターに洞窟ができたりしたものです。中には、このような洞窟に温泉が湧き出ているグリョゥタギャゥ(Grjótagjá)というものもあります。現在は水温が高すぎて入浴はできませんが、まさに火山の国とも言うべき場所ではないでしょうか。詳しくはアイスランドの温泉5選の記事をどうぞ。

溶岩洞窟の他にもアイスランドには氷河に形成された洞窟があります。そのうち一つは氷河の浸食によってできたもの、もう一つは人工的に作られたもので、ラングヨークトル氷河にあります。天気の悪い日には、アイスランドの地下世界の探検を楽しむのもお勧めです。お天気を気にせずアイスランド旅行を楽しみましょう。また、天気の悪い日でもプールに行くのがアイスランド流の過ごし方です!

アイスランドの洞窟は、日本の鍾乳洞と違い、観光用の整備がされていません。ごつごつした地面を歩くことのできるハイキングシューズや、防寒ができる服装を準備した上で、専門のガイドとともに洞窟を訪れましょう。溶岩洞窟ではヘルメットとヘッドライトを装着して洞窟に入ります。

 

ヴァトナヨークトル氷河の氷の洞窟

今、アイスランドで一番人気のあるのが氷の洞窟です。スーパーブルーの洞窟、アイスケーブ、青い洞窟など、様々な呼び方があり、英語ではIce Caveと呼ばれています。しかし、厳密にいうと、この洞窟は氷河洞窟、Glacier Caveというものです。氷の洞窟というのは、本来、一般的な岩盤にできる洞窟に一年中溶けることのない氷、氷床がある洞窟を指します。氷河の地下や内部に形成される洞窟は、氷河洞窟と呼ばれます。

しかし、一般的に「氷の洞窟」という言葉が定着していますので、ここではこのまま話を進めましょう。

caves in iceland caving

アイスランドの国土の10%を占める氷河。氷河は人間の見えないスピードでゆっくりと移動しています。長い時をかけて少しづつ変化する氷河にできる洞窟は、想像以上に不安定な自然現象です。時には崩壊する可能性もあり、洞窟に入るには危険も伴います。氷河にできる氷の洞窟は、一カ所だけではありません。その多くは、氷河の中や下を流れる水や、氷の下の 火山 からの地熱により氷が溶け洞窟が形成がされます。ヴァトナヨークトル(Vatnajökull)氷河にあるクヴェルクフョトル(Kverkfjöll)の氷の洞窟は良く知られていますが、これは火山からの地熱により形成されたものです。1980年の測定では、奥行2.8Kmで、高さは525mにもなりました。

前述の通り、氷の洞窟は不安定で、見学できる期間も11月から3月までに限られます。氷河や洞窟のことを良く知る専門のガイドと訪れる必要があります。氷の洞窟が多く形成されるヴァトナヨークトル氷河はレイキャビクから東へ360㎞、公共の交通機関はほぼ無いと行っていいでしょう。レンタカーを借りない場合は、レイキャビク発の1泊2日、また2泊3日のツアーを利用するのが便利です。レイキャビクからの日帰りのツアーは無く、レンタカーで行く場合も1泊2日以上で訪れるようにしてください。



 

スリーフヌーカギグルの火山洞窟

世界でもとっても珍しいタイプの火山洞窟がある、スイーフヌーカギーグル火山(Thrihnjukagigur)。実はレイキャビクからたった30分ほどの場所に眠っている、巨大な火口跡なんです。この近くには、後ほど紹介するレイザルエンディの洞窟もあり、火山活動が活発だった過去を物語っています。

ここは洞窟というには、大きすぎるほどの空間が残っておいます。かつて火口だった場所ですが火山ドームを残したままマグマは沈静化。そして生まれた巨大な空間には、自由の女神像が入るほどなんです。ここではインサイド・ザ・ボルケーノというガイド付きのツアーが催行されており、アイスランドの夏の人気ツアーとなっています。

Caves in Iceland

スリーフヌーカギグル火山はこの4000年間、休眠状態であり、活動の兆候は全くありません。ユニークな状態で残っている火山洞窟というだけでなく、洞窟内部は色鮮やかな岩で覆われています。また、このツアーでは、地面にある開口部、つまり火口部分からゴンドラに乗り、洞窟の底まで降りていくという、冒険心溢れるツアーです。


  • スリーフヌーカギグル火山洞窟を訪れる、インサイド・ザ・ボルケーノ: こちらをクリック

 

スナイフェルスネス半島のヴァッツヘトリル洞窟

Vatnshellir cave in is in Snæfellsnes peninsula

レイキャビクの北西に位置するスナイフェルスネス (Snæfellsnes)半島。そこにある、ヴァッツヘトリル (Vatnshellir)洞窟はアイスランド語で「水の洞窟」という意味があります。 1時間程度のガイドツアーで訪れることができ、洞窟深くのらせん階段を下りると、天井が高く、幅も広い、奥行き200 メートルの大きな空間が現れます。洞窟の中は温度が低いので、暖かい服装や手袋を準備しましょう。スナイフェルスネス半島の観光中には洞窟横を通ることになりますので、ぜひ訪れてみてください。



 

レイザルエンディ洞窟

Caves in Iceland

「地の果て」という意味のこの洞窟。前述のスリーフヌーカギグル火山と同じエリアにあります。レイザルエンディ(Leidarendi) の洞窟は、レイキャビクから1号線で南へ行く際に通る、ブラゥフィヤットル(Bláfjall)の山にある溶岩原、トゥヴィボトラフロイン(Tvibollahraun)にある溶岩洞窟です。

レイザルエンディ洞窟は、その多様性に富むカラフルな壁面が有名で、アイスランドが誇る溶岩洞窟のひとつだと考えられています。

Leiðarendi cave in Iceland

Picture from Cave Explorer | Lava Tube Cave Leiðarendi | Tour from Reykjavík

レイザルエンディ洞窟の特徴は、霜や浸食が原因で側面や天井から落ちてきた、さまざまな溶岩片です。洞窟の側面は溶岩流に洗われ滑らかで、石筍、鍾乳石、その他の生成物が数多く存在します。冬には、洞窟内で艶のある天然の氷の彫刻が見られることが多く、空想の世界のような光景が一段と美しくなります。

レイキャビクから近いので、バスでの移動時間も含め半日ほどのツアーです。ちょっと時間がある人はぜひ洞窟探検に行ってみてはいかが?



 

ギャウバッカヘトリルの洞窟

ギャウバッカヘトリル (Gjabakkahellir) 洞窟 は、数ある洞窟のなかでも美しい溶岩洞窟のひとつです。不思議な形をした溶岩や、氷の柱など素晴らしい地下世界の光景がひろがります。約9千年前にできたギャウバッカヘトリル洞窟は、ヘルグヘトリル (Helguhellir) またはステルプヘトリル (Stelpuhellir) (少女の洞窟) とも呼ばれる溶岩洞窟で、シンクヴェトリル(Thingvellir) 国立公園のエリア内にあります。

 

ヴィズゲルミルの洞窟

Colourful display inside Víðgelmir cave in Iceland

Picture from Vidgelmir Cave Master

ヴィズゲルミルの洞窟はレイキャビクの北東方面にあり、レイクホルト(Reykholt)の町や、フロインフォッサル(Hraunfossar)の滝のそばに位置しています。そのため、この周辺エリア観光と合わせたヴィズゲルミルの洞窟探検ツアーというのもあるんです。

ヴィズゲルミルの洞窟のすごいところは、そのサイズとカラフルな岩の様子。所々ライトアップされ、その洞窟の様子を存分に楽しむことができます。洞窟の北側には2つの大きな開口部があり、洞窟の全長は1585m、一番広いところで高さ15.8m、幅16.5mにもなります。アイスランドの溶岩洞窟のなかでは最大の大きさを誇ります。



 

ブーリの洞窟

ブーリ (Búri)洞窟 は、レイキャネス(Reykjanes) 半島にあり、2005年に発見されたばかりですが、、他のアイスランドの洞窟を凌駕する大きさです。中の広さは高さ 10m、幅 10mで、長さは1㎞にも及びます。洞窟の最も奥には、溶岩の落下により形成された 17 メートルの深い竪穴があります。これは同種の竪穴としては、地球で最も深いものです。

入口こそ狭いものの、中は広く、目を見張るような氷の造形や溶岩の生成物見ることができます。この洞窟へのツアーは一年を通して行われていますが、素晴らしい氷の造形が見られるのは冬の季節です。

洞窟の氷のスロープを登った後、70mの長さの岩の多いトンネルを通り抜けます。その後は、溶岩の落下によりできた竪穴に到着するまで、比較的平坦な道のりが続きます。 

 

ロフトヘトリル洞窟

Lofthellir cave in winter

ロフフトヘトリル(Lofthellir)は、アイスランド語で「空気の洞窟」という意味があり、北アイスランド、ラクサルダルスフロイン (Laxardalshraun) 溶岩原にあります。

ロフトヘトリル洞窟は、アイスランドの溶岩洞窟の中でもサイズが大きく、変化に富み、美しい氷の造形があることで知られています。また、溶岩生成物にも目を見張るものがあります。この息をのむような洞窟へのツアーは、こちらを参照してください。

 

マリウヘトラル洞窟

Maríuhellar cave by Clavious Rork at Panoramio, protected by Wikimedia commons

レイキャビク に最も近い洞窟は、町の中心から車で約 15 分で行ける、 ヘイズモルク (Heidmörk) 自然保護区のマリウヘトラル (Maríuhellar) です。マリウヘトラル には 3 つの洞窟があり、地元の人々や子どもたちで賑わっています。最もわかりやすいのは、幹線道路に近いウルリザコツヘトリル (Urriðakotshellir) 洞窟です。これは、草に覆われた巨大な溶岩開口部の中に露出した大きな溶岩洞です。内部からは小さな穴を通して空を見ることができます。

いかがでしたか? 数多く存在するアイスランドの洞窟。未発見の洞窟も多いと言われています。地上に広がる絶景の他にも、隠された魅力が多いアイスランド。ぜひ様々な洞窟を訪れてみてくださいね!