冬のアイスランド旅行のすべて

冬のアイスランド旅行のすべて

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冬のヴェストラホルン山。流氷も美しい厳しくも美しいアイスランドの冬。オーロラやスーパーブルー、氷河の絶景が見られ、ウィンター・スポーツも楽しめます。お得なローシーズンの楽しみ方をたっぷりご紹介します。

アイスランドの冬は11月から4月上旬まで続く長い季節ですが、どの月に訪れるかによってかなり違った旅行体験になります。真冬のアイスランドは一面の雪に覆われ、滝は氷瀑となり、雄大な景色が一層ドラマチックになります。

冬のアイスランドのハイライトは何といってもオーロラでしょう。夜空に現れる鮮やかな光のカーテンは見る者を虜にします。そして様々なウィンター・スポーツ。スーパーブルーを始めとする氷の洞窟探検氷河ハイキングスノーモービルなど、スリリングな体験が待っています。ゴールデンサークルスコゥガフォスの滝ダイヤモンドビーチなどのアイスランドの定番スポットも雪化粧をして訪れる人を迎えてくれます。

冬のアイスランドはとても神秘的で、ユニークなアクティビティがたくさんできます。冬のアイスランドに行ってみたいな、とお考えの方のために、冬のアイスランドの旅行情報を全てまとめました。是非お役立てください!

冬のアイスランドでできること

アイスランドのスーパーブルーに見とれる観光客。中はとても寒いので、適切な服装・装備が必要だアイスランドの冬でできることは本当にたくさんあり、どんな方でもやってみたいアクティビティが見つかるはずです。厳冬を迎える前の11月から12月中旬くらいまでは、レンタカーでのセルフドライブツアーに最適。一番寒いのが1月から3月までで、この時期はウィンタースポーツや冬限定のアクティビティ、ネイチャーツアー、レイキャビク周辺の街歩きなどがおすすめです。とにかくいつ訪れてもやることには事欠きません。ただ天気が変わりやすいので、スケジュールを柔軟に組むようにしておくとよいでしょう。

冬毛がかわいらしいアイスランディックホース。背景はドラマ『ゲームオブスローンズ』に「矢じりの形をした山」として登場したキルキュフェットル山。

このように冬のアイスランドの冬にはさまざまな楽しみがあります。自然が好きな方も、冒険を求めるも、アイスランド文化を知りたい人も、是非ユニークなアクティビティを探してみてください。

冬のアイスランド旅行で覚えておきたいこと

スケジュールは柔軟に

冬のオクサルアゥルフォスの滝。シンクヴェトリル国立公園にある。

冬のアイスランドは天気がとても変わりやすく、突然強風、路面凍結、吹雪などに襲われることは珍しくありません。天気の急変に対応できるようなスケジュールを組むことが大切です。

まず大事なのが、移動時間を多めに見積もること。悪天候では運転スピードを落としたり、出発を遅らせたりしなければいけないこともあります。ゆとりのある計画を立てておけば、そんな時にも焦らずにすみます。また、当初の計画を断念しなければいけなくなった場合に備えて、代わりのアクティビティや観光プランの目星をつけておくといいでしょう。

また、滞在中は現地の天気予報や道路状況を必ずチェックしてください。アイスランド気象庁アイスランド道路沿岸管理局などのウェブサイトはアイスランド全土の天気や道路交通情報を随時更新しています。また、SafeTravelというウェブサイトでは、旅行者のための安全情報を提供しています。安全に関する通知も配信しており、ダウンロードできるアプリもあります。様々なリソースを活用して、臨機応変に計画を調整できるようにしましょう。

日がとても短い

冬のグトルフォスの滝。凍り付いた岩が荘厳な美しさを添える

アイスランドは緯度が高く北極圏に近いため、冬は日が短いです。冬至の日(毎年12月21日頃)にかけて、どんどん日が短くなります。冬至の日の日の出から日の入りまでの時間はレイキャビクで4時間。北部では更に短いです。冬至を過ぎると徐々に日がのびていき、3月末になると日が昇っている時間は約10時間あります。

冬のアイスランド旅行計画では、「日があるうちに何をするか」を厳選しなければいけません。昼間は観光やアウトドアなどを最優先するのがいでしょう。ガイド付きツアーなどは日のある時間をうまく使って催行されるので、効率的に時間を使えます。

一方、夜が長く暗いため、オーロラ観測には理想的な条件が整います。また冬のアイスランドの夕暮れは独特の柔らかな光が風景に静謐な雰囲気を与えるので、奥行きのある美しい写真が撮れます!

ハイランド地方には行けません

夕闇に包まれたアイスランドの雪山

アイスランドでは冬の間、Fロードと呼ばれる山岳道路は閉鎖されます。積雪、凍結、その他気象条件が厳しいためです。旅行者の安全を守り、繊細な自然環境を保護するための施策です。Fロードが閉鎖されるとアイスランド島の内陸部に広がる中央高原地帯、ハイランド地方はアクセスできなくなります。

その年の気候や道路整備状況にもよりますが、例年9月か10月初旬に閉鎖され、5月下旬(長ければ6月まで)続きます。

Fロード以外の道路も、天気や積雪のために一時的に閉鎖されることがあります。予告なく通行止めになることもあるので、途中で立ち往生しないよう出発前に必ず最新の情報を確認してから出かけるようにしてください。

冬のアイスランドの天気

冬のレイキャビクのロイガルダルの谷。こんもり積もった雪が美しいアイスランドの冬は11月から3月までです。気温は低く、予測不能な天気が続きます。沿岸部はメキシコ湾流の影響でやや温暖ですが、内陸部や山間部は冷え込みます。

アイスランドの冬の天気はとにかく気まぐれで、明るく日が射していると思えば、次の瞬間には吹雪に見舞われるといった具合です。雪は北部や高地で多く、南岸は雨やみぞれが多いです。強風・凍結も頻繁に起きるので、移動時は注意してください。

11月の平均気温

11月は秋から冬に移り変わる時期で、気温は日に日に下がっていきます。平均気温は-1°Cから+4°Cくらいです。月末には道路が凍結したり、小雪が降ったりすることもあります。

12月の平均気温

12月のアイスランドの平均気温は-5℃から+2℃です。日が短く、冬至の日の日の出から日の入りまでの時間はわずか4時間です。路面凍結・強風は日常的に見られ、雪が降ることもあります。

1月と2月の平均気温

1月と2月はアイスランドで最も寒い時期で、平均気温は-10℃から+3℃くらいです。特に寒さが厳しい年は-15°Cまで下がることもありますが、これは稀です。雪はよく降ります。強風や路面凍結も旅の障害となります。

3月の平均気温

3月になると、春の足音が聞こえてきます。平均気温は-2°Cから+3°Cくらい。降雪は減りますが、凍結や強風は続くかもしれません。3月末までには、日の長さが11時間~12時間くらいまで戻ります。

冬のアイスランドの注意事項

アイスランドの冬の雪山登山冬のアイスランドには危険もあります。冬用タイヤは必須で、道が凍っているので運転には注意が必要です。ハンドルをとられるほどの強風で運転がしづらく、道路が閉鎖されることも。アイスバーンができることもあり、事故のリスクが高まります。

アイスランドの山間部では雪崩の危険もあります。このような地域に行く場合は、必ず気象庁の雪崩予報を確認し、現地の警報に従ってください。

天気や道路交通情報をきちんと確認し、少しでも危険がある場合は無理をせず旅行計画を変更しましょう。アイスランドの緊急電話番号は112番です(警察・消防・救急など全てにつながります)。

アイスランドの強風警報

アイスランド気象庁は危険度に応じて気象警報を出します。低い順から黄色→オレンジ→赤と色分けされています。強風時の移動の指針として活用するようにしてください。

黄色警報は軽度の混乱を引き起こす可能性のある中程度の風です。

オレンジ警報は移動に支障をきたし、被害をもたらす可能性のある強風です。

赤色警報は、安全やインフラに重大な被害をもたらす暴風です。

真冬は黄色やオレンジの警報がよく出ます。赤色警報も時々発令されます。警報に加え、気象庁の最新情報をまめに確認しましょう。極度の風は視界が不良になり、移動に支障をきたすだけでなく、命を脅かす危険もあります。

冬のアイスランド旅行の持ち物 冬のヴェストラホルン山にかかったオーロラを指さす観光客

冬のアイスランド旅行を楽しむためにはどんな天気に対応できるよう、十分な備えが必要です。訪れる地方ややる予定のアクティビティを考慮して持ち物を準備しましょう。

レイキャビク周辺にしか滞在しないのであれば、そこまでの重装備入りません。保温性のあるインナー、暖かいコート、ニット帽、マフラー、手袋が基本です。保温性のある肌着(できれば長袖)やレギンスを下に仕込めば、ジーンズでも過ごせるでしょう。

屋外の観光やアウトドアを楽しみたい方、オーロラハンティングをしたい方は、重ね着ができる防寒性の高い衣服が必須です。長時間、氷点下で過ごす可能性があるからです。吸湿発散性のあるベースレイヤーの上に、フリースやウールなどの保温性のあるミドルレイヤーを重ね、アウターは防水性・防風性のあるものを選びましょう。凍った路面を歩くには滑りにくく暖かい、防水機能のあるシューズも必要です。

服の他に、冬のアイスランド旅行に必須の持ち物リストは以下の通りです:

  1. 肌の保湿アイテム:寒いと肌が荒れるので、リップクリーム、ローション、ハンドクリームなどは必須です!

  2. 予備バッテリー、懐中電灯など:気温が低いと電池の消耗が早まります。スマホやカメラなどの携帯予備バッテリーや持ち運びができる充電器があると便利です。また田舎はすぐに暗くなるので、ヘッドライトや懐中電灯があると安心です。

  3. アイゼン:アイスランドの大自然の中を歩く予定の方はシューズの上から装着できるアイゼン(クランポン)を用意しましょう。凍った地面でもしっかり歩けます。

  4. 魔法瓶:サーモスなど、暖かい飲み物を持ち運べるボトルがあると重宝しますよ。

  5. 変換プラグアイスランドは日本とはコンセントの形が違います。電圧も違うので注意が必要です。

  6. 水着:アイスランドの温泉・地熱プールは水着を着ていないと入れません。忘れずにパッキングしましょう。

冬のアイスランドの写真撮影のコツ

冬のオクサルアゥルフォスの滝。アイスランドのシンクヴェトリル国立公園にて冬のアイスランドで風景写真に挑戦したい方もいらっしゃるのではないでしょうか。太陽の位置が低いので光が柔らかく、写真撮影にうってつけです。また、氷瀑や氷の洞窟、雪山、そしてオーロラなど、冬ならではの素晴らしい景色もあります。

ただし、コンディションが厳しいのできちんと準備をすることが大切です。特にオーロラ撮影では長時間露光が基本なので、しっかりした三脚が欠かせません。また寒冷地ではバッテリーの消耗が早いので、予備のバッテリーを持参し、使用しないときは温めておきましょう。レンズに雪の結晶がつかないように、レンズフードもあると便利です。

厚手の手袋も重宝します。手袋を外さなくてもカメラを操作できるよう、タッチスクリーン対応のものがおすすめです。



冬のアイスランドの運転事情

冬のアイスランドの雪道を走るならレンタカーはジープがおすすめ冬のアイスランドで運転するのは夏よりもハードルは高めです。でもしっかり計画を立てて適切な備えをし、安全に気を付けて行動すれば冬の絶景ドライブを楽しめます。

冬のアイスランドでレンタカーを借りる際の注意事項

レンタカーを予約する時は、必ずアイスランド旅行時期と予定しているドライブルートに合わせて車を選びましょう。冬はやはり4WDのジープがおすすめです(特に田舎を訪れたい方、1月・2月に旅行予定の方)。初冬はコンパクトカーでも大丈夫な可能性もありますが、万が一雪が降ると大変です。

またアイスランドでは11月から4月初旬まで、すべての車に冬用タイヤの装着が義務付けられています。車には必ずアイススクレーパーとスノーブラシを積んでおくこと。田舎に行く方は、雪道にスタックした場合に備えて小さなシャベルもあると安心です。

冬のアイスランドで安全運転をするために

A jeep driving on a snowy road in Iceland in winter close by Seljalandsfoss冬のアイスランドで運転する際はきちんと情報収集をし、安全運転を徹底してください。雪道の運転に慣れていない方は特に注意が必要です。アイスランド道路沿岸管理局のウェブサイトにはアイスランドでの運転に関する注意事項が掲載されていますので、参考にしましょう。SafeTravelの運転ガイドも見ておいてください。基本的な注意点は次の通りです。

天気と道路状況を確認する:必ず、信頼できる情報源で天気予報道路状況を確認すること。強風や吹雪で視界が悪い場合は安全な場所に車を止め、状況が改善するのを待ちましょう。緊急の場合は、112番に電話して助けを求めましょう。

速度を落として運転する:砂利道、雪道、凍結した路面を走行する際はスピードを落とし、他の車との安全な車間距離を保ってください。橋や日陰、見通しの悪いカーブなどはブラックアイスが発生しやすいので注意してください。

緊急用品を常備する:車には必ずアイススクレーパー、スノーブラシ、ブースターケーブル、救急箱を積んでおきます。豪雪地帯に向かう場合はスタックした場合に備えてシャベルも必要です。長距離を運転する場合は水、軽食、毛布も用意しておくとよいです。

他の人にドライブ計画を知らせておく:万が一に備えて、他の人に旅行計画や到着予定時刻を伝えておきましょう。どんな時も遅刻・遅延よりも安全を優先すること。アイスランド捜索救助協会に旅行計画を提出することもできます。スマホは常に充電しておくこと。ナビはスマホやGPSでも事足りますが、紙の地図も持っておきたいところです。

アイスランドの大自然を探検したいけれど運転が心配という方は、ガイド付きツアーを検討しましょう。プロのドライバーがいるので安心です。

アイスランド各地の冬の様子

Godafoss in the North of Iceland frozen over in winter

アイスランド南部の冬

真冬のアイスランド旅行では、気候が比較的穏やかで首都エリアにも近い南部アイスランドはとてもおすすめ。南部にはゴールデンサークル、セリャランズフォスの滝(Seljalandsfoss)、ヨークルスアゥルロゥン氷河湖(Jokulsarlon)などの観光名所があります。悪天候により道路が閉鎖されることもありますが、基本的にほとんどのエリアがアクセス可能です。

アイスランド北部の冬

アイスランド北部の冬は気温がかなり低く、積雪が多く、道路が凍結しています。強風や通行止めにより旅行が困難になることもあります。一方北アイスランド最大の町アークレイリ(Akureyri)にはフリィザルフィヤットル・スキー場(Hlidarfjall Ski Resort)があり、スキーやスノボができます。オーロラ観測にも最適です。北部を観光したいけれど車で移動するのは嫌だという方は、レイキャビク空港などからアークレイリ行きの飛行機を利用するといいでしょう。

スナイフェルスネス半島のキルキュフェットル山(『ゲーム・オブ・スローンズ』の「矢じりの形をした山」)

アイスランド西部の冬

スナイフェルスネス半島(Snaefellsnes)を含むアイスランド西海岸エリアの冬は気温が低く、積雪が多く、道路が凍結します。一部の観光スポットへのアクセスが一時的に制限されることがありますが、キルキュフェットル山(Kirkjufell)などで美しい雪景色が見られます。

西フィヨルド地方の冬

冬のウェストフィヨルド地方はアクセスが困難です。雪が多く気候はきびしいです。通行止めやアクセス制限も珍しくありません。ウェストフィヨルドの観光は夏の方が安全でおすすめです。

東部アイスランドの冬

東部アイスランドの冬は南部よりは寒く、雪も多めです。峠越えが難しかったり、道路が一時的に通行止めになることもあります。ですがコンディションが良ければスキーができて、野生のトナカイが見られることもあります!

このように、アイスランドの冬は地域によって差がありますが、どこにいても天気が急変することがあるので注意してください。旅行中は適切な服装を心掛け、安全に注意して旅をお楽しみください。

冬のアイスランドの野生動物

夕焼けの雪原をわたるトナカイ。アイスランド東部にて。アイスランドでは冬に冬眠したり南に渡ったりする野生動物もいますが、厳しい冬に見事に適応した動物もいます。

アイスランド馬:アイスランドを代表する動物、アイスランディック・ホース。アイスランドの固有種で独特の歩法を持ち、寒さに滅法強いことで有名です。ふさふさの冬毛をまとい、雪の下に生えている草を食んでいる姿がよく見られます。冬の間も乗馬ツアーは催行されているので、馬に乗ってアイスランドの雪原を楽しんでみては。

トナカイ:トナカイは18世紀にアイスランドに持ち込まれた動物です。アイスランド東部を旅していると、野生化したトナカイを見かけることがあります。冬は雪の下の餌を探しながら高地から標高の低い場所に降りてくるので、その姿を見つけやすくなります。

ホッキョクギツネ:ホッキョクギツネはアイスランド唯一の在来陸生哺乳類です。冬毛を密生させて厳しい冬を生き抜きます。真っ白な上、あまり人前に姿を現さないので見つけるのは至難の業ですが、情熱と忍耐力のある方は探してみてください。

野鳥類:冬は羽毛が真っ白になるライチョウなど、冬のアイスランドには様々な在来種や渡り鳥がいます。海沿いにはウミガラスがいます。アイスランドの国鳥であるシロハヤブサが狩りをする姿も見られるかもしれません。

海洋哺乳類:冬のアイスランド沖では、ハナジロカマイルカやネズミイルカがよく見られます。ミンククジラやザトウクジラにも出会えるチャンスも!



冬のアイスランドの祝祭日やイベント

上空から見た冬のレイキャビク。チョルトニン池、ハットルグリムス教会、レイキャビク市庁舎、アイスランド国立博物館などの屋根屋根が見える。

アイスランドの冬はさまざまな祝日や行事に彩られた祝祭の季節です。気温が低く、日が短いにもかかわらず、アイスランドの人々はこの季節を暖かく、陽気に過ごします。冬にアイスランド旅行で体験できるアイスランドの伝統行事やお祭りをご紹介します!

アイスランドのクリスマス

アイスランドの冬のハイライトは何といってもクリスマスです。アイスランド語ではヨゥル(jól)と言います。アイスランド独自の習慣や食べ物がたくさんあり、レイキャビクを始めとする町では様々な行事が行われます。街中に登場するスケートリンクやクリスマスマーケットを覗いてみたり、コンサートやイベントに参加してみては。

そしてクリスマスといえばごちそう。多くのレストランはクリスマス限定メニューを用意しているので、アイスランドの伝統的なクリスマス料理を頂くことができます。おすすめは子羊の燻製ハンギキョット(hangikjöt)や葉っぱをかたどったルイヴァブルイズ(laufabraud)というパン、ノンアルコールの"Malt og Appelsín" というドリンク(モルトとオレンジソーダを混ぜたもの。とっても美味しいですよ!)など。

People skating at the Christmas ice rink at Ingolfstorg in Reykjavik during winter

アイスランドのクリスマスシーズンで最も重要な日は12月24日です。会社もお店もレストランも、皆お休みになります(営業したとしても午後13時か14時には閉まります)。12月25日も家族と過ごすのが習わしなのでお休みです。26日には開店するお店が増え、12月27日にはほとんどの店が通常営業に戻ります。

お店が閉まっているので、ショッピングやお食事はお預けです。この二日間はレイキャビクの街や公園の散策や、(天気が良ければ)郊外のドライブなどを楽しむといいでしょう。クリスマスシーズンに北アイスランドにいる方は、アークレイリのクリスマスハウスを訪れるのもお忘れなく!設備が充実したホテルなら、宿でまったりと過ごすのもいいですね!

レイキャビクの Laekjatorg に登場する「クリスマス猫」Jolakotturinn

写真提供:Regína Hrönn Ragnarsdóttir

アイスランドのクリスマスはちょっと変わっています。その始まりを告げるのはヨーラスヴェイナル(Jolasveinar)というクリスマス小僧たち。英語ではユールラッズ(Yule Lads)と呼ばれています。悪戯が大好きな13人の兄弟で、12月11日の夜から12月24日まで、一人ずつ町に降りてきて、子どもたちの靴(窓際に置いておくのが習わしです)に小さなプレゼントを入れていってくれます。

ユールラッズは普段は母親のグリーラ(Gryla)とその夫、レッパルージ(Leppaludi)と山に住んでいます。グリーラは恐ろしいトロール女で、悪い子がいるとクリスマスにさらっていってしまいます。彼女の飼い猫はクリスマス・キャット(Jolakotturinn)という化け猫で、こちらはクリスマスに新しい服を買ってもらえなかった人を喰ってしまうと言われています!

ユールラッズやグリーラ、レッパルージの姿はレイキャビク周辺のクリスマスイベントなどで見ることができます。こうした時の彼らは基本的にフレンドリーなキャラで、子どもたちにお菓子を配ったりしています。12月のレイキャビクのダウンタウンにはクリスマス・キャットの大きな彫刻も登場します(上の写真)。

アイスランドの年末年始

Hallgrimskirkja in Reykjavik during New Years Eve, with many different fireworks lighting up the night sky

アイスランドの年越しは気合が入っています。誰かが主催する花火大会があるわけではなく、皆が花火を大量に買い込んでそれぞれ打ち上げまくります。レイキャビクなどは大変なお祭り騒ぎです。様々なイベントも開催され、とても賑やかです。

大晦日の夜は、家族とごちそうを食べたり、友人とパーティーをしたり、アイスランド語でブレンナ(brenna)と呼ばれる焚き火に出かけます。焚き火は首都圏のあちこちにあり、周辺で花火大会が行われることもあります。

その後は大晦日恒例のテレビ番組、アゥラモゥタスコイプ(Áramótaskaup)を見ます。その年の出来事を風刺するコメディです。アイスランドの主要テレビ局RUVで英語字幕付きで見られますが、普段からアイスランドのニュースをフォローしていないとジョークを理解するのは難しいかもしれません。

夜11時半くらいにこの番組が終わると、いよいよ花火の時間です!番組終了と同時に、皆カウントダウンに間に合うように急いで外に出て花火の準備をします。これが大晦日一番の見どころなので、ハットルグリムス教会(Hallgrimskirkja)、ペルトラン(Perlan)、コーパヴォグル教会(Kopavogur)など、見晴らしがいい場所を事前にチェックしておきましょう!

冬のアイスランドの恒例、年越しの盛大な花火年が変わると首都圏のあちこちで花火が上がり、教会の鐘の音が鳴り響きます。ケプラヴィークアクラネースなど、遠くの町の花火が見えることも。花火は深夜0時を過ぎても数時間続くので、防寒対策をしっかりして、カメラを充電して見物しましょう!

風があまり吹いていない夜は町が煙くなることもあります。肺や心臓に疾患のある方や、室内で快適に見物したい方は、眺望のよいホテルの部屋を予約するといいかもしれません。レイキャビクの宿泊施設を探してみてください。

そして元旦。アイスランドではリラックスしたり、二日酔いに苦しんだり、大切な人とゆっくり過ごす人が多いです。お店は営業しないところが多いので注しましょう。

アイスランドの年末年始は、ゆく年を焼き払い、くる年を盛大に迎えるとても賑やかなイベントです!

「クリームパンの日」Bolludagur、Sprengidagur、Oskudagur

Image of varied versions of the Icelandic bollur for Bolludagur from the popular bakery Braud og Co

写真提供:ベーカリーBraud & Co。 Bolludagurのための様々な bollur

アイスランドには、Bolludagur、Sprengidagur、Oskudagurと呼ばれる日があります。もともとはキリスト教の四旬節(レント)の始まりを示すもので、2月の月曜日、火曜日、「灰の水曜日」に行われます。

Bolludagur(パンの日、"bun day")には、アイスランド人は「Bollur(ボルール)」と呼ばれるクリーム入りの菓子パンを食べます。翌日のSprengidagur(破裂の日)は、塩漬け肉と豆のスープを(破裂するまで)たらふく食べます。そして「肺の水曜日」Oskudagurには子供たちが仮装をして練り歩き、歌を歌ったりしていお菓子をもらいます。学校もお昼ごろに終わるので、子どもたちは大張り切りです。

この時期にアイスランドにいる方は、ぜひこのお祭りを体験してみてください。クリームパンはアイスランド中のパン屋さんで売っていて、とても美味しいです。作り方も簡単なので、自分で焼いても!火曜日は是非塩漬け肉と豆のスープを。お子様と旅行をされる方は、水曜日に仮装させてお菓子をもらいに歌いに行くのもおすすめです!

バレンタイン・デー、男性の日、女性の日

レイキャビクのSky Lagoon カフェでおしゃれな食事を楽しむカップルバレンタイン・デーはアイスランドでは比較的最近登場したイベントです。この日にプレゼントを交換したり、ロマンチックなディナーに出かけたり、恋人との時間を楽しむアイスランド人もいます。ですがアイスランドでは、パートナーや家族に感謝する別の祝日があります。男性の日女性の日です。

Bondadagur、つまり「男性の日」は、アイスランドの旧暦のソーリ(Thorri)の初日です(太陽暦の1月にあたることが多いです)。この日、女性は父親、兄弟や恋人など、身近な男性にプレゼントを贈ったり、感謝の気持ちを表したりします。Konudagurという「女性の日」は2月の第1日曜日、旧暦のゴア月の始まりに祝われます。今度は男性が身近な女性に愛と感謝の気持ちを伝える日です。

この3日間はレストランやお店で特別メニューやキャンペーンがあったりするので、是非チェックしてみてください。

アイスランド伝統食を頂くソーリ

Thorramatur traditional Icelandic food, sheep head, slatur, fermented shark, rugbraud or rye bread and flatkaka or flatcake

写真提供:Wikimedia, Creative Commons, by The blanz. 未加工・未編集

アイスランドの伝統料理に興味がある方は、是非冬のアイスランドにお越しください。1月から2月にかけて、ソーリ(Thorri)という、アイスランドの豊かな食の伝統を祝う真冬のお祭りがあるからです。期間中、アイスランド人はソーラブロット(Thorrablot)という宴を開き、アイスランドの伝統料理を食べます。

メニューは例えば、発酵サメ肉はカール(hakarl)、羊の頭のまる茹でスヴィズ(svid)、魚の干物(hardfiskur)などなど。音楽や踊り、アイスランドのスピリッツ、ブレニビン(Brennivin。英語では "Black Death”とも)もつきものです。

ソーリは、アイスランドのルーツを確認し、厳しい自然環境の中で生き抜いてきた先祖の知恵に感謝し、受け継がれてきた味や習慣を未来に伝えるお祭りです。アイスランド文化に触れたい方には絶好の機会でしょう。グルメに興味がある方は、アイスランドの食べ歩きツアーをチェックしてみるのもおすすめです。

冬のアイスランドについて、よくある質問

Sun shining during golden hour in an ice cave in Iceland

冬のアイスランドについて、よくある質問をまとめました。

アイスランドでは、冬も全ての観光名所にアクセスできるのですか?

冬は氷雪や悪天候のためにアクセスできなくなる観光名所もあります。ですがゴールデンサークルなどの人気スポットは冬も観光できます。気候が比較的穏やかなアイスランド南海岸の名所も同様です。

冬のアイスランド旅行の現地移動手段は?

冬もレンタカーで移動できますが、雪、氷、強風などが厳しいため、雪道の運転に慣れていない方にはあまりおすすめしません。運転をする方は4WDのレンタカーを借りましょう。現地移動手段としては、ガイドや送迎付きのツアーを利用すると安心です。公共交通機関は(特に田舎では)限られています。

ヴァトナヨークトル氷河とヨークルスアゥルロゥン氷河湖を照らす紫と緑のオーロラ。

氷河ハイキングや氷の洞窟探検は安全ですか?

はい、冬のアイスランドでは安全に氷河ハイキングや氷の洞窟探検を楽しめます。但し、必ず認定ガイドが同行するツアーに参加してください。認定ガイドは現地のコンディションや安全確保のルールを熟知しており、氷河を安全に楽しむための技術・知識・装備を持っています。氷河ハイキングや氷の洞窟探検に参加する際は必ず天気予報を確認してからお出かけください。そして決して単独で、あるいはガイドなしで絶対に足を踏み入れないようにしてください。

冬のアイスランドでキャンプはできますか?

アイスランドで冬にキャンプをすることはできますが、厳冬期にはおすすめしません。キャンプをする場合は慎重に計画を立て、適切な装備を持って出かけてください。そして常に安全に注意して行動してください。アイスランドのキャンプ場はほとんどが冬は閉まっています。暖房付きのキャンピングカーやミニキャンピングカーを借りるのがベストです。テント泊では、丈夫な冬用テント、暖かい寝袋、寒冷地用のキャンプ用品、冬キャンプのノウハウ、信頼できる熱源が必須です。冬のアイスランドのキャンプ場についてまとめた記事もありますので是非お役立てください。

冬のレイキャビクでは何ができますか?

冬のレイキャビクでは、博物館・美術館巡りや地熱プールでの水泳・入浴、バーホッピングやナイトライフなど様々なアクティビティを楽しめます。また、オーロラ鑑賞ツアーに参加したり、ゴールデンサークルなどを日帰りで観光したりするのもおすすめです。

冬のアイスランド・まとめ

冬のレイキャネス半島、Straumurの家の上空に現れたオーロラ。結論として、冬のアイスランドは厳しくも非常に美しいところです。寒くて日は短いですが、賑やかなレイキャビクでも田舎の村でも、アイスランド人の温かいホスピタリティが光ります。冬の祝祭、自然の絶景、スリル満点のアウトドア・アクティビティなどが楽しめる冬のアイスランド旅行はきっと忘れられない体験になるでしょう。

あらゆる天気に備え、常に安全を最優先して、アイスランドの冒険を思い切り楽しんでください。冬のアイスランドで皆様をお待ちしています!

冬のアイスランド旅行をお考えの方、何が一番楽しみですか?参加してみたいイベントはありますか?冬のアイスランドを旅したことがある方からのコメントもお待ちしています!

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