【完全ガイド】ダイヤモンドサークル|北アイスランドの観光ルート
- ダイヤモンドサークルとは?
- 1. ミーヴァトン湖(Lake Myvatn)
- ミーヴァトン湖周辺のおすすめ観光スポット
- その1:ナゥマスカルズ峠(Namaskard Pass)
- その2:ディムボルギル(Dimmuborgir)
- その3:スクートゥスタザギガル偽クレーター(Skutustadagigar Pseudocraters)
- その4:ミーヴァトン・ネイチャー・バス(Myvatn Nature Baths)
- 2. デティフォスの滝(Dettifoss Waterfall)
- 3. アウスビルギ渓谷(Asbyrgi Canyon)
- 4. フーサヴィークの町(The Town of Husavik)
- ダイヤモンドサークルで寄り道するなら…
- ゴーザフォスの滝(Godafoss Waterfall)
- アィザフォッサーの滝(Aedafossar)
- フリョウザクレッターの崖(Hljodaklettar)
- 結論
アイスランド北東部の観光ルート、ダイヤモンドサークルってどんなところ?主な見どころは?欲張りな観光客におすすめのツアーは?そんな方のために、アイスランドのダイヤモンドサークルを徹底解説します!
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「氷と火の国」アイスランドに行くならゴールデンサークルが定番!とよく言われていますが、実はシルバーサークルやダイヤモンドサークルという行く価値のある観光ルートがアイスランドにもあります。
島の中でも特に印象的な風景が広がる北東部エリアを巡る人気観光ルート、「ダイヤモンドサークル」とはいったいどのような場所なのか、続いてこの記事で紹介したいと思います。
ダイヤモンドサークルとは?
アイスランド北東部に位置し、周260キロのこの観光ルートには煮えたぎる温泉、火山性の湖、溶岩が冷え固まった奇岩など、アイスランドならではの魅力がぎゅっと詰まった訪れる価値のある場所です。
首都レイキャビクから地理的に離れていることもあり、ダイヤモンドサークルを訪れる観光客は少なめです。でもこのドラマチックな地形、北東部独特の美しい風景を見ないで帰るなんてもったいない!
ではおすすめの場所はどんなところなのでしょうか。ダイヤモンドサークルには4つのメジャーな観光名所があります:ミーヴァトン湖(Lake Mývatn)、デティフォスの滝(Dettifoss Waterfall)、アウスビルギ渓谷(Ásbyrgi Canyon)と 、フーサヴィーク(Húsavík)という小さな漁村です。
ゴールデンサークル同様、ルート上には他にもたくさんの観光スポットがありますが(後述)、まずはダイヤモンドサークルを訪れたからには是非訪れたい、最も有名な4か所をご紹介します。
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1. ミーヴァトン湖(Lake Myvatn)
約37平方キロメートルの面積を誇るミーヴァトン湖。ところどころむき出しになった黒い溶岩を背景に翡翠のように輝くミーヴァトン湖と、多くの野鳥が集まる湿地帯はダイヤモンドサークルでも最も人気が高いエリアです。
アイスランド語で「羽虫の湖」を意味するミーヴァトンは、今から2300年ほど前に火山の噴火によって形成されたと考えられています。その名の通り夏季は小さな虫が雲をなして飛び交い、フェイスネットをつける人も。
日本の阿寒湖と同じく、このミーヴァトン湖でもマリモが発見されました。
ミーヴァトン湖周辺のおすすめ観光スポット
その1:ナゥマスカルズ峠(Namaskard Pass)
ミーヴァトン・エリアは湖そのものも非常に美しいのですが、周りのナゥマフィヤトル山や山麓にある ナゥマスカルズ峠 (Námaskarð Pass) も有名です。ナゥマスカルズ地熱地帯、またはクヴェリル(Hverir)と呼ばれることもあります。
ナゥマスカルズは地熱活動が活発な谷で、オレンジがかった赤い土やごつごつしたクレーターなど、その風景は火星に似ていると言われています。ぼこぼこと煮えたぎる泥湯やもうもうと立ちのぼる湯気も、ただごとではない雰囲気を醸し出しています。木道が整備されているので、泥が沸騰している様子を間近で見ることができます。
その2:ディムボルギル(Dimmuborgir)
Copyight: Arian Zwegers from Wikimedia Commons
ディムボルギルはまたの名を「暗闇の都市」と言い、人間の想像を超える成形はファンタジー映画に迷い込んだかのようです。柱のように空高くそびえる黒い奇岩は2300年前のもので、溶岩が水の上を流れたために急速に冷却されてできたと言われています。
アメリカのHBOの人気テレビドラマシリーズ、ゲーム・オブ・スローンズのファンなら、シーズン3でマンス・レイダー率いる野人たちの拠点、といえばぴんと来るのではないでしょうか。
アイスランド伝承では、ディムボルギルはトロールとオーガ(鬼)の血を引くGrýla と、尻に敷かれている夫 Leppalúði の棲みかだとされています。二人の13人の子供が、クリスマスに登場するユール・ラッズと呼ばれます。アイスランドでは12月になると毎晩このいたずら好きのエルフたちが出てきて、悪い子を脅かしたりよい子にご褒美をあげたりするのです。
ユール・ラッズは一人ひとり個性があり、牛小屋から牛乳を盗むGiljagaur (Gully Gawk)、アイスランド人の大好物のスキールを盗むSkyrgámur (Skyr-Gobbler)、鍋に残ったおこげを食べるのが好きなStúfur (Stubby)、といった具合です。
また、Grýla と Leppalúði は巨大な猫Jólaköttur(クリスマスの猫)を飼っていて、この猫も夫婦と同じように子供をとって食うと言われています。アイスランドのクリスマスはちょっと怖い、他の国とは一味違うお祭りなのです!
その3:スクートゥスタザギガル偽クレーター(Skutustadagigar Pseudocraters)
Photo from Lofthellir Cave Excursion from Lake Myvatn
ミーヴァトン湖の南岸には、Skutustadagigar偽クレーターと呼ばれる不思議な地形が見られます。これはクラプラ火山系の一部で、数千年も前に地下で起きたガス爆発によって地面に環状の凹凸ができたそうです。今ではこの偽クレーターはミーヴァトンの湿地の一部となっており、多くの野鳥が訪れるバードウォッチングの人気スポットです。
付近で見られる野鳥はキンクロハジロ、ヒドリガモ、スズガモ、クロガモ、そして北極圏の鳥、シロハヤブサなどです。アイスランドの野鳥についてはミーヴァトン湖のすぐ近くにあるYtri Neslönd 農場内、Sigurgeir's Bird Museumに詳しい展示があります。
その4:ミーヴァトン・ネイチャー・バス(Myvatn Nature Baths)
Photo from Highlights of the North Tour | Departure from Akureyri
湖エリアの観光の締めくくりに温泉はいかがですか?ミーヴァトン・ネイチャー・バスはレイキャネス半島の高級リゾート、ブルーラグーン・スパよりもお手頃で人も少なく、アットホームな雰囲気が評判です。
ミーヴァトン・ネイチャー・バスは2004年にオープンして以来、夏の白夜も冬のオーロラも楽しめるとあって北東部随一の人気を誇る温泉リゾートになっています。
2. デティフォスの滝(Dettifoss Waterfall)
デティフォスの滝はヴァトナヨークトル国立公園内にあり、流れ落ちる水は毎秒およそ36万5000リットル(流量はなんと毎秒193m³!)、ヨーロッパで最もパワフルな滝と言っても差し支えないでしょう。
滝幅は100メートル。高さ45メートルの崖からヨークルスアゥルグリュブル峡谷に轟轟と流れ落ちてきます。その豪快な水しぶきは、晴れた日なら何キロも離れた場所から見えます。
長さ25メートルのヨークルスアゥルグリュブル峡谷(アイスランド語で「氷河の川の峡谷」)は以前は独立した国立公園でしたが、現在ではヴァトナヨークトル国立公園に吸収され、その最北端にあります。
峡谷には セルフォス(Selfoss)、HafragilsfossやRéttarfossなど他にも多くの滝があり、「アイスランドのグランドキャニオン」と呼ばれることも。
ふと別の惑星に降り立ったかのような気持ちにさせられるデティフォスの滝はリドリー・スコット監督のSF映画『プロメテウス』(2012年公開)のロケにも使用され、黒々とした岩壁が真っ白い水しぶきで煙る風景に見覚えがある方もいるでしょう。この滝はアイスランド人作曲家ヨン・レイフス(Jón Leifs)による同名の交響曲 (Op. 57) のインスピレーションにもなっています。
3. アウスビルギ渓谷(Asbyrgi Canyon)
アウスビルギはフーサヴィーク村の約80キロ東(車で約45分)、ヴァトナヨークトル国立公園の端にある馬蹄型の渓谷です。長さ3.5キロ、幅1.1キロの渓谷は高さ100メートルにもなる崖に囲まれており、谷底には樺や柳の森が広がります。
またアウスビルギを見渡すと谷を二分するように聳立する巨大な岩、エイヤン(アイスランド語で「島」の意)の姿も見えるでしょう。アウスビルギはアイスランドでも特別な場所なのです。
アウスビルギの独特の地形は様々な民間伝承を生みました。伝説によればこの渓谷は、北欧神話の主神オーディンの八本足の馬、スレイプニルが地上に足をついた拍子にできたとか。また、民間伝承の研究者の間ではアウスビルギはアイスランドやファロー島の伝説に登場する「隠れた妖精」 の一族、Huldufólkの都だとされています。
4. フーサヴィークの町(The Town of Husavik)
フーサヴィークは小さな漁村ですが、スキャゥルファンディ湾はエサが豊富で、欧州のホエールウォッチング・ツアーのメッカとしてヨーロッパ中に名を馳せています。
Picture from Húsavík Traditional Whale Watching
アイスランドで見られる20種類のクジラ類の多くがこの近辺で見られます。ミンククジラやザトウクジラ、ネズミイルカはもちろん、運がよければシャチや地球上最大の生き物、シロナガスクジラが姿を現すことも!ホエールウォッチング・ツアーはフーサヴィークを通過する観光客のニーズの高まりに応じて1990年代中ごろからスキャゥルファンディ湾エリアで始まりました。
フーサヴィークの人口は約2200人。クジラだけではなく、1907年建立の木造の教会、Húsavíkurkirkjaも必見です。また、ノース人がアイスランドで初めて植民した場所として歴史的に重要な町でもあり、西暦870年にGarðar Svavarssonというノルウェイのヴァイキングがここで一冬を過ごしたのが始まりと言われています。
Credit: http://www.explorationmuseum.com/commons/gardar-svavarsson/
「探検」をテーマとしたExploration Museumもおすすめです。人類の冒険・探検の歴史や、フーサヴィークで訓練したアポロ号の宇宙飛行士たちを記念する展示にもご注目。
野生動物や植物など自然が好きな方は是非、クジラの生態や歴史、人間との共存などのテーマについて学べるフーサヴィークのクジラ博物館へ。この施設では写真による個体の特定などの研究調査プロジェクトや、国際ボランティアプログラムの運営も行っています。
ダイヤモンドサークルで寄り道するなら…
既にご説明した場所だけでも十分にダイヤモンドサークルを満喫できると思いますが、せっかくのアイスランド旅行。王道ルート+αの寄り道をしたい方にとっておきのおすすめスポットをご紹介します。アイスランドはとにかく広い!ちょっと車で走るとまた違った景色が開けるので、スケジュールにゆとりがある方は是非足をのばしてみてください。
ゴーザフォスの滝(Godafoss Waterfall)
ゴーザフォスは島の北東部、バゥルザルダールル(Bárðardalur)という自治体にあり、多くの写真やガイドブックに登場します。
別名「神々の滝」。西暦1000年にアイスランドがキリスト教を国教とした際、“Goðar”と呼ばれる各部族の長たちが改宗の証としてそれまで崇拝していた偶像を水の中に投じたとされています。
アィザフォッサーの滝(Aedafossar)
フーサヴィークから南東へ10キロほど行くと、 Æðafossarの滝があります。英語で“Eider Falls”と呼ばれるこの滝があるLaxá川は、ブラウントラウトの釣り場としてアイスランドでも人気の場所です。
滝は二つに分かれており、スキャゥルファンディ湾の黒砂の海岸線を見渡せる絶景スポットです。落差はさほどなく、アクセスも良好とは言えないにも関わらず、プロ、アマチュアを問わず多くの写真愛好家が訪れる風光明媚な名所です。
フリョウザクレッターの崖(Hljodaklettar)
アイスランド語で「こだま岩、ささやきの崖」を意味するHljóðaklettarはヨークルスアゥルグリュブル渓谷、Vesturdalur の谷の入り口近くにある柱状の岩石群です。冬季は閉鎖されるエリアですが、夏なら斜めに隆起したこの不思議な岩は一見の価値あり。4WDで運転される方はデティフォスの滝からアゥスビルギ渓谷に行く途中にフリョウザクレッターに寄り道することができます。
結論
見どころ満載のダイヤモンドサークル。地殻変動、地面を押し曲げる巨大な圧力、地下深く眠るマグマの熱等、アイスランドらしい大自然を感じられるパワースポットとして、まさに地球からの贈り物のようです。ダイヤモンドサークルを訪れるガイド付きツアーもたくさんありますし、レンタカーだけのセルフドライブ・プランもあります。
さあ、一生の思い出にダイヤモンドサークルを訪ねてみませんか?
ダイヤモンドサークルについて質問などありますか?どうぞ下記のコメント欄に質問やご感想をお寄せください!
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