アイスランドのクリスマス|伝統、習わし、食事など
アイスランドのクリスマスって何をするの?日本やヨーロッパの他の国のクリスマスと違う?ユールラッズって何?サンタクロースが13人いるってどういうこと?アイスランド独自のクリスマスの伝統やならわし、食事の習慣、観光情報まで、クリスマス時期のアイスランドにまつわる情報をお届けします!
アイスランド語ではクリスマスを「ヨゥル」(jól)と言います。ヨゥルはアイスランドで最も大切な行事であり、家族が集まって祝うのが伝統です。はらはらと雪が降る通りを歩けば、どこからともなくクリスマスソングが聞こえてきて、気持ちが弾みます。街角のイルミネーションもとても綺麗です。レイキャビク街歩きツアーで地元ガイドと散策をするのもおすすめ!
クリスマスの魔法に包まれたアイスランドを体験したい方は、ホテルの予約はお早めに。人気シーズンなのですぐ満室になってしまいます。祝祭ムードのアイスランドをレンタカーで回るドライブ旅行もいいですね。
アイスランドのクリスマス・年末年始は何が特別なの?
アイスランドのクリスマスってそんなに特別なの?と思われた方。アイスランドのクリスマスは一味も二味も違います!なぜなら
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アイスランドのクリスマスは26日間も続く
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アイスランドには13人のユールラッズがいる(サンタが13人いる感じです!)
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ほぼ確実にホワイトクリスマスが楽しめます
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オーロラが聖夜を彩ることも
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スーパーブルーなどの氷の洞窟探検や氷河ハイキング、スノーモービルなど冬ならではのアクティビティも楽しめる
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クリスマス・グルメも大充実!
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年越しの花火は何時間も続いて大盛り上がり!
だからです。
12月はアイスランドで最も日が短い時期。でもその分イルミネーションが美しく、うっすらと雪化粧をした街はとても華やかです。夜空をグリーン、白、ピンク、紫のオーロラが彩ることも。冬の自然の美しさが冴えます。
写真提供:Nanna Gunnarsdóttir
アイスランドではかなりの確率でホワイトクリスマスが楽しめます。レイキャビクでは絶対とは言えませんが、過去には40センチも積もった年もありました。北部や田舎ではホワイトクリスマスが普通です。
そしてアイスランドのクリスマスは、12月25日だけではありません。クリスマス(正確には Yule と言います)は12月11日から1月6日まで26日間続く祝祭です。そしてサンタクロース(正確には Yule Lads)が13人います。12月11日は最初のユールラッズが山から下りてくる日で、その後毎日ひとりずつ里にやってます。全員揃うのがクリスマス・イブ、一人ずつ去っていくユールラッズを見送り終えた1月6日がクリスマスの終わり、ということになっています。
アイスランドのクリスマスはイルミネーションも魅力。夜が長いので華やかな電飾が本当によく映えます。お店が並ぶダウンタウンも郊外の住宅地も、色とりどりの明かりで賑やかです。冬至に向けてどんどん暗くなる夜に備えて、10月くらいから飾りつけをする家もあります。
その他クリスマス・マーケットもありますし、ダウンタウンにはスケートリンクも登場します。街中至るところでクリスマス・コンサートやライブが開かれ、お祭りムード満点です。クリスマスの伝統料理を頂けるクリスマス・ビュッフェもふるまうレストランもたくさんあります。
クリスマス・シーズンのアイスランドでできること
クリスマスや年末年始のアイスランド旅行を計画されている方にまずおすすめしたいのが、レストランを早目に予約することです!ホリデーシーズンは営業をするレストランが少なく、すぐに予約でいっぱいになってしまいます。営業時間は11月、12月くらいに公開するお店が多いのでチェックしてみてください。
さて冬休みのアイスランドでは、たくさんのアクティビティが楽しめます。スノーモービル・ツアーや氷河の奥深くにできるスーパーブルーなどの氷の洞窟探検はアイスランドらしさ満点。アイススケート、スキー、氷河ハイキングも人気です。
そして12月のアイスランドといえばやっぱりオーロラ!自然現象なので絶対に見られる保証はありませんが、興味のある方はオーロラ鑑賞ツアーに参加してみては?
他にクリスマスならではの過ごし方のアイディアとしては:
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温泉や地熱プールでゆったり(またはロマンチックに)
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レイキャビクの地ビールツアーでクリスマス限定のクラフトビールを飲み比べ
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ユール・ビュッフェでアイスランドのクリスマス料理を堪能
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クリスマス・ビレッジやクリスマス・マーケットでお土産やプレゼントのショッピング
などがあります。
クリスマスも催行されているアイスランドの冬のツアー
冬休みのアイスランドではツアーもたくさん催行されています。南海岸2泊3日冬季バスツアーや、4泊5日の南海岸ツアーでは、氷河ハイキングと氷の洞窟探検もできます。クリスマスからお正月のつなぎにぴったりです。
時間に余裕がない方は、1泊2日の南海岸ツアー|氷の洞窟探検付きのようなパッケージもあります。
南海岸以外では、スナイフェルスネス半島(Snaefellsnes)もおすすめです。名山キルキュフェットル(Kirkfell)や滝、スナイフェルスヨークトル氷河(Snaefellsjokull)があるエリアです。6泊7日で南海岸とスナイフェルスネスを巡る大充実のツアーはいかが?
クリスマスシーズンのアイスランドのホテル事情
自然に囲まれて憧れのホワイトクリスマスを過ごしたい方は、田舎のコテージや山小屋、貸別荘に泊まるのがおすすめ。地元のスーパーでクリスマスの食材や伝統食をたくさん買い込んで!ロマンチックな聖夜にも、家族や友人と楽しく過ごすのにも最適です。大小様々なコテージがあるので、きっと好みのものが見つかるはずです。
ベランダなどにホットタブ(ジャグジー)があるコテージもたくさんあります。日が暮れたらホットタブに浸かって、星やオーロラを探す…まさに至福の時間です。
イルミネーションやおしゃれなカフェがある街で賑やかに過ごしたいという方はレイキャビクのホテル・ステイがいいでしょう。レストランやショップに近いロケーションの宿もたくさんあります。アイスランド北部なら、北の都アークレイリのホテルを探してみては?
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レイキャビクのクリスマス
写真提供:Nanna Gunnarsdóttir
クリスマスのレイキャビクは最高です。クリスマス・コンサートはマスト!聖歌隊から地元の人気ミュージシャンまで、様々なイベントがあります。
また市の中心部にあるチョルトニン池(Tjornin)が凍ると、アイススケートができます。Ingolfstorg広場にはアイススケート場もあり、こちらはクリスマス・マーケットのすぐ近くなのでアクセス抜群です!
クリスマス・シーズンのレイキャビクはイルミネーションがとっても綺麗です(ユールラッズが出没することも)。ハットルグリムス教会(Hallgrimskirkja)の展望台からは街を一望できます。プレゼントのショッピングも楽しいですし、旧レイキャビク港(Old Harbour)からはこの時期もホエールウォッチング船が出ています。
写真提供:Fred Heap
アウルバイル野外民俗博物館(Arbaejarsafn Open-Air Folk Museum)では、伝統的なクリスマスについてて学ぶことができます。伝統的な手法によるキャンドル作り体験もありますし、伝統的なお菓子やココアも売っています。
ココアといえば、レイキャビクはカフェや喫茶店が豊富です。コーヒーだけでなくビールも飲めますし、ボードゲームに興じたり、ライブを催すお店もあり個性豊か。本屋さんも是非訪ねてみてください。アイスランドでは本はクリスマス・ギフトの定番です。このため、この時期にはたくさんの新刊が出版され、”Jolabokaflodid”(クリスマスの本の洪水)と呼ばれています!
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おすすめのカフェはこちら:レイキャビクでカフェ巡り!アイスランドのカフェ文化を解説
アイスランド人のクリスマスの過ごし方
アイスランド語ではクリスマスを「ヨゥル(jól)」と言います。古英語のユール(yule)と語源を同じくする言葉です。Jolはキリスト教が伝わるよりもはるかに古くから伝わる北欧の伝統で、12月20日~23日の冬至を境に、日が再び長くなり始めるのを祝う「光の祝祭」でした。
これに、キリスト教の伝来以降様々なキリスト教的要素が加わっていきます。クリスマスの4週間前の日曜日から毎週一本ずつアドベントキャンドルを一本ずつ灯す習慣や、クリスマス礼拝などです。
またアイスランドのクリスマスの慣習には、元宗主国であるデンマークとアメリカの影響を受けたものが少なくありません。特に食文化に関してはそうです。多くの家庭はデンマーク式の飾り付けを行い、デンマーク伝統のライスプディング("Ris a l'amande")をデザートに頂きます。また、ユールラッズは本来サンタクロースとは全く関係ないにも関わらず、最近ではコカコーラ・レッドの服をまとい、サンタのように子どもたちにプレゼントを配る姿が見られることもあります。
ちなみに、アイスランド語でメリークリスマスは、"Gledileg jol!"(グレイリヨール、という感じで崩して発音する人がほとんどです)と言います!是非使ってみてくださいね。
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アイスランド人はルター派のキリスト教徒が多く、無神論者や他の宗教の信者もいます。古代北欧の神々を信仰する人もいます。様々な宗教がありますが、12月24日の午後6時に国立放送局がラジオで教会の鐘の音を流し、クリスマスおめでとう、と告げるのが「公式」なクリスマス、ということになっています。
アイスランドのクリスマス・イブ
アイスランドにはクリスマス・イブの前日にも祝日があります。12月23日はソールラオクスメッサ(Þorláksmessa、聖ソールラクのミサ)という祝日です。アイスランドの守護聖人 Thorlak Thorhallsson (アイスランドは現在はカトリックではないのですが)にちなんだ日で、家族が集まってエイの燻製やオーツ麦のおかゆなどを食べます。おかゆにアーモンドが一粒入っていて、アーモンド入りのおかゆが当たった人はプレゼントがもらえたりします。
そしてクリスマス・イブ。アイスランドの家庭では気合を入れてご馳走を作り、家族と賑やかに食卓を囲みます。そしておなかがいっぱいになった後は、プレゼントをみんなで開けます(そう、25日の朝まで待たず、イブの夜に開けてしまうんです!)
プレゼントを全部開けてから深夜に礼拝に行く人もいますし、家でゆっくりと過ごす人もいます。チョコレートをかじりながらクリスマスプレゼントとして贈られた本を読んだり、カードゲームに興じたり、といった具合です。
昔のクリスマスプレゼントはキャンドルやトランプが定番でした。しかし近年の出版ブームにより、クリスマスに本をプレゼントされないアイスランド国民はほぼいないと言っても過言ではありません。アイスランド人は読書が大好き!暗い冬の夜は特には、本を読みふけるアイスランド人の姿がよく見られます。
アイスランドのクリスマスと「クリスマスの2日目」
12月25日のクリスマスの日は家族で過ごすのが習わしです。家族で再び食卓を囲み、ゲームをしたり、クリスマスっぽい映画を見たりします。ドレスアップして、ご馳走や特別なクリスマスクッキーを持った親戚がたくさん集まることも少なくありません。
12月26日は英国圏ではボクシング・デー(Boxing Day)といいますが、アイスランドでは Annar i Jolum(クリスマスの2日目)という祝日です。それまでの数日間ほど改まった感じではなく、友人が集まってパーティーをしたり、バーやクラブに繰り出したり、という人が多いです。
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アイスランドのクリスマス文化
アイスランド人はクリスマスが大好き!様々な方法でお祝いや祈りの気持ちを表してきました。代表的なものがアドベントキャンドルです。アドベントとはキリストの降臨・待降節のことで、クリスマスの四週間前の日曜日に始まります。アイスランドでは、このアドベントの1日目をクリスマスの始まりと捉える人が多く、アドベントキャンドルに火を灯すのが習わしです。そのやり方はいたってシンプル。
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まずモミの木の枝や葉っぱ、ベリー、松ぼっくりなど好きなものでリースを作る(材料についてあまり細かい決まりはありません)
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リースに四本のろうそくを立てる
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アドベントの最初の日曜日に一本目のろうそくに火を灯す。2週目の日曜日は一本目と二本目のろうそくに火を灯し、3週目・4週目もろうそくの本数を増やしながら同じように火を灯す。4週目の日曜日には、リースに長さの違う4本のろうそくが立った状態になる。
写真提供:Wikmedia, Creative Commons, by Surya Mjoll。未加工・未編集
アイスランドのクリスマスの伝統にはルイヴァブルイズ(laufabraud)もあります。直訳すると「葉っぱパン(leaf bread)」。葉っぱで作るからではなく、葉脈のような模様をつけて焼き上げるため、こう呼ばれています。
生地をごく薄くのばし、パンケーキのような丸い形を作ります。きれいな模様をつけたら油で揚げて、バターをのせて頂きます。サクサク・カリカリで、とてもおいしいですよ!
アイスランドではどうしてクリスマスを24日に祝うの?
アイスランド人が "jol" という時は、たいてい12月24日を指しています(この日は正式にはアズファンガダーグル "Adfangadagur" と言います)。なぜでしょうか?
実は、アイスランドでクリスマス=12月24日なのはアイスランドの旧暦では日の入りが一日の始まりとされていたからです。つまり、新暦の12月24日の6時くらいに日付が変わり、ヨゥルのお祭りが始まるわけです。
その前の日、12月23日の夜はお店が夜10時、12時くらいまで営業しています。バーなどは朝1時まで(これは普通と変わりませんが)。ドレスアップして友人と街に繰り出す人が多いようです。
駆け込みでクリスマスプレゼントを買いに行く人もいます。街で知人や友人にばったり会って、流れでカフェに入ってココアを飲んだり、バーに飲みに行ったり、なんてこともよくあります。街にはユールラッズが現れて皆にクリスマスの挨拶をしたり、イタズラを仕掛けたりしています。鬼婆グリーラ(Gryla)が現れることも。クリスマスのお祝いでは12月23日が一番楽しい、という人もいるくらいです!
アイスランドのクリスマスの食べもの
写真提供: Wikimedia, Creative Commons, by Janet Hudson 未加工・未編集
アイスランドのクリスマスには食べ物も欠かせません。レイキャビクでは様々なグルメ・ツアーもあるので、興味がある方は見てみては。
まず、クリスマスならではのスイーツがたくさんあります。最もポピュラーなのはサラ(Sara)と言うお菓子です。有名なフランス人女優のサラ・ベルナールにちなんで名づけられました。クリームを挟んだアーモンドマカロンにチョコレートがたっぷりかかったお菓子で、手作りするにはかなり手間がかかります。
このクッキーは実はデンマーク生まれです。1911年にサラ・ベルナールが自伝の出版を記念してデンマークを訪れた際に Johannes Steen というデンマーク人のパティシエが考えました。由来はさておき、とってもおいしいので是非お試しあれ!少し凍った状態で頂くのがおすすめです。
クリスマスにはベーカリーやお店にたくさんのスイーツが並び、家庭でも様々なものを作ります。ジンジャーブレッドクッキーや、チョコレートクッキー、そしてリコリス菓子などなど。
手作りスイーツにどれだけ気合を入れるかは家庭によって違います。12月初旬からクッキーを焼き始める家(11月という家も!)もあれば、お店で買ってすませるおうちもあります。
アイスランドのクリスマス・ディナー
アイスランドのクリスマスには前述のルイヴァブルイズ(葉っぱのパン)やエイ料理、デンマーク風ライスプディングなどが食卓に並びます。しかしそれだけではありません!
クリスマス・ディナーのメインコースとして最もポピュラーなのはハンギキョット(hangikjöt)です。「吊るした肉(hung meat)」という意味です。塩味がかなり効いていて、馬糞でスモークしているので独特の風味があります。温めても美味しいですし、常温でも、冷やしていただくこともできます。付け合わせは葉っぱパンや豆類、赤キャベツ、ウップストゥブル(uppstúfur)というジャガイモ入りホワイトソースなどが定番。そしてこの料理と必ず一緒に出されるのがヨーラオール(jólaöl・"Christmas ale")という飲み物です。アッペルシン(Appelsín)と言うオレンジ味の炭酸飲料と、モルトと呼ばれるビール風味飲料をミックスしたものです(ノンアルコールです)。
写真提供: Wikimedia, Creative Commons, by Martin Sønderlev Christensen (加工はしていません)
ハンボルガラフリッグル(Hamborgarhryggur)という伝統料理もあります。こちらは豚肉をローストしたもので、塩味の利いたお肉に甘いソースをかけるのがアイスランド流。カラメルソースを絡めたじゃが芋や赤玉ねぎのピクルス、野菜などが添えられます。
トナカイやライチョウなどのジビエも人気です。野生のトナカイはアイスランド東部にしかいませんが、ライチョウはどこにでもいて、アイスランドで最も広く親しまれている獣肉です。保護のため狩猟規制がありますが、「これがないとクリスマスではない!」という人もいるほどです。
その他にも七面鳥や牛肉の高級部位、ガチョウを頂く家もあります。アイスランドのロブスターやサーモンなどのちょっと豪華なシーフード料理がふるまわれることもあります。シーフードスープやロブスタースープは前菜としてもメインとしても人気です。
アイスランドのクリスマス・ビュッフェでは、ハンギキョットや、グラブラックス(北欧風鮭のマリネ)、葉っぱパン、フラットコォクル(クレープ状の平たいパン)ニシンの漬物などが並ぶことが多いです。
アイスランドの13人のユールラッズ
イラスト:Haukur Valdimar Pálsson
アイスランドには、実はサンタクロースはいません!クリスマスにやってくるのは13人のユールラッズ(Yule Lads)というトロールたちです。アイスランド語ではヨーラスヴェイナル(jolasveinar)と言い、一人ひとり性格を表す名前がついています。 両親のグリーラ( Gryla)とレッパルージ(Leppaludi)、そして巨大な黒猫ヨーラコットゥリン(Jolakotturinn、「クリスマスの猫」の意)と共に、荒野が広がる中央高原地帯に住んでいます。
母親のグリーラはとても大きくて怖いトロールです。悪い子を大きな鍋で煮て食べるのが何より好物。
父親のレッパルージは子どもを喰うことにさして関心はなく、どちらかというとぐーたら者の役立たずです。グリーラの尻に敷かれているので、グリーラに命じられるまま、悪い子を捕まえてくるのが彼の仕事です。
ヨーラコットゥリンも人食い猫で、こちらは良い子も悪い子も見境いなく食べてしまいます。でも猫が狙うのはクリスマスに新しい服をもらわなかった人間だけ!汚い服を着てだらしのない恰好をしていると喰われてしまいますので、大切な人には靴下の一足でもプレゼントしましょう!
レイキャビクのダウンタウンにあるLaekjartorg広場には、毎年巨大なクリスマスキャットの像が現れます。
写真提供:Wikimedia, Creative Commons, by ProcrastinatingHistorian.
グリーラとレッパルージには子どもが13人いて、これがユールラッズです。いたずら好きのクセ者揃いなのですが、近年は少し可愛らしいキャラクターに変質してきています(心を入れ替えたのでしょうか?!)。窓際に靴をおいておくと、子どもたちに毎晩プレゼントを運んできてくれます。そう、プレゼントがもらえるのは1日だけではなく、ユールラッズの数だけ、つまり13日もあるんです!ちなみに悪い子は腐ったジャガイモを入れられます。
アイスランドのクリスマスは13日もある?!
ユールラッズはクリスマスが近づくと一人ずつ山から下りてきます。
クリスマスイブの13日前、すなわち12月11日の夜にやってくるのが「Sheep-Cote Clod・羊小屋のとんま」といい、木の義足をつけていて、羊を脅かすのが大好きです。
クリスマスイブ12日前は「Gully Gawk・溝の隠れん坊」がやって来ます。牛の乳を搾ってしまう牛乳泥棒です!
イラスト:Haukur Valdimar Pálsson
その次の夜にやってくるのは「Stubby・チビ」。そして「Spoonlicker・スプーンを舐める奴」が来て、「Pot Scraper・鍋底をさらう奴」, 「Bowl Licker・皿を舐める奴」, 「Door Slammer・ドアをバタンと閉める奴」, 「Skyr Gobbler・スキール喰らい」(※スキールはヨーグルトのような乳製品), 「Sausage Sweeper・ソーセージをくすねる奴」, 「Window Peeker・覗き屋」, 「Door Sniffer・匂いを嗅ぎまわる奴」, 「Meat Hook ・肉をかっさらう奴」と続き、最後に「Candle Beggar・ろうそく泥棒」がやってきます。
12月24日が終わると、ユールラッズは一人ずつ家へ帰って行きます。最初にやって来た「羊小屋のとんま」が12月25日に去り、最後の「ろうそく泥棒」が1月6日に去ると、クリスマス・シーズンは終わりを迎えます。
最終日は「13番目の日」(Threttandinn)と言い、焚火をします。トロールやエルフなどのパレードが行われることも。年越しの花火の残りを1月6日に打ち上げて、クリスマスシーズンを次の12月まで「吹き飛ばす」人も多いです。
いかがでしたか?是非クリスマスのアイスランドに遊びに来てくださいね!
Gleðileg jól og farsælt komandi ár! (Merry Christmas and a happy New Year!)
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