4月のゴーザフォスの滝

徹底解説:4月のアイスランド:気温、おすすめアクティビティ、オーロラ情報など

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4月のアイスランドを徹底解説。お天気・気温は?雪はまだある?おすすめのアクティビティは?オーロラはまだ見られる?そんな方のために、4月に楽しくアイスランドを旅行するための基本情報をお届けします!

結論から言うと、4月のアイスランド旅行はとってもおすすめです。4月は春の光が少しずつ広がり、島が冬眠から覚める喜びの季節。運転しやすくなるのでアイスランドを一周するドライブ旅行もおすすめですし、ヨークルスアゥルロゥン氷河湖のクルーズも再開します。日が長くなるので、田舎のコテージに滞在して大自然を満喫するのもいいですね。ケプラヴィーク国際空港でレンタカーを借りれば、旅の自由度がぐっとアップします。

4月には氷が解け、緑が芽吹き、鳥がさえずり始めます。日は長くなり、寒さが和らぎ、空が気持ちよく晴れる時間も増えます。ただし花が咲き始めても、突然雪が降ったりもするので油断は禁物です。

春のハットルグリムス教会

アイスランドの天気が変わりやすいのは4月に限ったことではありませんが、ご旅行の際はどんな天気にも対応できるように備えておいた方がよいでしょう。

一部の冬季アクティビティは4月にはシーズンが終了しますが、ゴールデンサークル南海岸スナイフェルスネス半島などの観光地は容易に訪れることができます。


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冬が大好きなアイスランド人も、4月になるとそわそわ。少しずつ日が長くなって雪が解けるのを心待ちにしています。春は希望と期待の季節なのです。

春の訪れを祝うお祭りやイベントが各地で行われ、春夏のアクティビティも楽しめるようになります。

4月のアイスランドで楽しめるアクティビティ 

セリャラントスフォスの滝壺の裏からの眺め

4月のアイスランドでは、乗馬ケイビング/洞窟探検シュノーケリングなど、夏のアクティビティはほぼ全て楽しめます。オーロラなど、一部の冬のアクティビティも引き続き行えるので、一石二鳥です。


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4月のアイスランドでオーロラを見る

4月のアイスランドの昼間の時間は、13時間から16時間程度。20時間も暗闇が続く冬と比べるとかなり「夜」が短くなります。しかし5月や白夜現象が見られる6・7月よりもしっかりした暗闇が訪れるので、4月でもオーロラを観測できる可能性はあります。

なかなか姿を見せないオーロラを見るには、都市部を離れてネオンのない自然の中に行くのが一番です。快適にオーロラウォッチングを楽しむなら、オーロラツアー がいいですよ。

オーロラツアーには様々な趣向を凝らしたものがあります。レイキャビクのオールドハーバーから光害の少ない海に出て、北大西洋の風を感じながらオーロラを見るボートツアーもありますし、未舗装路も走れるように改造した四輪駆動車で人里離れた観測スポットに連れて行ってくれるスーパージープツアーもあります。旅費を節約したい方には、バスツアーもおすすめです。

4月のアイスランドの氷河で遊ぶ

スカフタフェットル自然保護区からではアイスランドならではの氷河の景色が堪能できる

雄大な自然の中でアドベンチャーを楽しむのに、アイスランドほど恵まれた場所は少ないでしょう。特に氷河はアイスランドらしさ満点。国土の10%以上が氷河に覆われているこの国では、色々な遊び方ができます。


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レイキャビクからレイニスフィヤラのブラックサンド・ビーチ(Reynisfjara)に向かう途中に見えるのが、壮麗なソゥルヘイマヨークトル氷河(Sólheimajökull)です。息をのむような青いクレバスがたくさんあり、氷河ハイキング・トレッキングアイスクライミングなどに最適です。

南海岸を更に東に進んだところにあるのが、スカフタフェットル自然保護区(Skaftafell  Nature Reserve)です。ここは欧州最大の氷河、ヴァトナヨークトル(Vatnajökull)に属しており、たくさんのハイキングコースやトレイルがあります。雪や氷に覆われたワイルドな自然が美しく、ヴァトナヨークトルの大パノラマが見られるため、氷河ハイキング愛好者にも人気の場所です。

スカフタフェットルのすぐ近くにあるのが、有名なヨークルスアゥルロゥン氷河湖(Jökulsárlón Glacier lagoon)です。ヴァトナヨークトル氷河から剥がれ落ちた巨大な氷の塊が湖面を漂い、潮に導かれてゆっくりと海に流れていきます。


ヨークルスアゥルロゥン氷河湖のツアーを検索する 


アイスランド旅行には欠かせない氷河の観察

アイスランドに来たら氷の洞窟、アイスケーブを見てみたいとお考えの方もいるでしょう。自然現象としての珍しさと、その神秘的な美しさが話題を呼び、世界的に有名になりました。アイスケーブは日が長くなる春には融けてしまうため入窟ができなくなるところがほとんどですが、唯一ミールダルスヨークトル氷河(Mýrdalsjökull)のアイスケーブは4月でも見学することができます。

ミールダルスヨークトルはアイスランドでも有数の大きな火山、カトラ山を覆う氷河です。白やブルーの氷と、氷に閉じ込められた灰や黒い溶岩の美しいコントラストが目を引きます。ヴィーク村発のスーパージープ・ツアーなら一息に山を登れますよ。またレイキャビク発のツアーには、南海岸の名所巡りも一緒にできるものもあります。


「氷と火の国」アイスランドで、洞窟探検・アイスケイビング ツアーに参加する 


火山噴火の灰と氷が交じりこんだミールダルスヨークトル氷河の洞窟 写真提供:ヴィーク町発|ミールダルスヨークトル氷河の洞窟ツアー

アイスランドで二番目に大きな氷河はラングヨークトル(Langjökull)です。豊富な雪解け水が南方のクヴィータアゥ川(Hvítá)に流れ込み、グトルフォスの滝(Gullfoss)となって大渓谷に流れ落ちる様は圧巻です。

アドベンチャーを求める方は、ラングヨークトルのスノーモービル・ツアーに参加してみては。長い年月をかけて形成された氷帽を駆け抜ける体験は爽快そのものです。

ラングヨークトル氷河の上を駆け抜けるスノーモービル体験は4月のアイスランド旅行におすすめのアクティビティ画像提供:Snowmobiling and the Ice Tunnel | Complete Langjökull Glacier Tour

ラングヨークトル氷河には、丹念に掘られた人工の氷のトンネルもあります。見学はもちろん、氷河の形成過程や温暖化の深刻な影響などについて学ぶことができます。よほどの悪天候を除いて、ラングヨークトル氷河のアイストンネルは一年を通して入ることができるのでおすすめです。


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4月のアイスランドでホエールウォッチング

アイスランド周辺の海には約20種類以上のクジラやイルカが生息している 画像提供:レイキャビク発|RIBボートで行くパフィンとホエールウォッチング(複数回出発)

4月には、冬季閉鎖されていた道路も基本的に開通するので、アイスランド北部にも車で容易にアクセスできるようになります。レンタカーで行かれる方は、必ず道路状況サイトをチェックしてからご出発ください。

北部の町アークレイリ(Akureyri)は、ホエールウォッチングの名所です。アイスランド沿岸には20種以上のクジラやイルカが棲息しており、ツアーに参加すればかなりの確率で海洋哺乳類に出会うことができます。

この季節、北部エリアで最も目撃率が高いのはザトウクジラ、ミンククジラ、そしてネズミイルカです。4月はシャチや世界最大の哺乳類、シロナガスクジラが姿を見せることも!

レイキャビク発のホエールウォッチング・ツアーもあります。レイキャビクのオールドハーバーからは毎日たくさんの船が出ています。ホエールウォッチング+乗馬+ブルーラグーン温泉スパ+ゴールデンサークル観光などのコンビネーションツアーもありますよ。


アークレイリのツアーを検索する 

パフィンホエールウォッチング・ツアーを検索する  


4月のアイスランドでパフィンに会おう

ニシノツメドリ、ことアトランティックパフィンは例年4月初旬にアイスランドに飛来する渡り鳥です。

この可愛らしいパフィンに出会える場所はいくつかありますが、ウェストフィヨルド地方のラゥトラビャルグ(Látrabjarg)には毎年大きなコロニーができます。アイスランドの最西端にある断崖です。餌探しに飛び立つものや、写真を撮ってくれといわんばかりに草の上に座っているものなど、その剽軽な姿を見ることができるでしょう。

ラゥトラビャルグへはでこぼこの急な山道を通る必要があります。気候が穏やかな4月だからこそ通行可能になるエリアです。尚、パフィンは崖に穴をあけて巣をつくるため、地面が脆くなっている場合があります。くれぐれも、崖に近づきすぎないようにしてください。


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ホエールウォッチング感覚で、ボートに乗ってパフィンを見に行くツアーもあり、アイスランド各地で催行されています。例えば、レイキャビク発のこのツアーでは、ルンドエイ島(Lundey)とアクルエイ島(Akurey)を訪ねます。パフィンを邪魔しないぎりぎりのところまで巣に近づくことができるのでおすすめです。

スナイフェルスネス半島発のツアーや、ヴェストマン諸島発のツアーなどもあります。パフィンとホエールウォッチング乗馬を組み合わせたツアーもたくさんありますよ。

4月のアイスランドのイベント情報

4月のアイスランドのイベントにも参加しよう!

アイスランドでは一年を通してたくさんのおもしろいフェスティバルが開催されていますが、4月は特にライナップが多彩です。定番の音楽系からスノボ、コンピューターゲームまで様々なジャンルのイベントがあるので、のぞいてみたいなと思うものがきっと見つかるはずです。


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アルドレイ・フォル・イェグ・スーズル(Aldrei Fór Ég Suður)

 

イースター(キリスト復活祭)はアイスランドでは重要な祭日です。しかしクリスマスと違って、アイスランドならではの変わった風習は特にありません。イースターの週末は家族が揃って食事をとり、チョコレートを食べ過ぎたといっては毎年反省します。田舎に出かける人もたくさんいます。

そんなイースターの週末に毎年イーサフィヨルズル(Ísafjörður)開かれるのが、アルドレイ・フォル・イェグ・スーズル(Aldrei Fór Ég Suður)です。ムーギーソン(Mugison)というミュージシャンが始めたフェスで、瞬く間にアイスランドで一二を争う音楽祭に成長しました。

西フィヨルドの音楽フェスの主催者兼ミュージシャン、ムギソンステージに立つムーギーソン。画像提供:Aldrei fór ég suður Facebook page

地元イーサフィヨルズルで音楽祭をやりたいと考えたムーギーソンとその父PapaMugは、2003年に初めて開催を呼びかけました。イースタ―の時期のウェストフィヨルドは深い雪に覆われるのですが、それをおしても参加したいという筋金入りの音楽好きが集まるに違いないと踏んだのです。

アイスランドには幸いなことに、音楽を愛してやまない人がたくさんいます。今では毎年、2000~3000人もの人が、このイベントのために雪深いウェストフィヨルドに集います。普段のイーサフィヨルズルと近隣の町の人口の2倍です。


西フィヨルド・ウェストフィヨルドのツアーを検索する 


アルドレイ・フォル・イェグ・スーズルにはブラスバンドからアコーディオン、ヘビーメタルやラップまで様々なミュージシャンが登場するので、どんなテイストが好きな方でも楽しめます。地元のアーティストはもちろん、Páll ÓskarHAMRetro StefsonGlowieEmilíana TorriniSólstafirといったアイスランドの大物のパフォーマンスも見られます。

アルドレイ・フォル・イェグ・スーズルで演奏するHAMというバンドアルドレイ・フォル・イェグ・スーズルで演奏するHAM。画像提供:aldrei.is(Hlynur Kristjánsson)。

お金持ちも貧乏学生も、とにかく本当に音楽が好きな人に聞いてほしい、ということで、このフェスは入場無料で誰でも入ることができ、アーティストも無償でパフォーマンスをしています。このため、「大衆派ロックフェス」とも呼ばれています。


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AKエキストリーム(AK Extreme)

アークレイリ(Akureyri)のすぐ近くにあるフリィザルフィヤットル山(Hlíðarfjall)は、アイスランド第一級のスキーリゾートです。ここではいつも何かしらの大会やイベントが行われていますが、中でも大規模なのが4月に行われるAKエキストリーム(AK Extreme)です。


スキー・ツアーを検索する 


スノボと音楽をテーマにしたこのイベントは4日間にわたって開催され、世界中から集まったボーダーの技を見るために毎年7000人を超える観光客が集まります。

期間中はフリィザルフィヤットル山とアークレイリの町で色々な催しが行われます。町内至る所でコンサートが開かれ、特別に設営されるスノーパークではバーン・ジブ(Burn Jib)セッションが盛り上がります。「ジブ」とはボーダーが手すりや階段、ベンチなどの人工物を利用してトリッキーな滑走をすることです。

ジッビングというスポーツ大会中のジブ・セッション。画像提供:AK Extreme Facebook page

フリィザルフィヤットル山のゲレンデでは、ダウンヒル競技が行われます。タイムを競うのは普通のレースと同じですが、選手は蓋を開けたエナジードリンクを持って滑走せねばならず、こぼした量がタイムにプラスされます。更に滑走中にコース内に設置されたポールをうまく引き抜いた人は景品があたる抽選に参加できるというおまけルールも!

そしてAKのメインイベントは、Eimskipビッグジャンプです。アークレイリの中心部に貨物用のコンテナを15個使って5階建てビルに相当する巨大なランプを作り、豪快な花火を背景にスノーボーダーが次々と華麗なパフォーマンスを披露します。


EVE オンライン・ファンフェスト(Eve Online Fanfest)

今から3万5000年後の世界、という設定のSFゲーム、EVE Online。世界中のプレイヤーが6,000以上の星系を探検し、商売をしたり闘ったりできるMMORPG(大規模多人数同時参加型オンラインRPG)で、CCP Gamesという会社が開発したアイスランド生まれの人気ゲームです。

毎年4月には、プレイヤーと開発者が一堂に会するEVE Fanfestがレイキャビクで開催されます。ハルパ・コンサートホールで3日間にわたってトーナメントやプレゼン、独占公開や開発ラウンドテーブルなどが行われます。

EVE Onlineは自由度が非常に高いのが特長です。仲間同士協力して目標を達成したり、ライバルと開始した戦闘が本格的な戦争に発展してリアルタイムで何週間も何か月も闘ったり、という具合に世界中のプレイヤーが同盟を組んだり闘ったりして遊べるよう作り込まれています。

EVEファンフェスは毎年世界中のゲーマーの注目を集めている

ファンフェストは、ゲームの世界で出会った仲間やライバルと実際に交流することができるのも魅力です。ゲームについて議論したり、夜遊びをしたり、レイキャビクの居酒屋をはしごしたり。出会った仲間とスナイフェルスネス半島やアイストンネル見学のツアーに参加する人もいます。

ファンフェストのクライマックスは、ハルパ・コンサートホールで開かれる Party at the Top of the World です。CCP社員が形成したバンド The Permaband をはじめ、Skálmöldやゲーム・オブ・スローンズのホーダー役としても有名なDJ Kristian Nairnなど大物アーティストが登場し、毎年大変な盛り上がりを見せています。

こども文化の日(Children’s Culture Festival)

こども文化の日(The Children’s Culture Festival)の狙いは、ワークショップや公演を通して子供たちに芸術を感じてもらうことです。4月下旬には、レイキャビク市内で子供や青少年のためのイベントがたくさん開かれます。

市内の学校や博物館、図書館、劇場などの文化施設では、「表現者としてのこども」に主眼がおいたアクティビティが目白押しです。内容はラップやDJのワークショップ、フラフープや凧揚げ教室など実に多種多様です。

アイスランド国立博物館やレイキャビク市庁舎ではこどもによる展覧会やファミリー向けの展示が行われ、最後はアイスランドの太鼓に合わせてこどもたちが踊ってフィナーレを飾ります。

どの催しも、子連れの場合は大人も入場無料になります。


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市内の博物館や施設で使えるフリーパス、レイキャビク・シティカード 


「夏の始まりの日」(The First Day of Summer)

夏のアイスランドでよく見かけられる花

夜と氷に支配されたアイスランドの冬。長く厳しい冬の間、アイスランド人は春を待ちわびています。

4月には春に因んだ慣習がいくつかあり、エイプリルフールのように世界的なものもあれば、「夏の始まりの日」のようにアイスランドならではの風習もあります。


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4月の「春」と「夏」

アイスランド語でロゥアと呼ばれるヨーロッパムナグロは夏の初めにアイスランドに渡りする鳥 ヨーロッパムナグロ。画像提供:Bjørn Christian Tørrissen. Wikimedia Creative Commons

暦の上では、北半球の春は3月20日から6月21日までです。でもアイスランドの「春」と「夏」はちょっと違います。



アイスランドでは昔から、春の到来を告げるのはヨーロッパムナグロだと決まっています。これは例年3月も下旬になるとアイスランドにやってくる渡り鳥で、日本でさくらの開花が報じられるように、アイスランドではこのムナグロの目撃情報はテレビなどで必ず取り上げられる重要ニュースです。

しかしアイスランドの春は短く、ほんの数週間しかありません。アイスランド人は「夏の始まりの日」を4月18日に祝うからです。

この「夏の始まりの日」に窓の外を見ても、あまりぴんとこないかもしれません。観測史上も強風、雨、雪など決して天気に恵まれているとはいえないのですが、それでも国中でお祭りがあり、ボーイスカウトなどが国旗を掲げてパレードを先導します。

アイスランドの警察「夏の始まりの日」の警官。画像提供:The Icelandic Police's Instagram

「夏の始まりの日」は4月19日以降最初の木曜日と定められており、古くはヴァイキング・サガや古文書にも登場する、アイスランドで最も由緒正しい行事のひとつです。なぜこの日なのか?それはアイスランド人が適当で楽観的だからでは決してなく、一年を夏と冬の二つの季節に分けた古ノルド人の暦に由来します。


キリスト教が国教となった西暦1000年に、古ノルド人の暦や慣習は廃止されました。しかし「夏の始まりの日」など一部の伝統は生き残ったのです。

アイスランド人は昔、夏の初日を教会で祝うことが多かった

1744年までは、この日に教会の礼拝に参列するのが普通でした。アイスランドは当時デンマークの支配下にあったのですが、たまたま4月にアイスランドを訪れたデンマーク教会の代表者がこの祝祭について知るに及び、デンマークにはない行事であるとして「夏の始まりの日」の礼拝をおこなうことを禁じたのです。

しかし礼拝が禁止された後もお祝いムードが途絶えることはなく、家族が集って夏の訪れを祝うという風習は続きました。いつしか礼拝も復活し、20世紀に入ると青年会が行事を取り仕切るようになり、今では国の祝日になっています。


アイスランド版「お中元」

夏を祝うプレゼント画像提供:JD Hancock

アイスランドの冬は今でも寒く厳しいですが、雪で道が遮断されると村の外の行き来やコミュニケーションさえままならなかった昔の人にとっては冬は尚更長く、つらく感じられたことでしょう。夏の到来は自由や解放の象徴だったのです。「夏の始まりの日」が連綿と続いてきたのにはこうした心理と無縁ではないと思います。

特に19世紀後半、20世紀前半には非常に重要な年中行事とされていました。都市の労働者は休暇をとり、農村でも必要最低限の農作業以外は休みました。そして家族揃って食卓を囲み、ごちそうを食べて贈り物を交換したのです。

クリスマスの二番煎じみたいだと思われるかもしれませんが、それは違います。アイスランドでは夏の贈り物の歴史はクリスマスプレゼントよりもはるかに古く、記録の上では1545年まで遡ることができます。一方クリスマスプレゼントが初めて文献に登場するのは19世紀です。

昔は大人も子供もプレゼントをもらいました。贈り物として人気だったのはパンです。当時、穀物はなかなか手に入らない高級品でした。現代は、プレゼントをもらうのは主に子供たちで、自転車やボール、アウトドア系のスポーツ用品といった夏のおもちゃが定番です。

4月半ばにアイスランドを旅行される方は是非、冬の格好をして夏を祝うこの不思議なパレードに参加してみてください。古のアイスランド人たちに倣って、大切な人に何かプレゼントをしてみるのも粋ですね!

4月のアイスランドの基本情報

アイスランド旅行に欠かせない間欠泉の見学

4月のアイスランドで是非おすすめしたいのはゴールデンサークル観光、ブルーラグーン温泉、そしてレイキャビク観光です。ハイシーズンは混み合う人気観光地も、4月ならじっくり楽しめるからです。


ブルーラグーン・ツアーを検索する 

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4月は観光のオフシーズン

4月はアイスランド観光のオフシーズン大自然を満喫。画像提供:Jórunn Sjöfn Guðlaugsdóttir

4月にアイスランドに行くべきか迷っている方に耳寄り情報です。4月のアイスランドはオフシーズンなので、航空券やホテルも繁忙期に比べるとかなりお得です。

それだけではありません。オフシーズンのため、ゴールデンサークルやミーヴァトン湖などの人気スポットも、観光客でごった返すことはありません。アイスランドらしいワイルドな大自然を心行くまで堪能することができるんです。


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4月のアイスランドの天気

4月になると、冬のようになかなか夜が明けない、ということはもうありません。4月1日の日の出が6:46、日の入りが20:18なので、一日の長さはだいたい13時間くらいです。4月30日の日の出は5:04、日の入りは21:47と、日照時間が更に3時間も伸びます。

夜はしっかり暗くなるので、オーロラを観測できる可能性もまだあります。天気予報をチェックし、雲がなく月や星が綺麗に見えそうな日は、是非夜空を見上げてみてください。

4月のアイスランドはまだ夜が長く、オーロラ観察に最適な時期

過去の統計では、4月は二日に一回は雨が降っています。しかし3月から4月にかけて徐々に晴れの日が増えてくるので、月の後半ほど降水確率は低くなります。ただし雨ではなく、雪が降ることもあるのでご注意を。

お隣のグリーンランドほど極端ではありませんが、吹雪もあり得ます。Safe Travelというサイトでは現地情報をチェックしたり、万が一の事故や遭難に備えて旅行計画を登録することができます。出かける前に是非活用ください。緊急連絡先もありますし、アプリも便利です。


アイスランドの天気についてもっと詳しく知る 


アイスランドの4月の天気はとても変わりやすいです。青い芝がきらきらと太陽の光を受けて輝く朝。「ああ、やっと夏がきた!」と喜んでベッドから出ても、出かけるころにはまさかの吹雪。アイスランド人が毎年一度は経験する「あるある」です。

ですから4月のアイスランドを旅行される方は、どうぞあらゆる天気に備えてください。重ね着ができる服、雨にぬれても大丈夫な靴は必須です。朝どんなに青空が広がっていても、いつ雪が降るかわからないので油断は禁物ですよ。


こちらの記事もどうぞ:アイスランド旅行の持ち物ガイド 


4月のアイスランドのドライブ事情

4月のドライブの旅には4輪駆動がおすすめ

4月はまだ冬季閉鎖されている道もありますが、アイスランドの幹線道路であるリングロードは通行可能で、必要に応じて除雪もされています。パフィンの名所、南海岸にあるディルホゥラエイ(Dyrhólaey)にもアクセスできますよ。


夏の5日間セルフドライブツアー はいかがですか?


南海岸やスナイフェルスネス半島、ゴールデンサークルに通じる道も問題なく通行できるはずです。4月は更に、アークレイリ、フーサヴィーク、ミーヴァトンなどの北部エリアにも車で行けるでしょう。但し、いつ雪が降るかわからないので、レンタカーをする場合は四輪駆動車(4WD)がおすすめです。


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4月のモデルプラン

スナイフェルスネス半島にあるキルキュフェットル山とキルキュフェルスフォス滝

世界の果ての島は、オーロラや氷河、ワイルドライフなど、4月も自然の神秘がいっぱい。

自分のペースで回りたい方には、レンタカーやホテルがついたセルフドライブ・ツアーがおすすめです。

例えば北部を重点的に回るこの冬季限定7日間のセルフドライブ・ツアーなら、美しいミーヴァトン湖や、迫力満点のゴゥザフォス(Goðafoss)とデティフォス(Dettifoss)の滝、北極圏からわずか100キロのアークレイリの町を訪ねることができます。もっと欲張りたい方は、ラングヨークトル氷河のスノーモービル体験や透明度100メートルといわれるシルフラの泉でのシュノーケリングなどのアクティビティを追加することもできます。


アークレイリをもっと楽しむなら:アークレイリのおすすめアクティビティ・ベスト10 


4月のゴーザフォスの滝また、スナイフェルスネス半島を巡る夏のセルフドライブ・ツアー(5日間)のようなツアーもあります。スナイフェルスネスは広大な溶岩台地やブラックサンド・ビーチ、チャーミングな村や美しい山など、アイスランドらしい風景を満喫できるおすすめエリアです。半島の中心部に聳えるのが、壮麗なスナイフェルスヨークトル氷河です。ラングヨークトル氷河のアイストンネル探検や火山のマグマ溜りを見学するオプションもあります。

滞在期間が短い方や運転が不安な方におすすめなのが、例えばこんな3泊4日のサマーバケーション・パッケージです。ブルーラグーン温泉にゴールデンサークル、南海岸の名所とヨークルスアゥルロゥン氷河湖などを効率よく回るツアーです。併せて氷河ハイキングや乗馬体験などに申し込むこともできます。


いかがでしたか。氷河ハイキングとホエールウォッチング、どちらをやってみたいですか?どのイベントがおもしろそうだと思いますか?

是非私たちと「夏の始まりの日」を祝いましょう!4月のアイスランドでお待ちしています。

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